東京から仙台まで

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ワンダースワンの旅

31.ジョン・レノン対テレビゲーム展
〜日立・北茨城編(2)〜


前回までのあらすじ
東京から仙台まで、海沿いの町々を、ワンダースワンのソフトを買いながら旅する企画
“tv-game.com的ワンダースワンの旅”
前回、遂に久慈川を越え、日立市に入ったゲイムマン。
今回は大甕駅から旅を再開するのだが、その前に・・・。(2000年12月23日)


水戸
久しぶりに水戸にやってきたゲイムマンさんです。
今週はまず、水戸芸術館で現在行われている
テレビゲーム展を見て、その後水戸で1泊し、
ワンダー・スワンの旅を再開させるのは、
明日からにしたいと思っています。

既に各ゲーム誌などで、ご存じのかたも多いと思いますが、
ここ水戸芸術館では、1月28日まで、
BIT GENERATION 2000 テレビゲーム展が開催されています。
エントランスホールに、いきなりピカチュウカーが展示されていました。

展示の内容については、こちらのホームページをご覧いただきたいのですが、
私の感想を言うと、
「ゲーマーならとにかく一度来なさい」
“テレビゲームを文化に”という動きは、以前からありましたが、
ちょっと前の作品でもすぐに忘れられ、入手困難になる現状では、
過去を振り返って未来につなげるという「歴史的視点」が育たず、
文化へ「昇華」させようという運動は、なかなか具体化しなかったものです。
業界の歴史を振り返る企画は、巷間で小規模に行われただけでした。
そういう現状で、このテレビゲーム展は、
ゲームが博物館の展示物になり得るということを証明したのです。
特に、ゲームの作り手を紹介し、
「ゲームも人間が作ったもの」であることを示したのには、りゅう飲が下がります。
「テレビゲームが色眼鏡で見られるのは、人間が表に出てこないから」と、
私は常日頃から主張してきているもんで。
ワンダースワンの生みの親、横井軍平さんの写真に一礼。

まあ、そういったカタい話を抜きにしても、
『アステロイド』から『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』まで、
各時代を代表するゲームを、実際にプレーできるというだけでもおもしろいです。
見たところ、『ゼビウス』が一番人気のようでした。
客層は若いカップル中心。
年末の忙しい時期(12月23日)だったためか、意外と混んでませんでした。
1月28日までやってます。まだ見てない人はゼヒ来るべし!

水戸芸術館のホームページはこちら。

CMの後は、まだまだ続く、テレビゲーム展のお話。



水戸芸術館のコーヒーラウンジで、ケーキを食べて、ちょっと休憩。
時刻は16時30分。今日は水戸で1泊する予定ですが、
チェックインにはまだ早いかもしれません。
というわけで、駅前のゲームファンタジアで、最新のゲームを2時間プレー。
『ミスタードリラー』で、初めて1000mをクリアーしましたっ! (2ミス)
800mまでノーミスでした。奇跡です。
PS版でも、5人設定でなければクリアーできなかったのに。
水戸駅もクリスマスムード。

19時10分、ホテルメッツ水戸にチェックイン。
ロビーにクリスマスツリーが飾られていました。
711号室からの眺め。
窓の真下が線路になっていて、いろんな列車が通ります。
(写真は翌24日朝撮影したものです)

ここで、芸術館の売店で買った、テレビゲーム展のプログラムを見てみました。
内容の濃さもさることながら、驚いたのは付録のシール。
本自体はモノクロ刷りなのですが、
文中の図や写真と同じものがシールになっていて、
図や写真の上からシールをはると、そこだけカラーになるという趣向です。
最初私は、フルカラー印刷より安く上がるから、
こういう形になっているのかと思いましたが、
それだけじゃないということに、シールをはっている途中で気が着きました。
シールをはっていると、楽しいのです。
読者にこのシールをはらせること自体が、一つの“遊び”になっていたのです。
それも、小学生のときはよくやっていたのに、
大人になって忘れてしまった、プリミティブな“遊び”です。
本の内容は、ゲームについてマジメに書かれた解説書なのですが、
その中にも、こうした遊び心を採り入れているというわけで。
つくづくおそるべきスタッフです。

ホテル1階のラウンジで、ナポリタンを食べながら、ふと考えました。
テレビゲーム展に展示されたゲームは、
ゲームそのものと、それをプレーする客とがワンセットで、
一つの展示作品になっているといえます。
お客が参加することで、作品が成立するというシステム。
先日、大宮のジョン・レノン・ミュージアムで見た、
オノ・ヨーコさんの作品に、通じるものがあるかもしれません。
そういえば今日は、水戸駅前のデパートで、
『ペーパーバックライター』が流れていましたし、
帰り道では『レディマドンナ』も聞こえましたし、
明日はクリスマスイブで、クリスマスソングといえば
レノンの『ハッピークリスマス』が定番ですし。
もちろん、テレビゲーム展では、ポール・マッカートニーにサインを求められた
宮本茂氏の業績も紹介されてましたし。
・・・とかつらつら考えていたら、
ホテル内のBGMが『イマジン』になりました。出来過ぎ。
翌朝でございます。

朝8時前には、もう駅に着いていました。
何でこんなに早く来たかというと、8時21分発の水郡線、
常陸太田行きに乗るためです。
水郡線は水戸と郡山を結ぶ路線ですが、
途中の上菅谷から分かれて、常陸太田に至る支線があります。
ただし支線ゆえに本数は少なく、8時21分の次は9時6分、
その次は、11時12分までありません。
上野から出発して、水戸に9時6分より前に着くのはちょっと辛いということで、
今回は、水戸で1泊したのです。
水郡線の列車は、
JR東日本
標準の気動車、
キハ110系。

真新しい車内。クロスシート+ロングシート。2両編成ワンマン列車。
例によって乗客は、お年寄りと女子高生ばかり。
(なぜか男子高生は、ほとんどいないのです)
車内には整理券発券機と運賃表あり。
ドアはボタンを押して開けるタイプ。この辺は冬寒いですからね。
汽笛をピッと鳴らし、北へ向かって出発です。

途中の後台(ごだい)駅で、高校生はみんな降りました。
窓から見える田んぼは、すっかり稲刈りも済んで、土が見えてます。
上菅谷から左に折れる本線を横目に、真っすぐ進むと、
車内には再び、若い人たちの姿が増えてきました。
終点・常陸太田駅着8時54分(\320)。

 
常陸太田(ひたちおおた)
歩道橋から見下ろした常陸太田駅。
この歩道橋は常陸太田駅と、
道一つ挟んで向かい側にある、
常北太田駅を結んでいます。

常陸太田は海岸近くではないので、
ワンダー・スワンの旅のルートではありません。
しかし常北太田駅から出ている、日立電鉄という鉄道が、
大甕(おおみか)から先、常磐線よりも海岸寄りを走っているのです。
で、どうせなら全線走破したいと思って、ここまでやってきた次第です。

タクシーに乗って、水戸光圀が隠居した西山荘(せいざんそう)へ。
バスもあるようなんですが、本数が少ないようなのです。
西山荘手前の、「西山の里・桃源」まで\800。
ここから木の橋を渡って行くのですが、なんかやけに滑ると思ったら、
霜が降りているのでした。
佐野浅夫さんの植樹した木がありました。
黄門さん役、お疲れさまでした。

西山荘の様子は、こちらのホームページでご覧ください。

庭園をひと回りして西山荘へ。
かやぶき屋根の、質素な家屋です。
いかに隠居の地といっても、部屋数があまりに少ないのでは、
と思っていたら、実はこの建物、1819年に再建されたもので、
1817年に火事で焼失する前は、この3倍くらいの大きさがあったとか。
だとしても、やっぱり質素です。
それこそ“越後のちりめん問屋・光右衛門”の住まいといった感じ。
釘隠しに金銀ではなく、貝殻を使っているのもユニーク。

庭の木の下でメモをとっていると、
いきなり目の前にカリンの実が落ちてきてびっくり。
直撃しないで良かったぁ。
以前、砧公園で、頭にドングリが直撃したことがあったんで。

水戸光圀は1691年、62歳で隠居します。
以来ここを住まいとし、
1700年、この西山荘で亡くなったのだそうです。

別棟が資料室になっていました。
光圀公の人形の前に来ると、声が流れてきます。
肖像画や像から推測された骨格に基づいて、合成された声とか。
意外に低い声だったんですね。
ほかに、光圀公筆の墨絵や、本物の印ろうなどが展示されてました。

最後に、家臣や庶民の使っていたという裏門を通って、コース終了。
この裏門は、わざと表門より立派に作ったのだとか。

続いて、徒歩で久昌寺(きゅうしょうじ)へ。
水戸光圀が、生母・久昌院靖定夫人の菩提を弔うため、
1677年に建てたそうです。
いきなり裏の義公廟に
出ちゃいました。
こちらは光圀公の遺徳をしのんで
1941年に建てられたもの。
墓地の中を下りて本堂へ。

正門を出て、坂を下り、源氏川にかかる曼荼羅橋を渡ります。
途中、「ほうれん荘」という名前のアパートがありました。
南下して、結局そのまま歩いて駅まで戻ってきました(11時42分)。

 
常北太田(じょうほくおおた)
日立電鉄の常北太田駅です。
駅の中に、自動販売機が
立ち並んでいます。
のどが乾いてたので、
「はちみっつ」を買って飲みました。

さっきも書いたとおり、ここから電車で大甕を目指します。
次の電車は12時16分。
駅名板にはこんなイラストが。
正午ころ、1両の
真っ赤な車両が到着しました。
あーやっと座れる。
電車に、おなじみのマークが。
日立電鉄は、あの日立製作所の
グループ企業です。

乗客はお年寄り2人と、私服の女子高生(中学生かもしれない)たち、
それと鉄道マニアっぽい少年が1人。使い捨てカメラで写真を撮ってました。
座席は通勤電車タイプのロングシート。

定刻に常北太田を出発した電車は、東南東の方角へ進みます。
女子高生たちが、『バトルロワイヤル』の話をしてました。
「気持ち悪いシーンもあったけど、感動した」とのこと。

 
大甕(おおみか)
電車はコトコトと
上下左右に揺れながら、
39分、大甕駅着(\490)。
荷物をロッカーに入れて、
さあ、歩きましょう。

まず、前回目をつけていた3階建てのスーパーに入るものの、玩具はナシ。
海岸に出ました。
前回は日が暮れてから
ここに来たのでした。

横のレストランで昼ご飯。
ビタミンB1を補充すべく、豚の味噌風味焼きを食べました。
眺め良好。味も良好。
北に見えるのは田楽鼻。
海岸沿いに少し
南へ行くと古房地鼻。
この日立灯台は、
昭和42年に
建てられたもの。
前回も来てたんですが、
夜だったんで写真が
ブレちゃってたのです。
ここから北のほうを見ると、
田楽鼻の向こうに、
日立の市街地が
見えてきました。

さてここからは、南にある久慈浜駅に向かって、
スワンを探しながら歩きたいと思うのですが・・・、
ちょうど時間となりました。
このあと続きはまた次回!
・・・次回の更新は、本来なら1月15日のはずなので、
できるだけ早く、更新したいと思います。

ゴールの仙台まであと
52駅


今回のルート


水戸観光協会  常陸太田市観光物産協会  日立市観光協会  観光いばらき

(『仙界伝』『スーパーロボット大戦』『ONE PIECE』は次回以降でレビューします)


次回「ワンダースワンの旅 日立・北茨城編(3)」では、
ゲイムマンがアニメソング歌いまくり!

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