ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

2.目指せ! リアル『風雨来記』
〜道北編(2)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで\5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は\100ずつ増える。
(ただし、1プレー\50円のゲームなら\50ずつ、1プレー\200なら\200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(先週までのゲーム路銀 -\3,290)


稚内

2001年9月15日、午前8時起床。

ホテルから一歩外に出たら、猛烈な風雨が襲ってきた。
いや、雨は霧雨程度なのだが、とにかく風が強い。傘も満足にさせないほどだ。

そうか、この北防波堤ドームは、
こういう時のためにあったのか。
樺太へ行く、あるいは樺太から来る人々を、
たびたびこういう風雨から守ってきたに違いない。

かつてここにも駅があったことを示すためか、
SLの動輪が飾られていた。
隣には稚泊航路記念碑も。
戦後長らく途絶えていた稚泊航路だが、
現在では「北海道・サハリン定期航路」として復活している。

車道から一段高くなったところに、
しおさいプロムナードが延びている。
風はキツいけど、海がよく見える。

北防波堤ドームと、このしおさいプロムナードは、
『風雨来記』(ふうらいき)というゲームに出てきたので知っている。
北海道を舞台にしたゲームといえば、『北へ』が有名だが、
この『風雨来記』は、何たってストーリーが良い。
主人公の相馬轍は、バイクで道内を旅する旅行ライター。
道東・道央・道北を中心に回るうち、
幾人かの女の子たちと知り合い、愛し合うことで、
彼女たちを巡る物語が展開していく。

で、だ。
一応私だってライターのはしくれ。しかも道北から道央を経由する。
今回の旅で『風雨来記』のような出会いがあればいいなと、ちょっぴり期待している。
事前に、4泊5日のこの旅の中で、出会いのありそうなポイントを5つほど選んでみた。

  • 稚内へ来るときの飛行機の機内
  • 稚内全日空ホテル内のバー
  • 旭川に向かう宗谷本線の車内
  • 美瑛、富良野といった観光地
  • 帰りの北斗星の車内

……って、もう残り3つしかないか。

駅前の観光センターで、北海道限定、クリオネ加トちゃんストラップを購入。
店を出たあと、駅の裏手に回り、駐車場の中へ。お目当てはこれだ。

「最北端の線路」立て札。
「最南端から北へ伸びる線路は
ここが終点です」と書かれていて、
その両隣に、
日本最南端の「指宿枕崎線西大山駅」、
そして「宗谷本線稚内駅」の名前がある。

日本国中をつないでいるJRの線路は、
まさに、今、私が立っている、
この位置で途切れているのだ。

つい最近まで宗谷本線を走っていた、
急行宗谷を模した建物も。

いよいよこれから本格的に、日本縦断が始まるのだ。
始まる前から既にマイナ三千円だが。

午前10時19分、稚内駅着。
次の目的地・旭川までの、\5,250の切符を買って、
48分発の“汽車”を待つ。
(もちろんSLではなくて、ディーゼル気動車だが、
北海道では“汽車”と呼ばれる)
ゲーム路銀 -\3,290-\5,250=-\8,540
またこの駅では、到達証明書つきの入場券が
売られていたので、それも買う。
あと、弁当がなかったので、
かわりにお菓子を買った。

やってきたのは1両の気動車。
クロスシートは全席進行方向向き。
一部に通勤車両風のロングシートも。

さて、気になるほかのお客さんだ。
人数は10人くらい。
うち半数が、私と同じような旅行者とみられる。
ここを「出会いのありそうな場所」に選んだのは、
女性の旅行ライターさんでも乗ってないかと、期待したからだ。
でもやっぱり、こういう車両に乗るような鉄道ファンに、女性はいなかった。

10時48分。汽車はゆっくりと稚内駅を後にした。
次の南稚内で10人くらいの人が乗る。ここを離れると、

いつのまにか窓の外には、
家が1軒も見当たらなくなっていた。
稚内自体は、けっこう大きな街なのだが、
市街地を離れると、ホントに見渡す限り、
家もなければ道もないのだ。
田んぼすらない。
携帯電話も圏外になった。

〜南稚内〜抜海(ばっかい)

次の抜海駅に停車。
南稚内からここまで、11分ノンストップ。
普通列車とは思えない。

抜海を過ぎると、牧場がところどころに現れた。
しかしすぐまた人工物が視界から消え、
シラカバ林に。

〜勇知(ゆうち)〜兜沼(かぶとぬま)

キャンプ場で知られる兜沼。駅は沼の岸に位置している。
ここから南は上サロベツ原野。

〜徳満(とくみつ)〜豊富(とよとみ)

サロベツ観光の拠点・豊富に、11時32分着。
サロベツ原生花園と豊富温泉の間に駅がある。
ここで、かなりのお客さんが降りた。

<〜下沼(しもぬま)〜南下沼>〜幌延(ほろのべ)

豊富と幌延の間に、下沼、南下沼と、
ふたつの駅があるのだが、この汽車は止まらない。
豊富から14分走って、幌延駅着11時46分。
ここで何と16分も停車する。が、とりたててすることもなし。
車内を見回してみる。気がつくと、お客は5人になっていた。
私も含めて、全員が旅行者風。しかも男ばっか。
もしここに女性の旅行者がいたら、数少ない旅人同士、
話が弾むかもしれないなどと思っていた。
しかし、数少ないどころか女性は皆無で、
悲しいかな男の旅行者は、想像した以上にいる。
車中で正午のサイレンを聞く。
12時2分、ようやく出発。

幌延から先は、
天塩(てしお)川の流れに沿って走る。
はじめは見えたり隠れたりだった川も、
やがて大きくなり、目立つようになる。

<〜上幌延〜南幌延〜安牛(やすうし)>〜雄信内(おのっぷない)

普通列車なのに、また3駅をすっとばし、
十数分走って雄信内という、知らなければ絶対読めない名前の駅に停車。

この駅で、特急スーパー宗谷とすれ違う。
旭川から3時間半で稚内に至る振り子特急。
札幌からだと約5時間だ。
先ほど出てきた急行宗谷に替わって、
2000年3月から登場。
大都市圏と道北を結んでいる。

12時21分、私の乗る普通列車も、雄信内から出発進行。

<〜糠南(ぬかなん)>〜問寒別(といかんべつ)
<〜歌内(うたない)>〜天塩中川(てしおなかがわ)

天塩中川で、地元の小学生か中学生くらいの女の子がふたり乗ってくる。
ひとりは次の佐久で降りた。

途中不覚にも寝てしまうが、
目を覚ますたびに天塩川沿いの
雄大な景色が車窓を彩る。

〜佐久〜筬島(おさしま)

筬島停車。駅名標を見ると、前の駅は佐久。
つまり私が寝ていた間、停車駅も通過駅もなかったことになる。
雄信内から問寒別まで9分。そこから天塩中川まで13分。
さらに佐久まで8分。佐久から筬島までは何と18分。

音威子府(おといねっぷ)

筬島から8分走って、音威子府駅に着く。ただいま午後1時17分。ここで5分停車。
音威子府はかつて天北線との乗り換え駅だった所だが、
1989年に天北線が廃止になってからは、宗谷本線のみが通っている。
依然乗客は6人。

咲来(さっくる)

沿線の建物横に、ひまわりが咲いていた。
咲来駅で女性がふたり乗る。

豊清水で下り普通列車とすれ違う。恩根内で女の子がひとり乗る。
紋穂内では男の子がひとり。

<〜天塩川温泉>〜豊清水(とよしみず)〜恩根内(おんねない)
〜紋穂内(もんぽない)<〜初野(はつの)>〜美深(びふか)

美深でひとり降りるが、かわりに5、6人乗ってきた。
これでようやく、旅行者より地元の人のほうが数が多くなった。
車窓の景色にも、そろそろ田んぼが現れ始める。
よく実っている。
空が少し晴れてきた。

<〜南美深〜智北(ちほく)>〜智恵文(ちえぶん)

貨物列車の車掌車を改造した
智恵文のひまわり駅舎。
この後3駅を通過して、
この列車の終点、名寄である。

<〜北星(ほくせい)〜智東(ちとう)〜日進(にっしん)>〜 名寄(なよろ)

名寄駅着2時15分。
お客さんの多くは、22分発の
「快速なよろ」旭川行きに乗り換える。
だが、その次に3時48分発の列車があるので、
それまで名寄の町を歩いてみることにする。

駅前広場はこんな感じ。
名寄もかつては宗谷本線、名寄本線、
深名(しんめい)線が分岐する乗り換え駅だった。

ゲーム路銀を増やすべく、
ゲーセンなり、ゲームコーナーのありそうなデパートなりを探したものの、
名寄の市街地はだだっ広くて、なかなか見つからない。
あ、あった!

……ハローマックが。
これが「ワンダースワンの旅」だったらなぁ。

町をひと回りして、駅に戻ってきたのが3時15分。
まだ30分以上ある。
キオスクでサンドイッチとカルピスウォーター買って、昼ご飯に。

旭川行きの普通列車も1両編成。
座席はロングシートとクロスシートがあり、
クロスシートは昔ながらのボックスシート。

またちょっと眠くなってウトウトする。
目が覚めたとき、天塩川が線路の下をくぐっていった。

<〜東風連(ひがしふうれん)>〜風連<〜瑞穂(みずほ)>
〜多寄(たよろ)<〜下士別>〜士別(しべつ)

士別でかなりの人が降りるが、それ以上の人が乗る。
下り列車とすれ違う。

士別の中心地を過ぎると、松とシラカバの混成林がしばらく続く。

剣淵を過ぎて見通しが良くなると、
田畑の広がる田園風景に。

<〜北剣淵(きたけんぶち)>〜剣淵
<〜東六線(ひがしろくせん)>〜和寒(わっさむ)

和寒で団体さんが乗ってきた。
会話の言葉からすると、中国から来たかたがたのようだ。
剣淵、和寒、比布と、それぞれの町の中心地をつないで走る。

〜塩狩〜蘭留(らんる)<〜北比布>〜比布(ぴっぷ)

比布を出てまた少し寝てしまう。
北永山は穀倉地帯。永山はもうすっかり住宅地。乗客も増えてきた。
旭川四条でイトーヨーカドーのマークが見えると、
いよいよ都会に来たという感じがする。
ビルも林立する。

<〜南比布>〜北永山〜永山〜新旭川
〜旭川四条(あさひかわよじょう)〜旭川

北海道第2の都市・旭川着5時21分。
もう夕暮れである。

駅前の平和通買物公園。
1972年に日本で初めて、
恒久的な歩行者天国となった道路だそうだ。

ホテルにチェックインした後、再び買物公園へ。
「ゲーセン紀行」の名のとおり、ゲーセンにいざ出陣である。
これまではただの「紀行」だったが、旭川ならさすがにゲーセンはあるだろう。
と、その前に夕食を。
有名なラーメン店の「山頭火」は、ここ旭川が創業の地。
4条店で味噌ラーメンを食べて腹ごしらえ。
細めんで具だくさん。さすがにウマい。
待たずに入れたのは運が良かった。
店を出ようとしたときに、後ろにずらーっと行列が。
8時を回って、これから客が増えるころか。

買物公園ではこのように、
道の真ん中に木が立ってたり、
彫刻が立っていたりする。
歩行者天国ならではの、良い眺めである。

噴水も両手の間から噴き出す。

さあ、遂に、「ゲーセン紀行」の
ゲーセン第1号。
買物公園沿いのセガアルゴだ。

地下1階のビデオゲームフロアへ。
記念すべき1本目のゲームは、『ナムコクラシックコレクション』に収録された、
不朽の名作『ゼビウス』でいってみたい。
2面までは順調で、エクステンドもするが、3面で2度やられる。
3度目にやられて3面を死に越え。
(『ゼビウス』ではステージの70パーセントを過ぎた後にやられると、
自動的に次のステージへ進む)
で結局4面でゲームオーバー。100円で3面クリアーしたので、-\100+\300

続いて、私が得意な『ミスタードリラー2』!
……のアメリカステージ(弱い)。
しかし得意なはずのこのゲームで、100m台で2回もミスし、
815mでゲームオーバー。それでも-\100+\800。このゲーム、効率いい。
もう一度プレーして、今度は929m。-\100+\900
その後、『ナムコクラシックコレクション』の『ディグダグ』アレンジモード。
これも得意なつもりだったが1面で1ミス、結果は6面まで。-\100+\500

『ストリートファイターZERO3』は100円で2プレー設定。
春麗で3人、リュウで4人抜き、いずれもザンギエフに負ける。
長くプレーした割に、-\100+\350
\50のゲームは面クリアーしても+\50ずつだから、ちょっと効率が悪かったか。

『ミスドリ』をクリアーしたくて、もう一度トライ。865m。-\100+\800
もういっぺん。今度は835までノーミスだったので、
きっちり1000mクリアーした。-\100+\1,000
後ろにあった自販機で、パックマン缶の「チャラ」を買って一人で乾杯。
結果、セガアルゴでの収支は+\3,950
ゲーム路銀 -\8,540+\3,950=-\4,590

明日に備えて、駅で時刻表を確認する。
(写真は駅入り口のニポポ像)
明日は富良野経由で帯広へ向かう予定だが、
時刻表を見たところ、9時48分発のSLがあった。
指定席券\800を買っておく。
次は美瑛で降りる予定。運賃は\530。
ゲーム路銀 -\4,590-\1,330=-\5,920

現在のゲーム路銀
-\5,920


今回のルート


稚内市のホームページ  稚内観光協会  音威子府村のホームページ  道北観光連盟
名寄市のホームページ  なよろ観光まちづくり協会  旭川市のホームページ  旭川観光協会


次回、「日本全国ゲーセン紀行 道央編(1)」では、
ゲイムマンが自転車で美瑛の丘めぐり!

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