東京から仙台まで

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ワンダースワンの旅

10.散財! お大尽旅行
〜外房線編(2)〜


前回までのあらすじ
東京から仙台まで、海沿いの町々を、ワンダースワンのソフトを買いながら旅する企画
“tv-game.com的ワンダースワンの旅”
勝浦の商店街でスワンを探したものの、見つけられなかったゲイムマン。
今回は再び勝浦から、スワン探しを再開する。(1999年11月6日)


勝浦

ワンダースワンの旅も、めでたく第10回を迎えることができました。
それを記念して今回は、
「お大尽旅行」
をやってみたいと思います。
今回立ち寄る町は、駅から観光地まで、やや距離のある所ばかり。
ですから、みんな駅からタクシーに乗って行っちゃおうと、こういう魂胆なのです。

午前9時8分勝浦駅着。
なんか頭痛がしたり腹痛がしたりと、体調は最悪なのですが、
果たして今日1日持つのでしょうか?
天気予報に反して、どんよりとしたくもり空だし。

「ワンダースワンの旅」過去最大の危機!
果たしてゲイムマンの体調は、どうなってしまうのか?
この続きはCMの後で!



とりあえず、体調が落ち着くのを待って、
当初の予定どおりタクシーに乗りました。
向かうは勝浦城跡の八幡岬公園。
土曜の朝だからでしょうか、人通りが少ないです。
タクシーの運転手さんが言うには、
「今の季節、観光のお客さんは山へ行っちゃうからね、紅葉見に」
9時29分、八幡岬公園に着きました。
こちらはお萬の方の像。
お萬の方は勝浦城主・正木頼忠の娘で、
1590年に勝浦城が落城した際、ここから白い布を垂らし、
それにつかまって40メートル下の海まで下りて、
小舟で伊豆の韮山まで逃れたということです。
後に徳川家康の側室となり、
頼宣、頼房という二人の男子を産みました。
頼宣は後の紀伊家の祖、頼房は水戸家の祖です。
ちなみに、かの水戸光圀は頼房の子なので、
お萬の方の孫にあたります。

岬の向こうは、見渡すかぎりの太平洋。
西のほうには、勝浦海中展望塔や、おせんころがしも見ることができます。
今考えると、行川アイランドであんなに時間があいてたんだから、
その間に、おせんころがしに行ってもよかったですね。

歩いているうちに体調が良くなってきました。ひとまず安心。
でも、さっきまで再三、和式トイレに行っていたので、ヒザが疲れてます。

さあ、駅に戻ってスワン探しを再開しましょう! ・・・って、
ここに来るときはタクシーでお大尽できたけど、
帰りは延々歩くことになるのでは!?

八幡岬から勝浦灯台を通って市街地まで。
せっかくだから、この道沿いにスワンがないか、探しながら歩くことにします。
勝浦灯台が見えます。
ここに来る間の道に、さりげなく
与謝野晶子の詩碑がありました。
さっきまでいた八幡岬。
お萬の方は、こんな断崖絶壁を、
白布1本で下りてきたんですね。

「駅から歩いて来られたんですか?」
地元のご夫妻に声をかけられました。
毎日このコースを散歩しておられるそうです。
「ここの海は、天気がいいと、七色に光ってきれいなんですよ」
「今日は土曜日だからいませんけど、普段は武道大学の学生さんがよくジョギングをしてますね」
「5月ころだと、下の岸に釣り客が大勢来て、この辺も渋滞するんですよ」
などなど、一度立ち寄っただけではわからない、
このあたりの様子について、うかがうことができました。
1869年、函館の榎本武揚軍を鎮圧するため、
熊本から送り込まれた援軍の船が、暴風雨により難破。
二百人あまりの死者を出してしまいました。
彼らを弔うために造られたのが、この官軍塚です。
静かで見晴らしのいい所です。

ここから先は名所旧跡もないですし、もと来た道を戻ってもいいのですが、
さっきタクシーの窓から見たところでは、道沿いに漁港はあってもスワンはなさそうです。
したがって、道をそのまま進んで、街まで戻ることにします。
勝浦の朝市で売ってないかな、スワン。売ってないか。

市街地に出てきたところで道に迷いました。今10時49分です。
次の電車は11時29分ですが、果たして間に合うんでしょうか?

瓦屋根・板塀の家々の間を抜けて、
肉屋、郵便局、川・・・はっ、ここは先週来た交差点! 駅までもうすぐだ!

しかしゲイムマンは、とある観光名所にまだ行っていなかったのを思い出す。
電車の時間まであと30分。となれば、タクシーで行くのが速い。
駅前からタクシーで向かった先は・・・
商店街のゲーセンのわき道に入ってすぐの所に、
高照寺はありました(タクシー代\660)。
この木が「乳イチョウ」とよばれている木です。
横枝から百本以上もの乳柱が垂れ下がっておりまして、
乳飲み子のいる母親が詣でれば、
母乳がよく出るようになるといわれています。
墓地の中にあったんで、
カメラを向けるのにちょっと躊躇しました。
でも撮りました。

お寺を出て、時計を見ると11時12分。
あ、余裕で間に合う。

商店街に人の姿が増えてきました。
でも結局スワンは見つかりませんでした。
11時21分、勝浦駅着。29分、千葉行きの電車に無事乗れました。

ここから複線区間です。
車窓から海が見えるのは、外房線ではこのあたりが最後。
向かいの席には、行商風のおばちゃんが二人。
大きな竹かごを床に置いてます。

 
御宿(おんじゅく)
トンネルをいくつも抜けて、11時35分、
御宿駅へとやってきました。
例によって「南房総リゾートフリーきっぷ」を
使っているので、この区間は無料ですが、
ホントは\180です。
ホームにはおびただしい数の女子高生。
ちょうど学校が終わったころでしょうか。
そのホームの端っこに、
海女さんの像があるのもこの町ならでは。
街灯にこんなシャレた装飾が。
「Costa de la Luna(月の海岸)」と書かれています。
なぜスペイン語なのかは、後ほど説明しましょう。

ここでも早速タクシーを使わせていただきます。
向かうは日西墨交通発祥記念碑。通称・・・
メキシコ塔です(11時46分着、タクシー代\810)。
1609年、当時スペイン領だったフィリピンから
メキシコに向かった帆船サンフランシスコ号が台風に遭い、
近くの岩和田海岸に座礁しました。
乗組員373人中317人が、村民により救助され、
翌年、三浦按針の建造した船で
無事メキシコにたどり着きました。
メキシコ塔はこれを記念して、1928年に建てられました。
メキシコのロペス大統領が来訪したこともあります。
だからさっきの街灯に
スペイン語が書かれていたんですね。

雲は相変わらず厚いですが、その中から日が差してきました。
塔は高台にあるので、眺めはすこぶる良好。
ただし帰りは山道を降りることになります。
きみさらずタワーや東京湾観音からの帰り道を思い出します。
道の途中で、正午になりました。
町に流れる時報の音楽は『月の沙漠』。
この曲の詩は、ここ御宿の砂浜で書かれたものだそうです。
きれいな砂浜に出ました。
太陽に照らされた海の水が、
砂の白とあいまって、
乳白色に輝いています。

ここ、「月の沙漠通り」には、
『月の沙漠』の作詩者・加藤まさをの
数々の詩が書かれています。
恋する乙女の心情をうたった詩が多く、
美しさと寂しさ、それに懐かしさが漂います。

正直に言いますと、場所が場所だけに、
来る前は私、御宿がこんないい雰囲気の所とは思いませんでした。
今度はカラッと晴れた日にまた来たいですね。
月の沙漠記念像は、1969年に造られました。
すぐ隣にあったビーチバレーのネットから、
夏のにぎわいが想像できます。
一面の砂浜。はるか向こうに海。
この時期さすがに海水浴客はいませんが、
サーファーは多いです。
そのほか家族連れや、若い女性の姿もありました。
加藤まさをは詩人であるとともに、
抒情画家として一時代を築いた人でもあります。
その作品は、月の沙漠記念館で見ることが可能。
海岸と少女を描いたものが多く、
いわゆる“大正ロマン”を感じさせる作品ばかりです。
彼女たちの服装こそ当時のものですが、
その内面は今の女性たちと、
案外そうは変わらないのかもしれません。
(加藤まさをの作品は、月の沙漠記念館のホームページ
見ることができます)

お大尽旅行を標榜する今回の旅ですから、
記念館で売られているお土産を、いくつか買ってみました。
『月の沙漠』が収録されているカセットテープ
『私の好きな童謡〜季節に歌う』(真木順子、キングレコード)。
生誕100年を記念して作られた『加藤まさを抒情詩画集』(御宿町発行)。
ふと柱時計を見ると、12時45分。次の電車は13時33分です。
この辺りまで来ると、もう駅までは10分とかからないそうです。だから時間に余裕があります。
そこで、「御宿のアイス」と銘打たれた、海藻粉末入りバニラアイスも買って食べました。
基本的にバニラアイスなのですが、ほのかに海藻の香りがするのがユニーク。

13時23分、駅に着きました。
後ろ髪を引かれる思いではありますが、予定どおり33分の電車に乗ります。
ドアが開いたら鳩が2羽乗っていて、思わず一瞬後ずさり。もちろん鳩をよけて乗りましたけど。
この鳩、このまま千葉まで行く気なんでしょうか?

窓からの景色は、両側とも山。自動車教習所やパチンコ屋のわきも通ります。
小ぢんまりした住宅街の中にある、小さな駅に着きました。浪花(なみはな)駅です。
鳩たちはこの駅で降りました。でも私は通過します。すみません。
再び動き出した列車が、田んぼの中を疾走します。
もうほとんどの田んぼで、刈り取りが終わっているようです。

 
〜浪花(なみはな)〜大原
13時42分、大原駅着(ホントは\190)。
赤いほうが外房線の駅で、
白いほうは、いすみ鉄道の駅です。
大原といえば裸祭りで有名ですが、
あれは9月のお祭りなので、
11月6日に来たって当然見られません。
いすみ鉄道は大原と上総中野を結ぶ路線で、
途中、城下町の大多喜を通ります。
終点の上総中野には、小湊鉄道が通っていて、
こちらに乗り換えれば、以前『徹萬』を買った
五井駅まで行くことができるのです。

ここでも駅からタクシーを使いましょう。行き先は八幡岬。
といってももちろん、勝浦に戻っちゃうわけではありません。
こちらの八幡岬は、形が帽子やトビに似ているので、
「帽山」「鳶崎」という別名があるそうです。
タクシーの運転手さんに、この近辺で景色がいい所を教えてもらいました。
「上総興津の守谷の海岸はいいよ」だそうです。
前回、電車から見えた、赤い鳥居のかかった岩があった辺りでしょうか。
次に訪れる予定の太東崎もいい景色だそうで、行くのが楽しみ。
13時55分、八幡岬到着(タクシー代\740)。
北側からは、防波堤に打ちつける
豪快な波の音が聞こえてきます。
←一方南側は、このように眺めのいい所。
山本有三、佐々木信綱、黒田清輝、竹久夢二ら、
数多くの文人墨客が訪れたということです。

続いて国の重要文化財、大聖寺へ行こうと思ったのですが、道がわからない。
地元のかたに聞くことにしました。
「この先、看板のある所を左に曲がってすぐです」
ということでしたが、行けども行けども一向にたどり着けません。
偶然こんな沼を見つけちゃいました。
これ、絶対違う道ですよね。
引き返しましょう。

別のかたに聞いてみたところ、
「ああ、1本手前に入ったんだね。戻って左行ったら看板あるから」
ありました。
大聖寺(だいしょうじ)不動堂。別名を波切り不動といいます。
かやぶきの重要文化財って珍しいですね。
1248年、地元の漁師の奥さんが、
海藻を採りに行って海中で見つけた不動明王像を
この場所に安置したと伝えられています。
この不動堂は室町時代のものと推定されています。

それにしても、ここといい八幡岬の神社といい、
さい銭箱がどこにも見当たらなかったのですが・・・、
いいのでしょうか?
帰り道で、「おも・・・」と書かれた看板発見!
これはもしかしてもしかすると、
「おもばば」!
そう、くもってるからなかなか乾かなくってねえ、
おわんみたいなひづめの馬だと走りにくい・・・

ってそうじゃなくて。
もちろん「おもちゃ」でした。
あーなんか久しぶり、ゲーム売り場の雰囲気。
鴨川以来ですからねぇ。
ワンダースワンのソフトにも、しばらく見ない間に、
ずいぶん新顔が増えてるし。
今回は、今まで何度も遭遇していながら、
いまだに買ってなかった
有名ソフトを買うことにします。
大原のハローマック千葉大原店で
『チョコボの不思議なダンジョン』を
\3,990(本体\3,800)で入手!

この店にはほかにも、ゲームボーイ、64、PS、ドリキャス、サターンと何でもあり。
テレビゲーム以外のおもちゃも豊富でした。
15時14分、大原駅に戻ってきました。
いすみ鉄道の駅に、
こんな車両が止まってました。

次の電車まで33分待ち。
15時21分に特急もあって、ちゃんと大原に止まるのですが、
次の目的地、太東(たいとう)に止まらない。
そういえば今日はまだ昼ごはんを食べてません。
でも、周囲にファストフード店はなし。
今から食堂やレストランに行ってたら、33分後には間に合わないでしょうね。
そこで、チョコレートを売店で買って食べて待ちました。

で、トイレに行ってる間に電車が来てしまって大あわて。
15時40分に来ちゃったんです。
もちろん定刻まで、この電車はホームで待っていました。
よくよく時刻表を見たら、「1540着」とちゃんと書いてました。
なにあわててるんだか。

15時47分、電車は発車しました。
左に山、右に田園、その向こうに住宅。
ごめんなさい、三門(みかど)駅に着きましたが、通り過ぎます。
今度は両側に田んぼ。長者町駅も通り過ぎます。
右側には「岬町総合運動場」と書かれた球場。すぐ田んぼ。
すすきの原っぱも見られます。

 
〜三門(みかど)〜長者町〜太東(たいとう)
キャッチ・ザ・ハート 太東!
というわけで15時58分太東駅下車(ホントは\190)。
想像していたより大きな住宅地が広がっています。
ここから私は、九十九里浜の南の端っこ、
太東崎へ行きたいと思います。

またタクシーのお世話になりますか。
「太東崎まで」
「太東崎のどこ?」
「・・・はい?」

思いもよらぬ質問に戸惑うゲイムマン。
この続きは次回にて。

ゴールの仙台まであと
123駅


今回のルート

勝浦市のホームページ  御宿町観光協会  いすみ市観光協会
いすみ鉄道  ちばの観光まるごと紹介

今回購入したソフト
『チョコボの不思議なダンジョン』 バンダイ(スクウェア)
潜るたびに変わるダンジョンの中で、チョコボがお宝を探すゲーム。
ダンジョン内でHPが0になっても、装備品はなくならないし、レベルも1下がるだけ。
ただし、テレポカードなどを使って脱出できた場合、
アイテムはまるまる手元に残るし、次に潜る際に、中断した階からスタートできる。
いつダンジョンから脱出するか、その見極めが肝心なゲーム。
『シレン』に挫折した人(私含む)にオススメ。


次回「ワンダースワンの旅 外房線編(3)」では、ゲイムマンが遂に九十九里浜へ!

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