東京から仙台まで

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ワンダースワンの旅

36.ヘックスに懸ける想い
〜日立・北茨城編(7)〜


前回までのあらすじ
東京から仙台まで、海沿いの町々を、ワンダースワンのソフトを買いながら旅する企画
“tv-game.com的ワンダースワンの旅”
前回高萩駅から、畳工芸美術館にやってきたゲイムマン。
今回は北茨城の美術館・博物館を巡る。(2001年2月12日)


日立のホテルで目覚めた直後のゲイムマン。
風邪で熱っぽかったのだが、
スワン探しの旅は続けることに。
まず、高萩市の畳工芸美術館へ。

 
高萩
茨城県畳高等職業訓練校・
畳工芸美術館です。

職業訓練校の併設美術館なので、1階だけかと思っていたら、
2階、3階、さらに別館もありました。
ホントに何でも畳で作られてまして、
甲冑、ミニチュア御殿、八角堂、神棚、宝船など。その数、約千点というボリューム。
円い畳は、縁の処理が難しいらしいのですが、シワひとつないのはさすが。
おみやげにコースターを購入しました。

畳工芸美術館のホームページはこちら
9時40分、畳工芸美術館を出て、
国道へ向かって歩き始めました。
途中の景色はこのように、
広々とした田んぼの中。

風邪をひいたゲイムマンは、この後無事に先へ進めるのか?
この続きはCMの後で!



南中郷(みなみなかごう)
南中郷駅着10時21分。
昨日タクシーでもらった時刻表によると、
次の下り電車は10時52分。
自販機で温かいお茶を買って飲んで待ちます。

定刻に発車。相変わらず国道沿いは建物が多く、少し離れた所は田畑が中心。

 
磯原
55分、次の磯原駅で下車(\180)。
駅舎は最近建て替えられたようで、
人が来ると動くエスカレーターがありました。

改札の前には、童謡の歌詞プレートが掲げられています。
十五夜お月さん、七つの子、青い眼の人形、赤い靴、黄金虫、
シャボン玉、兎のダンス、雨降りお月さん、
證城寺の狸囃(そういや木更津の証誠寺にも行きましたっけ)。
ここ磯原は、これらの詩を書いた、野口雨情の出身地なのです。
駅前には船頭小唄の碑も。
揮ごうしたのはあの森繁久彌さんだそうです。
まずスワンを確保しておきましょう。
ハローマックへ。
PS2、プレイステーション、ニンテンドウ64、
ドリームキャスト、ゲームボーイ、
そしてワンダースワンあり。
カラーのソフトも何本かありましたけど、
モノクロのは半額なんで・・・、
磯原のハローマック北茨城店で、
『CLOCK TOWER』を
\1,984(本体\1,890)で入手!

ここで気になったのが、ハローマックの向かいにあったジャスコ。
まず風邪薬を買って、おもちゃ売り場を探します。
さすがにすぐそこにハローマックがあるから、おもちゃ売り場はないかも、
と思ってたら、あったですよ。64、GB、んでわずかながらスワン。
もし、次の大津港駅付近でソフトが手に入らなくても、
このジャスコから歩けば、連続入手記録は途切れずに済むというわけで。
ただし、磯原と大津港の間は約8キロあるので、
なるべくなら歩きたくはないんですけど。
駅の中を通り抜けて、東口に出ました。
これから野口雨情記念館を
見学するつもりですが、その前に。
もうすぐ正午。こちらの駅の
「CLOCK TOWER」が動き出す時間です。
12時ちょうどになりました。
からくり時計の扉が開き、
「シャボン玉」と「七つの子」の風景が現れます。
このあとさらに、「青い眼の人形」も登場。
正午少し前より、どこからともなく、
時計の前に人が集まってきました。
からくり時計のパフォーマンスを
ひととおり楽しんで、
また思い思いの方向に
散っていきました。

さあ私も行きましょう、
野口雨情記念館。

記念館までは、歩いても15分ほどらしいですが、
高萩に続いてタクシーを使いましょう。暖房効いてるし。
ワンメーター、\660で到着。
入館料\300。
雨情の手紙や直筆原稿、
詩を発表した雑誌などが展示され、
その生涯が解説されています。

「童心とは、天より与えられた純真無垢なもので、全愛の心をもち、
 もののあはれを感ずるものである」

子供のための仕事をした大先輩の言葉は、
テレビゲームに関する仕事をする際にも、役に立つのではと思います。
つーことでカセットテープ「野口雨情童謡集」を購入。

なお、2階は北茨城市の民俗資料館になっていて、
その昔、農業、漁業、鉱業(石炭)に使われていた道具などが展示されていました。
(野口雨情記念館のホームページはこちら)

同じ国道6号線沿いに、雨情の生家があります。(入場料\100)
現在でも子孫のかたが生活されているそうですが、
一室が展示室になっていて、
雨情直筆の軸や、家族に宛てた手紙などが展示されていました。
童謡集があったので購入。
さらに南下すると天妃山。
カモメが一斉に飛び立ったところです。
(この白い点々が全部カモメ)

時刻は13時45分。例の時刻表を見ると、次の下りは14時3分。
急いで駅に戻りましょう。

しかし、タクシーで来ると近く感じた天妃山も、
歩いてみると意外に時間がかかるもんですね。
ようやく線路が見えてきたちょうどそのとき。
その線路を左から右へ、電車が通り過ぎていきました。
さよーならー、おたっしゃでー。

駅に着いたのは14時6分。
次の電車は27分。1時間待たなくて済んだのは不幸中の幸い。
キオスクであんパンと缶コーヒーを買って昼ご飯に。
しかし、缶コーヒーは失敗だったかもしれません。
カフェインが入っているから、さっき買った風邪薬を一緒に飲めないのです。

電車に乗ったら、5〜6分は快適に過ごせます。
暖かいし、座れるし。体が冷えてきたところだったので、助かります。
右手にみえる国道は、今歩いてきたばかりの所。
国道沿いに建物が並んでいますが、
一方で左手のほうにも、瓦屋根の家が続いています。
やがて国道が線路から遠のくと、間もなく次の駅、大津港。

 
大津港(おおつこう)
14時32分、大津港駅着(\190)。
ここは茨城県最北の駅。
つまり、ワンダースワンの旅最後の
関東の駅であり、ここから先は東北です。

大津港駅は、一見ごく普通の駅ですが、よく見ると随所に個性が見られます。
ここは五浦(いづら)海岸の最寄り駅。
五浦海岸には六角堂という、その名のとおり六角形の建物があるのですが、
駅舎もこの六角堂を多分に意識しているようです。
玄関のひさしが、六角堂の屋根を切り取ったような形をしていますし、
壁すそのデザインも、六角堂の土台の石積みを模したようです。

駅前には六角堂のミニチュアがあります。電話ボックスにも六角の屋根が。
とにかく至るところ六角だらけ。
『大戦略』のファンが泣いて喜ぶかも。

キオスクでウーロン茶買って、薬を飲んで、
1粒落としたから拾って捨てて、なんてことをやってるうちに、
はや15分も経ってしまってました。はたから見たらさぞ怪しい人でしょう。

ここでもタクシー使いましょう。五浦海岸の、天心記念五浦美術館へ。
\2,000くらい行くかと思ってたら、\980。意外と近かったですね。
茨城県天心記念五浦美術館は、
平成9年開館したばかりの新しい美術館。
広々とした館内を、
大勢のお客さんが行き来しています。
企画展込みの入館料\600。

まず、岡倉天心記念室へ。
天心の生涯が、当時の写真や遺品などを交えて紹介されています。
岡倉天心は、明治時代、西洋文化がもてはやされる中で、
日本の伝統的な文化を守るために、さまざまな活動を行った人物です。
古美術品の保存に力をつくすとともに、
日本文化に関する本を英語で書いたり、
ボストン美術館で東洋美術品の調査や分類を行ったりするなど、
海外に日本文化を紹介する役目も果たしました。

また天心は、東京美術学校(現在の東京芸術大学)を作った
中心メンバーでもあります。
同校の校長を足掛け9年務めた後、日本美術院を創立。
美術学校時代の教え子である、
横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山らとともに、
西洋画の要素を取り入れて、新しい日本画を作ろうとしたのですが、
初めのうちは評価を得られず、経営難におちいるはめに。
そこで、再起をはかるために、日本美術院研究所を
東京からこの五浦に移し、大観、観山、春草、武山とともに移り住んだのです。

記念室には、彼ら4人の作品や、
天心自身の作品(英語で書かれた本やオペラ台本等)も展示されていました。
(メモを取ってなかったので、記憶が違ってたらごめんなさいなんですが、)
武山の描いた天女の絵があって、それはそれは魅力的でした。

特別展は、目黒雅叙園美術館の日本画コレクション。
(2月12日に終了しています)
美人画が中心で、展示室全体が華やかな雰囲気でした。が、
考えてみれば、ここよりも目黒のほうが、私の家に断然近いので、
ここで目黒のものを見るというのは、ちょっと奇妙な感じ。

(天心記念五浦美術館のホームページはこちら)
16時15分、美術館を出ました。
階段を下りると、天心遺跡記念公園。
ここがかつて日本美術院のあった場所です。
大観や観山らそうそうたるメンバーが、
この景色を見ながら
並んで絵をかいていたと思うと、
なんかスゴい。
隣の浦もいい眺め。
浦が五つあるから「五浦」という地名がついたと
いわれています。
ここではトイレも六角形。
天心旧居跡は、
茨城大学の五浦美術文化研究所に
なっています。
道の向かい側には、天心の墓も。

(茨城大学五浦美術文化研究所のホームページはこちら)

しかし横のプレートを見ると、開館時間が午後4時半まで。
既に閉まってました。
ふーん、しょうがないかとあきらめて、少し歩いて、気が着きました。
六角堂はここの敷地内。
てことは、六角堂に行けないぢゃないか!

対岸の五浦岬公園に急行。せめて外から六角堂を見ておきたい。
夕方、人気のない公園。
丘に上がる階段の入口に、おっきな十字架が刺さってます。
コワい。上に教会があることを示す十字架らしいですが、
木で作った、何の装飾もない十字架なんで、マジでコワいです。カンベンしてください。
恐怖と寒さに震えながら、階段を上っていくと、
やっと見えました。
岡倉天心が思索にふけったという
六角堂です。
ただし、こんな遠く。
大津岬灯台のわきを抜け、
バス通りを歩いて、駅に戻りたいと思います。
バス通りなんだから、
本当はバスに乗りたいんですけど、
1時間くらい前に、最終のバスが
出ちゃった後なんですよね。

現在17時23分。薄暗くなってきました。
夜の漁師町を、家々の飼い犬に吠えられながら、
時には野良犬に背中を突っつかれながら、ひたすら歩きます。

国道6号に出たのが18時2分。
あっ! 本屋に「コミック・ビデオ・ゲームソフト」って書いてある!
しかし入ってみると、中古のみでした。
国道を渡って県道27号へ。
18時40分、遂に大津港駅にゴール!
結局今日も2時間半歩き通し。明日の体調が心配です。

駅前にセブンイレブンがあったので、晩ご飯としてロースカツ重を調達。
19時9分の上り電車で日立まで行き、特急に乗り換えて帰ることにします。
39分、日立駅下車。うーさむ。震えながら56分のスーパーひたちを待つことに。
来ました。乗りました。何とか座れました。
2時間まるまる眠って、21時32分上野着。

当然のことながら、翌日から風邪をこじらせてブッ倒れました。
仕事先の皆さん、ごめんなさい。

ゴールの仙台まであと
39駅


今回のルート


高萩市観光協会  北茨城市観光協会
観光いばらき

購入したソフトについて
『ONE PIECE』 バンダイ
海上に航路パネルを置いて、船を進めていくシステム。
操作方法がわかりにくいが、慣れてくればおもしろい。
敵船などとの競争では、上に別のパネルを置けない
「ロックパネル」の使いかたがカギとなる。
1ステージクリアーするまで、セーブできないのがちょっと残念。
『ファイナルファンタジー』 スクウェア
あの大ヒットシリーズの第1弾をリメーク。
RPGの「戦闘」を楽しんだのは久しぶり。
それぞれの敵に特徴があるし、ゲームバランスも絶妙。
得られるお金と経験値もちょうどいい。
エルフやドワーフが出てくるなど、シナリオやシステムの一部に、
『D&D』や『ウィザードリィ』『ウルティマ』の影響がみられるのが、
今見るとおもしろい。というか、懐かしい。
近年のRPGに比べて展開が早く、サクサク進む。
(『スーパーロボット大戦』『東京魔人学園符咒封録』『誕生Debut』
 『リング∞』『名探偵コナン』『CLOCK TOWER』は次回以降でレビューします)


次回「ワンダースワンの旅 いわき編(1)」では、
ゲイムマンがひたすら歩く!?

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