ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
110.遊べる&楽しめる 大浴場と美術館
スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
2008年4月6日。ホテルからウェブが見られないので、午前1時に寝たものの、 慣れない時間に寝たからか、午前3時半に目が覚めて、それからしばらく眠れなかった。 7時30分起床。ホテルでパンを食べ、チェックアウト。
ちょうど開園時刻の9時ちょうど。チケット売り場の前には行列ができていた。 これを避けるため、いったん1階へ下りて、 先に海洋堂フィギュアミュージアムを見ておこうと思ったが、 こっちのオープンは9時半だった。 戻って行列に並ぶ。入場料¥3,500、森の湯とのセット(パスポート)で¥4,000だが、 ホテルでもらった割引券を使い、パスポート¥2,500で入場。 行列が長くなっていたので、入場したときには9時40分になっていた。 レンタル水着を借りてユネッサンへ。 中心には、モザイクタイルを散りばめた「神々のエーゲ海」。 温泉というよりプールのように見えるが、入ってみると温かい。ジャグジーもある。 ときどき噴水が飛んできて、小さなお子さんたちが大喜び。 「トルコ風ハマム」には、行列ができていたので入らなかったが、 話題のドクターフィッシュが泳ぐ足湯となっている。角質を食べてくれるらしい。 古代ローマ風呂は、小田急とのタイアップで、 お湯がロマンスカーMSEをイメージした紺碧色になっている。プラレールが走っていた。 屋外にも浴槽があるが、寒そうなので、じゅうぶんエーゲ海風呂につかって体を温めておく。 外はロデオマウンテンというウォータースライダーになっている。 滑るつもりはないけれど、見ているだけだとやっぱり寒い。 でもその下の「龍の水辺」という、滝のある浴槽は、 湯温が高めに設定されていて、温まることができた。
続いて、「湯〜とぴあ」と名づけられたゾーンへ。 屋外の階段状のスペースに、いろんな趣向を凝らしたお風呂が勢ぞろい。 変わりだねの風呂ばかりなので、テレビにもよく登場する。 コーヒー風呂。ワイン風呂。緑茶風呂。あと、これは昔からあるけど酒風呂。 ひととおり入ってみた。お湯には色がついているが、 体に色や匂いはつかないので、立て続けに入っても混ざらない。 五右衛門風呂は、高岡で鋳造されたという3メートル×2メートルの大きな釜。 もちろん触ってもヤケドはしない。唐辛子風呂になっていて、体がさらに温まった。 東海道中膝栗毛に出てくる、 小田原の宿で北さんが五右衛門風呂の釜を踏みぬいた話を思い出した。 炭風呂があったが、マイナスイオン効果をうたっているのは、 かえってうさん臭くなるので、やめた方がいいと思う。 日が高くなり、暖かくなってきた。コーヒー風呂の所へ戻ってきたのがちょうど11時。 粗挽きネルドリップコーヒーを追加投入するパフォーマンスが始まった。 小さな樽に入ったコーヒーが、浴槽の各所に注ぎこまれる。 私は風呂の外から見ていたが、樽5杯分ものコーヒーが注ぎ足されたことで、 さすがに芳醇な香りが漂ってきた。 ユネッサンは、ユネッサンでしか体験できないことが多く、 昨日の「森の湯」も含めて、見どころがたっぷり。楽しいスポットだった。 箱根小涌園ユネッサンリゾートのホームページはこちら ユネッサンのホームページはこちら さて忘れるとこだったけど、1階に戻って、 「海洋堂フィギュアミュージアム」を見る。(入場料¥500) 滋賀県長浜市にある「龍遊館」からの特別展示で、 フィギュアや、カプセルフィギュア、食玩を展示。 北斗の拳、エヴァンゲリオンなどのフィギュアに始まり、 (後で気づいたが、『新世紀エヴァンゲリオン』の舞台である第3新東京市は、 箱根にあるという設定だった) 40センチのマジンガーやタイムメカブトンなどのソフビ、 さらに大きい90センチのバルタン星人とウルトラマン、 ほぼ等身大とみられる『ああっ女神さまっ』の3女神像、 原型師・BOMEさんによる美少女フィギュア、 ゴジラからハイジ、三国志までいろんなミニジオラマ、 海洋生物、新江ノ島水族館や国立科学博物館で売られているカプセルフィギュア、 1/20恐竜、巨大なレッドドラゴン、チョコエッグの動物食玩などなど。 ミュシャの作品を立体化したフィギュアとか、日本各地の物産フィギュアとかが、 市販されていたことを初めて知った。 海洋堂フィギュアミュージアム黒壁・龍遊館(長浜市)のホームページはこちら ユネッサンを出て、バス停に着いたのが11時56分。 12時5分頃バスが来て、12時9分、小涌谷駅着。(ゲーム路銀 ¥17,645-¥160=¥17,485)
切り立った山の中を、くねくねと進む。 ほどなく右側に、彫刻の森美術館の屋外展示が見えてきた。 12時17分、彫刻の森駅着。(ゲーム路銀 ¥17,485-¥130=¥17,355)
本館ギャラリー。ムーアなどの現代アートを展示。 現代美術には大きな作品が多いからでもあるが、ゆとりを持った配置で展示されている。 アートホールでは、ジャコモ・マンズーという人の作品が中心。 サンピエトロ大聖堂にある「死の扉」の各部分の習作が中心だが、 入口に立っていた大きな女性像は、スラッとしてスタイルが良くて魅力的。 隣の部屋の展示は、企画展「見えない糸」(8月26日まで)。 同じテーマを違う作者が、異なる方法で表現した2つの作品(×6組=12点)を並べて展示。 野外に展示された作品は、バックの山々とも相まって雄大。 水の上に横たわる頭。目玉焼きのベンチ。 らせん階段で地下に下りて、穴から空をのぞく、体感型の美術品。 岡本太郎の作品と、後ろの桜とのコラボレーション。 お子さんたちが乗って遊べる、大きなハンモックを使った作品もある。 丘の斜面に点在する彫刻を見ながら歩いたり、つり橋を渡ったり。 人通りの少ない所にひっそりと、木喰の十一面観音像(ブロンズで鋳造したもの)があった。 赤い彫刻が浮かぶ池に、鯉が泳いでいて、鯉のエサが売られていた。 高村光太郎の、十和田湖の乙女の像がある。 ジャングルジムになっている美術品もある。ここでも多くのお子さんが遊んでいる。 私は前にも一度この美術館には来ているが、ここはただ美術品を鑑賞するだけではなく、 遊べて楽しめる美術館だということが、今回来て初めてわかった。 この美術館の広告によく出てくる、ニキ・ド・サンファルの「ナナ」シリーズの1つ、 「ミス・ブラック・パワー」の前を通り、 ムーアの作品が多い緑陰広場を通る。河津桜が満開だった。 箱根 彫刻の森美術館のホームページはこちら 壁に大きく「PICASSO」と書かれた、ピカソ館へ。 素朴で明るい色彩の、見ていて楽しくなる陶器が多く展示されている。 その一方、スペイン内戦への怒りを表現した作品や、 またはエロスを追求したものなど、1人の人が作ったとは思えないような、多彩な作品が並ぶ。 「全部足したらいくらになるんだろう?」とも、ちょっと考えた。 絵画館。1階がショップとカフェ、2階が展示室。具象から抽象、そしてコミカルなものまで、 広くはないスペースながら、多彩な作品を展示。 ユトリロ、ルノアール、ヴラマンク、シャガール、カンディンスキー、モディリアーニ、デ・キリコなど、 有名な画家・彫刻家の作品が、何気ない感じで展示されていた。絵画だけでなく、彫刻も多い。 ここの作品にも、またさっきのピカソ館や、屋外の展示にもいくつかあったが、 エロスを強調してそれを高い芸術性やメッセージ性につなげている作品を見ると、 テレビゲームやアニメ、映画などのレーティングに対して、 新たな視点から問題提起できるかもしれない。 裸婦画の体の各部から線を引いて、イタリア語の名称を書いた作品を見て、そう感じた。 例えば、実写映像や写真をふんだんに使って、ヨーロッパの歴史と文化を学べる アドベンチャーゲームがあったとして、 その中で裸のマハやダビデ像が紹介されていたら、 そのゲームは発売禁止になってしまうのだろうか? 外に出た。足湯でくつろぐ人々の、視線の先に立っている、 「幸せを呼ぶシンフォニー彫刻」と題された塔がある。 らせん階段で上れるようになっているので、上ってみた。 塔の中から見るステンドグラスはきれいだけれど、狭くて古いらせん階段がなにしろ怖い。 もしステップを踏み抜いたり、手すりが折れたりしたらどうなるだろうなどと思い、 震えながらもどうにかてっぺんまで上り切った。
まだ脚が震えているけど、頑張って緑陰広場を引き返し、 さっき見ていなかった、丘の上の方の彫刻を鑑賞。 出口の近くにあるマルチホールで、 企画展「ぐりとぐら 〜森の中の絵本たち〜」が開催されていた(5月11日まで)。 福音館書店の絵本シリーズ『こどものとも』に関する展示。 ぐりとぐら、ばばばあちゃん、だるまちゃんが中心。 ぐりとぐらの家が、立体で再現されていた。 私も小さい頃に、『ぐりとぐら』を読んだ記憶はうっすらとあったが、 青い方が「ぐり」だということを今回初めて知った。 そのほかに展示されている絵本の中に、『やこうれっしゃ』というものがあった。 1980年当時の夜行列車の内部や、ホームや駅の風景が描かれ、資料としても価値がある。 しかも、車内の人々が生き生きと描かれていて、当時の車内の雰囲気まで伝わってくる。 3階はショップとレストラン。かなり遅くなったが、ここでお昼にしよう。 雄大な明星ヶ岳をながめながら、中華の海鮮やきそばを食べる。 けっこうな量があったが、気がついたら完食していた。 ストラップなどを買って、彫刻の森美術館を出て、時計を見たら午後4時半。 ずいぶん長時間楽しんだもんだ。 箱根 彫刻の森美術館のホームページはこちら のら猫に見送られて駅へと戻り、4時47分発の強羅(ごうら)行きを待つ。 4時40分、箱根湯本行きの電車が、同じホームに止まった。 この駅は2面2線の相対式ホームだが、2番線の方は使われていない様子。 湯本行きが出て、やや経ってから、強羅行きの電車がやってきた。2000系サンモリッツ号。 発車。相変わらず右側は谷だが、もう勾配はほとんどない。
箱根登山鉄道は、レーティシュ鉄道のベルニナ線を参考にして建設されたそうだ。 電車の「ベルニナ号」「サンモリッツ号」という名前も、ベルニナ線に由来する。 強羅駅ホームには、ベルニナ線の写真も数多く展示されている。
別のホームには、ケーブルカーが停車中。電車を降りたお客さんの多くがそちらに移ったが、 私はもうちょっとこの駅を探訪する。
駅前の碑によると、箱根の大文字焼きは1921年(大正10年)に始まったというから、 京都の送り火ほどではないにしろ、こちらもけっこう歴史がある。 駅内の喫茶コーナー、カフェ・サンモリッツで、アイスコーヒーを飲んでひと休み。 強羅から、仙石原行きのバスが出ている。 箱根湿生花園や、数多くの美術館で知られる所で、 私も、ラリック美術館に展示されているという、オリエント急行の車両が気になるが、 この先は大涌谷方面へ向かいたいので、仙石原には行かなかった。 ポーラ美術館 箱根ガラスの森 星の王子さまミュージアム 箱根ラリック美術館 箱根マイセン庭園美術館 箱根湿生花園
箱根八里のメロディーで発車。 公園下駅停車。途中駅が4つもあるケーブルカーも珍しい。 5時26分、次の公園上で降りた。(ゲーム路銀 ¥17,225-¥160=¥17,065) 切符は回収されないので、ホームの集札箱に入れた。
5時46分着。次の強羅行きは6時5分。バスの整理券のような乗車駅証明券を取る。 ホームから下を見ると、強羅駅に停車中のケーブルカーが見えた。 あそこまでだったら歩けるなあと思いつつも、道に迷ったら嫌だからおとなしく待つ。 ケーブルカーに乗って強羅に着く頃、ようやく暗くなり始めた。 箱根湯本行きの電車に乗っている間に日が暮れた。 ¥17,065 今回のルート
小田原市観光課 箱根町観光協会「箱根全山」 観光かながわNow JR東日本 JR東海 小田急電鉄 箱根登山鉄道 伊豆箱根鉄道 次回、「日本縦断ゲーセン紀行 111.箱根編(4)」では、 大涌谷で黒いタマゴを食べる。 「日本縦断ゲーセン紀行 109.箱根編(2)」に戻る 「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る |
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