ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

103.はるかなり龍恋の鐘
〜湘南編(6)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥18,385




片瀬江ノ島

2007年12月24日。今年もクリスマスイブに
ひとりでゲーセン紀行である。
12時33分、片瀬江ノ島駅着。

去年はクリスマスと無縁の谷中霊園だったが、
江の島はさすがに観光地。
冬場の割には、家族連れとカップルが多い。
駅正面の弁天橋を渡り、地下道で国道134号をくぐる。

よく晴れた空と、江の島へ向かう高揚感のおかげか、
昨夜『パチパラ』をやってて朝4時半まで起きてた割には、あまり眠くない。
右に見える富士山の頭には、今日も雲がかかっている。

江の島へと続く橋を歩く。
こちらも江の島弁天橋という。

江の島に上陸。
江の島アイランドスパの前に立つ、
クリスマスツリーのような
オブジェがお出迎え。
江の島アイランドスパのホームページはこちら

お土産物屋さんの立ち並ぶ、弁財天仲見世通りを歩く。
江島神社への参道として、江戸時代からにぎわう通り。
しらすや岩のりといった海産物はもちろん、
おもちゃを売ってる店も多い。

昔、こういうお店向けのキャラクターグッズを作りたいと、思っていたのを思い出した。
思っていただけで何もしなかったけど。

江島神社に続く石段と楼門が現れた。
江島神社は欽明天皇の13年(552年)に、
島の南の洞窟(岩屋)に
宮を建てたのが始まりとされる。
辺津宮、中津宮、奥津宮の三社に分かれており、
現在はそれぞれ、天照大神の御子神の
三姉妹をまつる。

ゲーム路銀に余裕があるので、
この石段は上らず、

エスカーで上まで向かうことにした。
ゲーム路銀 ¥18,385-¥350=¥18,035
なお、エスカーの切符に加え、
コッキング苑と展望灯台の入場券がセットになった
割引利用券(¥750)がお得。

エスカーとは要するに、
有料のエスカレーターのこと。
2本のエスカレーターを乗り継ぐと、

辺津宮(へつみや)の正面に出た。
辺津宮にまつられているのは、
田寸津比売命(たぎつひめのみこと)。
現在の社殿は、1976年(昭和51年)に
改築されたもの。

茅の輪(ちのわ)を3回くぐって参拝した。
お賽銭箱が、巾着袋の形になっていた。

隣の弁天堂を拝観(¥150)。
鎌倉時代初期の八臂弁財天像と、
鎌倉時代の妙音弁財天像を安置。

妙音弁財天像は、白い肌の色っぽいお姿で、江戸時代は人気が高かったらしい。
どうしてもそちらに目が行きがちだが、
源頼朝が奥州藤原氏の調伏を祈願するために造らせたという八臂弁財天像の、
整った造形も素晴らしい。
芸能の神様でもあるので、念入りにお参りする。

この弁天堂にはほかにも、十五童子像や、インドの留学生が奉納した弁天像、
炎のような特徴ある字体の、後宇多天皇の勅額
(弁財天仲見世通りの鳥居に掲げられた額は、これを復元したもの)などもある。

八坂神社、宋国伝来の碑などの前を通り、花咲く広場を通ると、

小さな展望デッキがあった。
東京オリンピックの競技場となった
ヨットハーバー越しに、
湘南の海がよく見える。
この写真の左端が小動岬で、
中央からやや右寄りに稲村ヶ崎。
その間が七里ガ浜。

デッキの向かいが、次のエスカー乗り場だった。さっきの切符で乗れる。
さっきより少し細いエスカレーターに乗って、着いた所は、

市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)
をまつる中津宮。
建物は1689年(元禄2年)のものを、
1996年(平成8年)に改修。
元禄の頃の鮮やかさがよみがえった。

江島神社のホームページはこちら

さっきの切符で3本めのエスカーに乗って、
江の島サムエル・コッキング苑にやってきた。
(入苑料¥200、
展望灯台の入場料込みなら¥500)

入ってすぐの所に、チューリップに囲まれた
クリスマスツリーが立っていた。

かつてここは、イギリス人貿易商、サムエル・コッキングの庭園だった。
レンガ造りの温室の遺構が残されている。
庭園は戦後、江ノ島植物園として一般公開された。
2003年の灯台建て替えに合わせて改修され、現在の名称になっている。

苑内には、藤沢市の姉妹都市にちなんだエリアが設けられている。
展望広場は「マイアミビーチ広場」。湘南海岸がよく見える。

マイアミビーチ広場内の喫茶店でひと休み。
イスが広場の方を向いていて、眺望が良好。
ガラス戸が開けられていて、
オープンカフェのようになっているが、
テーブルに暖房がついているので暖かい。

現在、午後2時ちょうど。お腹が空いてきたので、ここでジンジャーライスを食べた。
地元アーティストの作品も、お店の雰囲気作りに貢献。
雰囲気の良さに、つい長居してしまった。先を急ごう。

LON CAFE(ロンカフェ)のホームページはこちら

もちろん植物園なので、
さまざまな種類の草木が生えている。
タイミンチクのような珍しいものも。

冬だが花もけっこう咲いている。
ウィンザー広場のバラも、いくらか残っていた。

中国風のあずまやは、
昆明市から寄贈されたそうだ。

椿のエリアがあるが、まだあまり咲いていなかった。
見頃は1月から3月だとか。

松本市にちなむ、そば屋と道祖神の前で、
猫が寄ってきた。
江の島には野良猫が多いが、
さっきカフェで見た写真アルバムによると、
島の人々が大事にしているとともに、
去勢して数が増えないようにしているという。

リュウゼツランの横を通って、
江の島展望灯台にやってきた。
江の島のシンボルとして
長らく親しまれてきた旧灯台に代わり、
2003年に建てられた。
最初は見慣れなくて違和感もあったが、
今では新たなシンボルとして
すっかり定着した感がある。

灯台の高さは、避雷針まで含めて59.8メートル。
展望フロアは41.7メートルだが、海面からの高さは101.5メートルある。
片側がガラス張りのエレベーターでぐんぐん上り、展望フロアに到着。

まず、フロアの明るさに驚く。
照明をつけてないのに、
外から差し込む光だけで明るいのだ。
弁天橋方面を眺める。
龍口寺の仏舎利塔と五重塔の向こうに、

久しぶりにランドマークタワーを見た。
びっくりするくらいはっきりと見えた。

小動岬から稲村ヶ崎にかけて。

三浦半島の突端から先はもう海。
逆光ながら伊豆大島もよく見える。

そして富士山。
さっきまであった頂上の雲が晴れてきて、
形がよくわかる。
手前の海には岩礁らしきものがあるが、
これが烏帽子岩らしい。

前回歩いた片瀬西浜(湘南海岸公園)も見る。

階段を上がると、屋外展望フロアに出られる。
風は強かったが、
ガラスの反射にさえぎられずに
景色を眺められる。

景色と自分が隔絶されず、
つながっている感覚がいい。

地上まで下りる外階段もあったが、
さすがに寒そうなので、素直にエレベーターで下りた。

韓国・ポリョン市にちなんだ
保寧広場を通って、入口へ戻る。
夏にはムクゲが咲くらしい。

江ノ島電鉄(江の島サムエル・コッキング苑、江の島展望灯台の説明あり)

苑を出てすぐ向かいに、
江の島ガーデンパーラーがある。
『ゲームセンターCX』のロケで
よゐこ有野さんも訪れたという。
ここにはつい十何年か前まで、
『スペースインベーダー』があったのだが、
現在は『ファイナルラップ』などの大型機や、
プライズ、エレメカが中心。

灯台の下で始まったライブの歌声をBGMに、
猫に見送られながら、さらに江の島の奥へ。

「山ふたつ」は、江の島の
2つの丘に挟まれてくぼんだ箇所で、
見下ろすと左右2つの崖が
海に落ち込んでいる。
今回初めて気づいたが、
2つの崖の間の海にちょうど、
大島が浮かんでいるのが見えた。

階段を下って上る。おとといテレビで見た、中山大障害ばりのコースだ。
左右に女夫(めおと)まんじゅう屋さんや食堂、そして普通の民家が並ぶ。
この島が生活の場ともなっていることを実感する。

奥津宮。
多紀理比売命(たぎりひめのみこと)をまつる。
現社殿は1842年造営。

天井に、八方にらみの亀の絵がある。
黒目が白目の真ん中に描かれ、どこから見ても視線を感じる。
もとは酒井抱一が描いたものだが、現在オリジナルは宝殿に納められ、
ここにあるのは1994年に描かれた復元画。
また社殿の近くには、源頼朝が奉納した、石鳥居が残っている。

隣には、龍の像がにらみをきかせる龍宮がある。
伝説では、かつてこの辺りで五頭龍が村人を苦しめていたが、
江の島の天女(弁財天)に出会って改心し、この地の守り神となったという。

江島神社のホームページはこちら

龍宮の向かいに、“龍恋の鐘”へと続く階段がある。
天女と五頭龍の伝説にちなんで、江の島の西側の丘が“恋人の丘”と名づけられ、
永遠の愛を祈念する“龍恋の鐘”が設けられた。
私は江の島には何度も来ているが、いつもひとりで来ているので、
今までこの階段を上ったことはなかった。
そして今回も上らない。

急階段を下りると、急に視界が開けた。

稚児ヶ淵だ。
岩場の向こうに海と富士山が見える
素晴らしい景色だが、
立ち止まらずに先へ進む。
この先にある岩屋が、午後4時で閉まるのだ。

3時45分、江の島岩屋の入り口に到着。
(入洞料¥500)
岩屋は波の浸食によってできた洞窟で、
第一岩屋が152メートル、
第二岩屋が112メートルある。
昔から信仰の対象とされ、
弘法大師や日蓮上人が修行し、
源頼朝も訪れたという。

第一岩屋へ。海食洞の中がイルミネーションで飾りつけられていたが、
かつてこの辺りの海には夜光虫が生息していたそうで、それをイメージしたものらしい。
クリスマスツリーのような飾りつけもなされていたので、不思議に思っていたら、
暗い中に張り紙があって、そこに書かれていたところによると、
このイルミネーションのテーマは「和と欧米か」だったそうで。
何年も後にこの文章をご覧になる方のために、
「欧米か」はタカアンドトシさんの漫才のネタだということを一応書き記しておく。

先へ行くと、ろうそくを手渡される。その明かりを頼りに進む。
暗くて狭い洞窟の中に、仏像や弘法大師像、ヘビがとぐろを巻いた像など
さまざまな石像が保存されていた。
天井が低くて、途中からは中腰で歩を進める。
水滴が、天井に張られたビニールに、したたり落ちる音がする。

最奥部は人が入れないほどの狭さだが、言い伝えではこの洞窟はさらに続いて、
富士山の人穴につながっていると言われていたそうだ。
“日蓮の寝姿石”と呼ばれる自然石もある。

いったん外に出て、第二岩屋へ移動。

第二岩屋のいちばん奥に、比較的新しく作られた龍神の像がある。
ポケモンのギャラドスを連想させる。

岩屋を出て、あらためて稚児ヶ淵へ。
いい感じに夕焼けになってきた。
富士山のシルエットもくっきり。

稚児ヶ淵は、建長寺の自休という修行僧が、
稚児の白菊に恋したが実らず、
白菊が身を投げ、
後に自休も身を投げた場所だという。

カップルに交じって富士山をながめる。
クリスマスイブだからか、
カップルは非常に多い。
彼らの愛の力の前には、
稚児ヶ淵の悲恋伝説も
ものかはといったところか。


しばらくここを去りがたく思うのは、景色がいいからというだけではない。
帰りの上り階段がきついのだ。
意を決して上り始める。
松尾芭蕉の句碑(二見浦のことを詠んだ句だが)の前で右に折れて、
富士山と太平洋にさようなら。

階段はまだまだ続く。上り切って息が切れたところで食堂に入って、
アイスティーを飲んで休憩。窓から富士山が見えた。

帰り道。薄暗くなったが、これから稚児ヶ淵へ向かう人が多い。
さっき岩屋を出たときに知ったが、今日は午後5時から、
第一岩屋が無料開放されるらしい。
階段を下って上る。まんじゅう屋さんの店先に、
色とりどりのイルミネーションが架け渡されていた。

コッキング苑前の
ヤシやソテツも光り輝く。
ちょうどここにいる間に
午後5時となり、
展望灯台がライトアップ。
花火の上がる音がした。

さっきの展望デッキへ。
ヨットハーバーのヨットも
ライトアップされていた。
街明かりの上に満月も輝く。
カメラがブレて、
きれいな写真は撮れなかったけれど。

花の広場も一面の、光の広場と化している。

辺津宮の楼門に、提灯が灯されていた。

仲見世通りは昼間よりも混んでいた。

エノスパも、モニュメントも輝いている。

江の島弁天橋を渡って振り返ると、
真っ暗な山の上から、
光る灯台がにょっきり突き出していた。

灯台を左手に見ながら、境川の弁天橋を渡り、片瀬江ノ島駅に戻ってきた。
午後5時56分発の電車で帰る。

現在のゲーム路銀
¥18,035

今回のルート
1.大船観音 2.県立フラワーセンター大船植物園
3.円覚寺 4.明月院、葉祥明美術館 5.建長寺 6.鶴岡八幡宮
7.東慶寺 8.銭洗弁天 9.源氏山公園 10.逗子マリーナ 11.光明寺
12.高徳院(鎌倉大仏) 14.鎌倉文学館 15.長谷寺(長谷観音)
16.極楽寺 17.稲村ヶ崎 18.満福寺 19.龍口寺
20.江の島サムエル・コッキング苑、江の島展望灯台
21.新江ノ島水族館 22.清浄光寺(遊行寺)

藤沢市観光協会  藤沢市観光ホームページ  観光かながわNow
JR東日本  江ノ島電鉄  湘南モノレール  小田急電鉄
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 104.湘南編(7)」は、
藤沢で久々のゲーセン巡り。
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