ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

114.ようやく箱根の関を越える
〜箱根編(7)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥12,095




熱海

2008年9月22日。
ここんとこ、ゲーセン紀行の1泊めには必ず体調を崩しているが、
今回は行きのロマンスカーの中で突然の腹痛。
車種がVSEだったから、トイレが多くて助かったが、
痛みが引かないまま、乗り換えの小田原駅に到着。
幸い、乗り換えた東海道線の電車で寝たら治った。

熱海のホテルで1泊して、翌23日朝。
ここ数日、夜中に目が覚めると寝られなくなるという状態が続いていたが、
この日も8時半に起きる予定が、7時に目が覚めてしまい、それからどうしても眠れない。
結局、8時にベッドから起きて身支度を始める。
4時間半しか寝てないが、この先だいじょうぶなんだろうか?

軽い朝食をとって、9時15分発のバスを待つ。バス停には行列ができていた。

座席はほぼ埋まったが、なんとか座れた。

前回乗ったのと同じバスだが、
今回は晴れているので、
十国峠付近からの視界は良好。
多くのお客さんが、十国峠登り口で降りた。


箱根町

10時12分、終点の箱根関所跡に到着。
よく晴れていて暖かい。
到着したのは、「箱根関所 旅物語館」という
おみやげ屋さんの前。

ここは芦ノ湖遊覧船(伊豆箱根鉄道)の
港も兼ねている。ゲーム機もあったが、
ゲーム路銀は稼げないタイプのもの。
朝からの移動でちょっと疲れていたが、
BGMとして流れていた、アラジンの
『陽は、また昇る』に元気づけられて、
その勢いで、箱根関所へ歩き出した。

箱根関所はすぐ隣。
ただ、歩いてる途中にBGMが、
『悲愴感』に変わってしまって、

微妙に不安になる。

京口御門から、箱根関所の中へと入る。
(観覧料¥500)
関所の建物は、ごく最近復元されたもので、
2004年から一部公開が始まり、
すべて完成したのは2007年の春。

門をくぐると、大番所・上番休息所。
箱根関所の中心となる建物で、
ここで旅人の関所改めを行なった。
当時の役人の人形があるが、
服の色や模様が明らかでないという理由で、
あえて色がついていない。

建物の裏手には、
台所や物置、雪隠といった、
役人の生活の場も復元されていた。

丘の上に、芦ノ湖を見張る、遠見番所という小さな建物がある。
階段が設けられているので、上ってみた。かなりキツいが、

確かに遠見番所の前からは、
芦ノ湖がきれいに見渡せる。
関所の建物も一望できた。

丘の下には足軽番所がある。足軽の詰所で、寝泊まりもされていたという。
この建物の端には、関所破りの罪人を入れる獄屋(牢屋)もあった。

箱根関所のホームページはこちら

江戸口御門を出て、お茶屋の裏手から
芦ノ湖畔をしばらく歩くと、
箱根関所資料館がある。
観覧券は関所と共通。入ってみた。

箱根に関所が置かれたのは、江戸幕府成立後の1619年(元和5年)とされているが、
どうやらそれ以前、遅くとも慶長年間には既にあったらしい。
俗に“入鉄砲出女”といわれるが、箱根では出女は厳しく取り調べたものの、
入鉄砲については調べられなかったとのこと(別の関所で調べていたらしい)。
また、江戸から出る人々は取り調べたが、
江戸に入ってくる人については、男女とも手形すら要らなかったそうだ。

最初の部屋に展示されているのが、関所の高札や、さすまた、突棒(つくぼう)、袖がらみ、
通過する人々を脅す「おどし面」、さまざまな種類の往来手形。
すべて本物ということが、この地の歴史をより一層深く感じさせる。

手形の中でも、やはり女手形は厳重に扱われ、髪型やお灸の跡まで記されていた。
人見女という役目の人が、細かくチェックしたという。
女性を厳しく調べていたのは、人質として江戸に住んでいる諸大名の妻子が、
江戸からこっそり抜け出すのを防ぐためだった。

関所破りは死罪だったが、実際には薮入り(道に迷った)ということにして、
追放刑で済ませていたことが多かったらしい。
もちろん、実際に処刑された人もいた。お玉という女性が、奉公先から逃げ帰ろうとして
箱根の山に入って捕らえられ、処刑された場所が、旧街道沿いの「お玉ヶ池」だそうだ。

武士の陣笠や刀筒・矢筒、関所番頭の日記、大石内蔵助の宿泊が記された宿帳、
旅人の使った道具、大筒や火縄銃、よろいかぶと、銭箱なども展示されていた。
かわいらしい、大名行列の人形も並んでいた。

箱根関所のホームページはこちら

最初に入った京口御門から出て、箱根オルゴール館をざっと見た後、
旅物語館に戻って、そばを食べた。

今回は立ち寄らなかったが、箱根町にはこのほか、
箱根芦ノ湖野草園や、箱根やすらぎの森、恩賜箱根公園といった、
草木を愛でる施設が多い。
県立恩賜箱根公園  箱根芦ノ湖野草園  箱根やすらぎの森 森のふれあい館

さて、とうとう箱根を離れる時が来た。
さっき降りた、箱根関所跡(旅物語館)の
バス停で、12時45分発のバスを待つ。
36分に来た。
箱根湯本駅までの切符を事前に購入。
ゲーム路銀 ¥12,095-¥930=¥11,165

発車すると、左に芦ノ湖、右に杉並木が見える。
芦ノ湖方面の雲は厚く、とうとう箱根から富士山を拝むことはできなかった。
元箱根港を通り、右折して湖を離れ、山道へと入っていく。すごい上り坂だ。
曽我兄弟の墓から芦ノ湯へ下る。芦之湯フラワーセンターの温室が右手に見えた。
箱根芦之湯フラワーセンターのホームページはこちら

再び上り、東芦ノ湯から下る。180度くらいのカーブがいくつも続く。
前回・前々回の帰りにも、このバスに乗ったが、
初めて乗ったときは、こんなきつい道路が、本当に箱根駅伝のルートなんだろうか、
違う道に来ちゃったんじゃないかと思った。
恵明学園を通過したので、やっとここが駅伝のルートだと認識できた。

やがて、見覚えのある大きな建物が。ユネッサンだ。
以前乗ったときは、ユネッサンと小涌園で多くのお客さんが乗ってきたが、
今回は真っ昼間だったせいか、ユネッサンから乗る人は少なかった。

くねくねとした山道を抜け、富士屋ホテル前を通過。また山道となる。
左側の車窓は崖っぷちぎりぎりで、見下ろすと、
木々ばかりでその根元が見えず、ちょっとこわい。
大平台のヘアピンカーブを通る。塔ノ沢から温泉街らしい風景となる。
函嶺洞門を通過。


箱根湯本

午後1時24分、箱根湯本駅着。
バスは小田原駅まで行くが、
私は電車に乗り換えた。
駅の改築工事は進んでいるようで、
入口が鉄骨むき出しになっている。

ホームに止まっていた登山電車が
珍しいカラーリングだった。
1000形登場当時の塗装らしい。
でも私が乗るのはその電車ではなく、
奥の小田急1000形車両。

隣にはロマンスカーも来た。
登山電車の色は、これに合わせたもの。

午後1時39分発。入生田の地球博物館、風祭のかまぼこの里が窓から見える。
沿線にはもう、ヒガンバナが咲く季節になってしまった。
高速道路をくぐると、早川の向こうに海が見えた。遂に小田原市に帰ってきたのだ。
箱根板橋駅を経て、新幹線の高架をくぐり、左に曲がって東海道線と並ぶ。
トンネルをくぐって、1時53分、小田原駅着。(ゲーム路銀 ¥11,165-¥300=¥10,865


小田原

けっこう足腰が疲れた。荷物が重いなあと感じる。
幸い、帰りはまたここで乗り換えるので、コインロッカーにパソコンを入れた。

さてゲーセン紀行はここから、半年振りに東海道本線に復帰する。
ホームに止まっていた、2時10分発のE231系に乗る。クロスシートに座れた。

さっきのトンネルを通り、早川を渡ると早川駅。周りは住宅地で、
海側にはトーヨータイヤターンパイクの橋柱、山側には大きな観音様が目立つが、
ここは通過します、ごめんなさい。

トンネルを通ると、左側には海が近づく。さらにいくつかトンネルを通る。
このあたりに、源平が戦った石橋山古戦場があるらしい。
源頼朝はこの地で平氏に敗れ、土肥実平らとともに、
(前回も書いたが、)箱根権現の行実僧正にかくまわれた。
その後、真鶴から海路で安房国まで逃れ、ここから再起を果たしている。


〜早川〜
根府川(ねぶかわ)

2時17分、根府川駅で降りた。
ゲーム路銀 ¥10,865-¥190=¥10,675

降りたホームからの景色。
祝日の昼下がり。
景色を見ていた男性が、
私のほかに3人ほどいた。

跨線橋に向かって、下り方面へ歩く。
海は少し遠くなり、金網越しになるが、
景色はなお悪くはない。
真鶴半島先端の三ツ石まで見える。

海が近いので、関東大震災では多くの犠牲者が出たらしい。
駅舎の脇にひっそりと建つ殉難碑に黙とうする。

小さな駅舎の割には、多くのお客さんがいた。
ちょうど、山の上にあるヒルトン小田原の送迎バスが来たようだ。
事前に調べたところ、かなり豪華なリゾートホテルのようで、
ちょっと気になったけど、そちらには向かわず、駅舎をもう少し眺めてみた。

ヒルトン小田原リゾート&スパのホームページはこちら

関東の駅百選、根府川駅。
百選に選ばれた理由は、
やはりこのロケーションだが
(「ミカン山を背に相模湾を見下ろし
日の出が絶景な駅」)、
木造下見板張りの駅舎も魅力がある。
ミントグリーンの壁と赤い屋根が、
青空によく似合う。

跨線橋もいい雰囲気。
2時48分発の伊東行きに乗って、
さらに先を目指そう。

ホームの上り方面を見る。
貨物列車が1本通過し、その後、
E231系の、短い10両編成が来た。

駅を出るとすぐ橋を渡るが、風よけ網のため景色はよく見えない。
トンネルと木々の間に、海が見え隠れ。
長いトンネルを抜けて、2時52分、真鶴着(ゲーム路銀 ¥10,675-¥180=¥10,495)。


真鶴(まなづる)

真鶴駅前のロータリー。

大きな鍋が置かれ、
「源頼朝 旗挙げ鍋」と書かれている。

さて、トイレに行っている間に、真鶴岬行きのバスが出ていってしまった。
次は30分後の午後3時半か。タクシーだと¥1,000強かかるらしい。
ゲーム路銀がそろそろ1万円を切りそうなので、おとなしくバスを待つ。

発車15分ほど前から、もう次のバスが来ていた。
乗って出発を待っていると、ちょっと眠くなってきた。

バスが出発。ごく普通の町なみが、漁港の景色となり、
左手に海が続いたかと思うと、山道へと分け入っていく。
途中で通った、中川一政美術館にも興味があったが、
閉館までもう時間がないので、立ち寄らなかった。
故・中川一政氏は、1949年(昭和24年)から真鶴にアトリエを構え、
1991年(平成3年)に亡くなるまで、この地で活動されていたそうだ。
真鶴町立中川一政美術館のホームページはこちら

終点のケープ真鶴で降りた。
ゲーム路銀 ¥10,495-¥250=¥10,245
3時42分着。乗ってからは早い。

バス停の前で猫が寝ていた。

バス停と同名のレストハウスの向こうが、真鶴岬の突端だった。
与謝野晶子の歌碑(「わが立てる真鶴崎が二つにす相模の海と伊豆のしら波」)と、
幕末の台場跡の、間の階段を下りると、
岬の名前の由来となる、鶴が首を伸ばしたような細い突端と、
その先にしめ縄を渡した“三ツ石”が見える……はずだったが。

ちょうど満潮だったのか、
突端の方は海に隠れて、
鶴の首のようには見えなかった。

さらに階段を下りてみた。
三ツ石を中心に、広がる海、広がる空。
あたりをトンボが飛び交っている。

三ツ石の右手には、初島が見えた。そのさらに右は伊豆半島か。
さて、下りた階段は、上らなければ戻れない。
息を切らしながらも、ゆっくり上って戻ってきた。

ケープ真鶴の前から、
もう一度海を見つめる。
正面に初島。三ツ石はぎりぎり見える程度。

ケープ真鶴で休もうと思ったら閉まってた。4時閉店だった。
まだ人がけっこういるのに。
自販機で水を買い、飲みながらバスを待つ。
寝ている猫の周りに、数人の人が集まっている。

バスが来るのは4時35分。25分待ち。
岬の下にもここにも蚊がけっこういて、自分がどれだけ刺されたかが気になる。
歩いて行こうかとも考えたが、もう脚が相当疲れてるし、
どっちみちバスより早く駅に着くことはないから、おとなしく待っている。

幸い、バスは22分に来てくれた。冷房が効いている。乗って待つ。
定刻に出発。細い道を通って、海沿いの里に下りてきた。
魚市場で十数人の人が乗る。
4時50分着。(ゲーム路銀 ¥10,245-¥250=¥9,995
遂にゲーム路銀が1万を割った。

駅改札近くの目立たない場所に、
三ツ石を模したオブジェと
サボテンがあるのに気づいた。
真鶴半島には最近まで、
真鶴サボテンランドという
遊園地があったらしい。

まだ日が暮れてないので、もうひと駅だけ移動しよう。
4時57分発、快速アクティー熱海行き。
E231系に似てるけどちょっと違う。中央線にも入っているE233系だった。
もうE231に後継車が入ったのか。

真鶴駅の屋根には、ホーム側から見たら、鶴の絵が描かれていた。
駅を出ると、トンネルと、海辺の町がかわりばんこに見える。海には初島が浮かんでいる。

5時ちょうど、湯河原駅着。
ゲーム路銀 ¥9,995-¥180=¥9,815


湯河原(ゆがわら)

改札内に狸の像がある。
湯河原温泉は狸が発見したという
伝説があるそうだ。

外には当地の領主、土肥実平の像も。
源頼朝の挙兵に馳せ参じ、石橋山の敗戦後は
真鶴から安房への脱出を手助けする。
その後も源氏とともに戦い、
奥州藤原氏との戦いにも参戦した。

湯河原の駅は大きい。
駅前のおみやげ屋さんがまだ開いていたので、
ストラップとお菓子を購入。

湯河原温泉まで、今からバスで行けないこともないが、
今日はもうかなり動き回ったので、温泉行きはまた次回にしよう。
5時37分発の快速アクティーで帰る。

現在のゲーム路銀
¥9,815

今回のルート
1.小田原城址公園 2.小田原文学館、白秋童謡館 3.小田原競輪場 4.石橋山古戦場
5.石垣山一夜城 6.いこいの森 7.鈴廣かまぼこ博物館 8.生命の星・地球博物館
9.早雲寺 10.箱根トイミュージアム 11.箱根ベゴニア園、ひめしゃらの湯
12.富士屋ホテル 14.箱根彫刻の森美術館 15.箱根小涌園 16.ユネッサン
17.箱根恵明学園 18.箱根芦之湯フラワーセンター 19.箱根強羅公園 20.箱根美術館
21.箱根武士の里美術館 22.箱根湿生花園 23.星の王子さまミュージアム
24.箱根ガラスの森 25.ポーラ美術館 26.箱根マイセン庭園美術館
27.大涌谷自然研究路 28.神山 29.芦ノ湖キャンプ村 30.箱根樹木園
31.箱根園 32.箱根神社 33.箱根やすらぎの森 34.箱根町港、箱根駅伝ミュージアム
35.箱根関所跡 36.恩賜箱根公園 37.成川美術館 38.元箱根港 39.二子山
1.小田原城址公園 2.小田原競輪場 3.鈴廣かまぼこ博物館
4.生命の星・地球博物館 5.石垣山一夜城 6.石橋山古戦場
7.ヒルトン小田原 8.貴船神社 9.中川一政美術館

小田原市観光課  箱根町観光協会「箱根全山」  真鶴町観光協会  湯河原町観光協会
観光かながわNow  JR東日本  JR東海
小田急電鉄  箱根登山鉄道  伊豆箱根鉄道  箱根ロープウェイ  箱根海賊船
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 115.静岡編(1)」では、
遂に神奈川から静岡へ! 熱海の街を散策する。
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