ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

101.江の電と大仏様
〜湘南編(4)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥18,965




鎌倉

2007年12月2日。11時51分、鎌倉駅着。
今回は江ノ島電鉄(江ノ電)に乗って
進むことにする。

頭端式ホームの車止めに、
カエルの像があった。
サンタの服を着て、トナカイを連れた
クリスマスバージョン。

12時ちょうど発の電車に乗る。
それにしてもすごい人出だ。
車両は、レトロ風の20形と、

500形が各2両ずつ。
500形は、もとの500形に似た
丸っこい形になっている。

500形に乗車した。ドアの上にモニターがあり、沿線観光案内の映像が流れている。
鎌倉を出て、住宅地を走る。左右とも、沿線の民家が近い。
12時5分、大勢の人々とともに、長谷駅で降りた。構内踏切を渡って改札を出る。
ゲーム路銀 ¥18,965-¥190=¥18,775


〜和田塚〜由比ヶ浜(ゆいがはま)〜
長谷(はせ)

長谷駅は、長谷観音と鎌倉大仏の最寄り駅。

よく晴れて暖かくなった。歩道はあるが、人が多くてそこかしこであふれている。
私もときどき、人とすれ違うために車道へ出て歩く。

駅から北へのびる道を少し歩き、
左に折れてまず向かったのは
長谷寺(長谷観音)。
(入山料¥300)

入ってすぐある池の周りが、
赤・黄・緑の木々に彩られていた。

モミジは場所によって、
“紅蓮”という表現がふさわしいほど
真っ赤に染まっている。

カメラを構えた人々の邪魔にならないように歩き、
歩く人々の邪魔にならないようにカメラを構える。

地蔵堂の周囲では、石段に無数の小さな
お地蔵さんが立ち並んでいた。

石段を上ると、観音堂が姿を現した。
左右に大黒堂と阿弥陀堂を配す。
阿弥陀堂のさらに右側に鐘楼がある。

まず、大きな金色の阿弥陀様に参拝。
源頼朝が厄除けのために建立した像という伝承がある。

続いて、御本尊の十一面観音様にお参り。
高さ9.18メートルを誇る木造仏。
伝説では721年、大和の長谷寺の開山・徳道上人の本願で、
楠の巨木から2体の観音像が造られ、うち1体を海中に投じたところ、
736年になって、横須賀の長井に現れたため、
当地に遷座され、この長谷寺が創建されたとされている。

実際のところは後世の修復も多くて、いつ造られた像かはわかっていないらしいが、
長谷寺のサイトによると、光背や、御前立の観音像が室町時代に修復されているので、
御本尊も、少なくともその頃までには造られていたようだ。
そんな昔に、木でこの大きさの像を造る技術がすごいと思う。

観音堂と大黒堂に併設された、宝物館に行ってみた。
観音像の光背の一部(現在の光背は平成の再建)や、1412年に造られた大黒天像、
重要文化財の十一面観音懸仏、同じく重要文化財の梵鐘(1264年)、
観音三十三応現身像(室町時代のもので、中国服を着た像や、密教風の像もあり、多彩)
などが展示されていた。大勢の人々がつめかけていた。

お賽銭用の小銭を作るため、
自販機でりんごジュースを買って飲む。
自販機のある場所からは、
湘南の海がきれいに見えた。
上空高くをトンビが飛んでいた。

大黒堂で大黒様にお参り。もともとは1412年の大黒天像がまつられていたらしいが、
現在は、その代わりとなる像を中心に、さまざまな像が安置されていた。

輪蔵は、回転式の書架がある経蔵。書架には一切経が納められており、
1周まわすと一切経を読んだと同じ功徳が得られるとされる。
チベット仏教のマニ車のようなものを想像していたが、
ここの書架は、日本のお寺を八角形にしたようなデザインの、木造の大きなものだった。

回してみた。1回ゆっくり回しただけなのに、軽く目が回った。
つくづく自分の平衡感覚のなさにあきれる。

輪蔵の奥に生えるモミジが
また色鮮やか。

石段を下りて、弁天窟に入った。
石窟の壁に、弁天様と十六童子の御姿が彫られていた。
奥へ進むと天井が低くなり、身長171センチの私でも、
身をかがめて歩かなくてはならなくなる。
もし今、地震が起こったらどうしようと、不安になりかけたところで出口に着いた。

ユーモラスなお地蔵様の前を通って、
長谷寺を後にした。

長谷寺(長谷観音)のホームページはこちら

次は高徳院(鎌倉大仏)へ(拝観料¥200)。
黄色いモミジの向こう側に、
早くも大仏様がその御姿を現した。

近づくにつれ、大仏様には迫力が増し、
正面足下に立つと、
孫悟空になった気分である。

歴史書の『吾妻鏡』には「釈迦如来像」とあり、与謝野晶子も
「かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな」とうたったが、
実際は阿弥陀如来像である。

説明板に書かれていたところによると、
源頼朝の侍女・稲多野局が発起し、浄光という僧侶が勧進して、
1243年に木像が完成したが、大風で破壊されたため、
1252年に現在の青銅像が着工されたという。

もとは大仏殿もあったが、たびたび大風で倒れて、そのつど造り直されてきた。
しかし1498年に津波で流されて以降は再建されず、露座となっている。
関東大震災では台座が崩れたが、大仏自体は無事だった。
現在では首の部分が強化プラスチックで内側から補強されており、
さらに台座に免震構造がほどこされている。

茨城県金砂郷町の子供会から
奉納された大わらじも、
記念写真のスポットとなっている。

像高11.312メートル。
台座も含めると13.35メートル。

20円払うと、胎内を拝観できる。一度に30人しか入れないので、2、3分並ぶ。
暗くて狭くて急な階段を、下りてくる人とすれ違いつつ上っていくと、
飾り気のない胎内に出た。
「飾り気のない」というのは、像の内側が
まったく大仏の形そのままの形で空洞となっているためで、
鋳造技術の高さを示していた。

奥の売店に「カレーライス」と書かれた札がかかっていたのを見て、
急に昼食が欲しくなってきた。
でもカレーを食べるほど空腹ではなかったので、やきそばを食べる。

売店を出て大仏様の横を通ると、
大きなイチョウの木があった。
見事に全体が黄色く染まっている。

名残り惜しくて、
しばらく大仏様の御姿を眺めていたが、
後ろ髪を引かれる思いで
高徳院を後にする。

高徳院(鎌倉大仏)のホームページはこちら

帰り道、ソフトクリーム屋さんの2階のベランダにリスがいて、注目を集めていた。
たぶん野生。
あと、今回は立ち寄らなかったが、この近くには鎌倉文学館もある。
鎌倉文学館のホームページはこちら

長谷駅到着午後3時20分。次の藤沢行き電車は3時29分発。
やってきたのは大きな窓が特長の2000形2両と、レトロ風の20形2両。
発車してすぐ踏切を渡り、再び住宅地を走行。細いトンネルに入る。

トンネルを出てすぐ、次の極楽寺駅に停車。
ここで降りた。
ゲーム路銀 ¥18,775-¥190=¥18,585


極楽寺(ごくらくじ)

関東の駅百選、極楽寺駅。
ホームは1面1線。
江ノ電では珍しい、谷あいの駅だ。
風情ある木造の小さな駅舎。

駅前の郵便ポストは、
懐かしい円筒形のもの。

少し色あせた朱塗りの橋を渡る。
ここは江ノ電の跨線橋で、
極楽寺駅ホームとトンネルの間にある。

橋の上から電車がよく見える。
ちょうど、極楽寺駅を出たレトロ調電車10形が、
トンネルに入っていくところ。

極楽寺へ行こうとしたが、道に迷って小学校の前に出てしまう。
橋まで引き返して、線路沿いに歩くとすぐ、

かやぶきの山門に行きあたった。
ここが極楽寺の入口である。

垣根に花が咲いている。

極楽寺に参拝。1259年創建と伝えられる。
開基は北条重時。2代執権・北条義時の子で、
5代執権・北条時頼の時代に、連署として時頼を補佐した。

開山は忍性(にんしょう)。今でこそ住宅街の中の小さなお寺だが、
かつては東西八丁南北七丁、七堂伽藍に四十九院の大寺院だったらしい。
忍性は今でいう慈善事業を行なっていたそうで、
境内には薬をひくために使われたという石の鉢があった。

枯れ葉舞い散る道を通って、駅に着いたのは午後4時ちょうど。次の電車は4時7分。
ちなみに駅から海側に行くと、由比ガ浜を一望できる、成就院というお寺があるらしい。
成就院のホームページはこちら

鎌倉行きの1000形をやり過ごす。
ホームが1面1線なので、
両方向の電車が同じホームに止まる。

4時7分、鎌倉の名所のイラストが描かれた電車が来たが、
あまりにも混んでいたため、乗らずに見送った。
その次は4時19分。自販機で温かいコーヒーを買って飲んで待つ。
夕方になり、気温が徐々に下がり始めた。

4時19分に来た1000形も混んでたが、乗れないほどではなかった。
駅を出ると、丘陵地らしく、左側の地面だけが一段低い。家並みは切れ目なく続く。
稲村ヶ崎駅で、鎌倉行きの電車とすれ違い。

左側、家々の切れ間から海が見えてきた。
やがて家もなくなり、車窓左側はすべて海の景色に。夕日が半分隠れている。
いったん陸側に入って七里ヶ浜駅、そして再び海が広がる。夕日はもう見えない。
信号場でしばし止まり、鎌倉行き電車とすれ違う。

午後4時30分、鎌倉高校前駅で降りた。
ゲーム路銀 ¥18,585-¥210=¥18,375


〜稲村ヶ崎(いなむらがさき)〜七里ヶ浜(しちりがはま)〜
鎌倉高校前

関東の駅百選、鎌倉高校前。
この駅が百選に選ばれた理由は、
このホームからのながめに尽きる。
ホームから、線路と道路を挟んで
すぐ海なのだ。
しかも江の島が一望できる。

目を左に転じると、
三浦半島まで続く海岸線。

木造の上屋がかかった小さな駅。

近くの踏切は、『俺たちの朝』をはじめ、さまざまなドラマに登場したり、
アニメに描かれたりした場所らしい。

踏切から駅まで戻る途中、藤沢行きの電車に追い越された。
その次の電車は4時54分発。暮れゆく江の島にもう少し見入りながら待つことにした。

この駅は、海からじかに風が入るため、
上屋はさびないよう、木製にしてあるらしい。
実際、関東の駅百選のプレートが、
さびて白くなっていた。

ホームのライトアップはもう少し
地味めな方がいいような気もするが、
これからもっと暗くなると、
ここは真っ暗になるだろうから、
その頃に見ると印象が違うかもしれない。

秋の日はつるべ落とし。
空は見る間に暗くなる。

やってきた電車も混んでいた。
しばらく海沿いを走り、やがて右に曲がって、また民家の塀に沿って走る。
この辺りに、源義経が腰越状を書いた満福寺があるのだが、見えなかった。
満福寺のホームページはこちら

最後尾の車両のドアが開かない腰越駅を過ぎると、路面区間に入るのだが、
車内が混んでいるので、どっち側の車窓も見えにくい。
4時58分、江ノ島駅で降りた。(ゲーム路銀 ¥18,375-¥190=¥18,185


〜腰越(こしごえ)〜
江ノ島

もうすっかり夜の風景。
駅舎のハーフティンバーが、
ライトで縁取りされている。

踏切の向こうには、
湘南モノレールの湘南江の島駅がある。

湘南すばな通りを歩いて、海へ向かおう。
観光客も地元の方も多い商店街で、暗くなっても開いている店が多い。
スマートボール、射的の店もあった。
鉄道3線利用可能というアクセスの良さもあってか、マンションも目立つ。

海が近づくにつれ、強烈な風が吹くようになってきた。
片瀬海岸沿いの道路に出たが、当然海は真っ暗。
江の島も灯台の先の明かりと、ふもとの建物の明かりしか見えない。
それでも境川を渡り、海岸道路を西へと歩く。新江ノ島水族館のある方向だが、

私の目的地は、
旧江の島水族館跡に入ったゲーセン
「ゲームパニック湘南」だ。

2、3階がゲーセン。2階はプライズ、プリクラ、大型機にエアホッケー。
3階はメダルとダーツ、ビリヤード。店内は広くて新しい。
自販機でお茶を買って、さてどうするかと店内を見回すと、
目の前に『ハイパービシバシチャンプ』があったのでプレー。
すんなり3勝して、「快調!」と思っていたらその後3連敗してゲームオーバー。
ゲーム路銀 ¥18,185+¥200=¥18,385
新杉田でプレーしたときもそうだったが、リズムに合わせてボタンを押すのがどうも苦手。

まだ6時にもなっていないが、早めに晩御飯。サンアロハでロコモコを食べる。


片瀬江ノ島

店を出て、小田急の片瀬江ノ島駅へ来た。
関東の駅百選。
竜宮城をイメージした駅舎は、
派手なものだが歴史は古く、
1929年(昭和4年)の開業当時からのもの。

今回はここから小田急線で帰ることにする。6時36分の急行相模大野行きに乗った。
乗ってひと息ついた途端に、体のあちこちが痛くなってきた。

現在のゲーム路銀
¥18,385

今回のルート
1.大船観音 2.県立フラワーセンター大船植物園
3.円覚寺 4.明月院、葉祥明美術館 5.建長寺 6.鶴岡八幡宮
7.東慶寺 8.銭洗弁天 9.源氏山公園 10.逗子マリーナ 11.光明寺
12.高徳院(鎌倉大仏) 14.鎌倉文学館 15.長谷寺(長谷観音)
16.極楽寺 17.稲村ヶ崎 18.満福寺 19.龍口寺
20.江の島サムエル・コッキング苑、江の島展望灯台
21.新江ノ島水族館 22.清浄光寺(遊行寺)

鎌倉市観光課  藤沢市観光協会  藤沢市観光ホームページ  観光かながわNow
JR東日本  江ノ島電鉄  湘南モノレール  小田急電鉄
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 102.湘南編(5)」は、
新江ノ島水族館と、片瀬西浜の夕焼け。
「日本縦断ゲーセン紀行 100.湘南編(3)」に戻る


「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る
「ゲーム脳」徹底検証シリーズ
※これより外部リンク ダイスステーション トップページ

「ゲーム脳」徹底検証シリーズ
※これより外部リンク ダイスステーション トップページ
「ゲーム脳」徹底検証シリーズ
※これより外部リンク ダイスステーション トップページ
「ゲーム脳」徹底検証シリーズ
※これより外部リンク ダイスステーション トップページ