ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

115.温泉と美術品と風景に癒される旅
〜静岡編(1)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥9,815




熱海

2008年10月12日。東京ゲームショウの最終日。
去年私は「レトロゲームアワード」という企画で、
イベントステージという華々しい場に立たせていただいたのだが、
あれで運を使い果たしたのか、それ以降あまり大きな仕事はなし。
テレビ出演の話が5本続けて流れ、
連載の単行本化はまだしばらく先(これも流れたらと思うと不安)。

今年のゲームショウは、取材のため2日前に日帰りで行っただけで、
しかもその取材の原稿が全然書けてない。
肉体的・精神的疲れが抜けてないのか、昨日は長時間起きられず、今日は昼から腹痛。
でも精神的な疲れは早く癒した方がいいだろうと考え、ゲーセン紀行に出ることにした。

今回も熱海で1泊。翌10月13日、10時18分発の東京行きに乗る。


湯河原(ゆがわら)

10時22分、湯河原駅着。
今日はよく晴れて暖かい。
駅前は観光客であふれ返っている。

ここからバスに乗って、湯河原温泉へ向かおう。10時29分発の奥湯河原行きに乗った。
新幹線の高架をくぐる。町並みにはだんだんと、ホテルや旅館が増えてきた。
でも住宅や、普通の商店も多い。町なかに温泉街が、自然にとけこんでいる感じだ。
10時40分、公園入口で降りた。(ゲーム路銀 ¥9,815-¥220=¥9,595
案内板に従い、藤木川にかかる橋を渡る。

光風荘という建物の前を通る。
1936年(昭和11年)、二・二六事件のとき
ここが襲撃に遭った。
宿泊中の牧野伸顕・前内大臣が狙われ、
牧野自身は脱出して一命をとりとめたが、
護衛していた警官が亡くなられたそうだ。

ちなみにこのとき、牧野夫妻とともに滞在していて、事件に巻き込まれた
孫の吉田和子さんは、現在の麻生首相のお母さん。

急坂をゆっくりと上っていくと、
日帰り温泉施設「こごめの湯」があった。
(利用料¥1,000)
建物は新しくてきれい。入りやすそう。

午前中からけっこうお客さんがいたが、浴場がそれなりに広いのでくつろげる。
露天風呂には屋根がかかっていたけれど、
竹の葉やもみじの緑が、日の光に照らされて輝いていた。
紅葉はもう少し先か。

2階の休憩所から眺める、
山の緑もきれい。

食堂もある。「担々やきそば」というのが気になったが、
まだ昼食には少し早かったので、食べずにこごめの湯を後にした。

湯河原温泉観光協会

11時37分に来たバスに乗って引き返す。でも駅までは戻らず、途中の小学校前で降りた。
11時42分着。(ゲーム路銀 ¥9,595-¥180=¥9,415


少し道に迷ったが、
バス通りからそれた川沿いの道に、

西村京太郎記念館があった。
2階が展示室(入館料¥500)。

鉄道ミステリーで知られる西村氏。
残念ながら私は『寝台特急殺人事件』しか読んだことがないのだが、
ここには西村氏の鉄道コレクションが展示されていると聞き、やってきたのだ。

決して広くはない展示室だが、内容は充実。
壁には氏の著作がずらりと並ぶ。あ、『名探偵が多すぎる』は読んだかもしれない。
それにしても、こんなにたくさん本が書けるってうらやましいなあと、
遅筆な私は思うのだった。

ドラマの台本、直筆原稿、構想を記したノート。
そうか、こういうのを書き留めて構想を練ると、速く書けるかも。
西村氏所蔵の、横溝正史、江戸川乱歩の直筆原稿。すごく小さなカメラ。
十津川警部が訪れた場所を示したマップもある。ドラマの写真パネルも。

鉄道関係では、復刻版の古い時刻表。
ライターコレクションの中にも、特急ヘッドマークの入ったものがある。
蒸気機関車C11の大きな模型と銘板、オリエント急行の模型、国内外のNゲージ。

部屋の真ん中には鉄道ジオラマ。
あちこちで殺人事件が起こっているのが、らしくておもしろい。

館内を、富士通製のロボットが回って案内するというのは、
大きな博物館でもなかなか見られない趣向かもしれない。
1階の喫茶室で、チーズケーキとアイスティーを買ってひと休み。

西村京太郎公式ホームページ

今回は行かなかったが、湯河原にはほかにも、
万葉公園内にある、大きな足湯施設「独歩の湯」や、
竹内栖鳳や安井曾太郎など、湯河原にゆかりのある画家の作品を集めた「町立湯河原美術館」、
草間彌生さんの、かぼちゃを題材にした作品を集めた「かぼちゃ美術館」、
人間国宝の作品や、細川護熙元首相の作品を展示する「人間国宝美術館」などがある。
町立湯河原美術館  かぼちゃ美術館
人間国宝美術館  湯河原温泉観光協会

千歳川沿いに18分歩いて、駅まで戻ってきた。
(※後から地図を見たら、ちょっと遠回りしていたようだ)
貨物列車がホームを通過する。
午後1時1分発の快速アクティーE231系で、次の熱海を目指そう。

右手に、さっき歩いてきた町並みが見える。さっきの千歳川が県境だ。
長い時間をかけて回った神奈川県を離れ、いよいよこれから静岡県に突入だ。

スタートから1道1都10県め、静岡県に到達!

長いトンネルに入る。抜けてすぐまたトンネル。
抜けて左手にちらりと海が見えたが、すぐまたトンネルへ。
源頼朝が崇敬していた伊豆山神社は、ここから山側へ入ったあたりらしい。
伊豆山神社のホームページはこちら

3つめのトンネルを抜けると、海と初島が見える。

4つめのトンネルを抜けて、1時6分、
この電車の終点、熱海駅に到着した。
ゲーム路銀 ¥9,415-¥180=¥9,235


熱海

観光地らしい、しゃれた駅舎を持つ熱海駅だが、
おみやげ屋さんの入ったビルや、
観光案内所、バス乗り場などがひと続きになっているため、
あまり駅舎が目立たない。
ここも観光客で混雑している。

駅前に、熱海鉄道(軽便鉄道)時代の
蒸気機関車と、

足湯が並んでいる。

熱海で行きたい場所はいくつかあるが、今回はまずバスに乗って、MOA美術館に向かう。
美術館行きのバスは、休日の日中だと、ほぼ10分おきに出るので非常に便利。
1時30分発のバスに乗った。バスは坂道をぐんぐん上り、1時33分、
MOA美術館に到着した。(ゲーム路銀 ¥9,235-¥160=¥9,075

大きなエントランスだが、
ここはまだ美術館の入口にすぎない。
(入館料¥1,600)

美術館自体は、背後の丘の上にある。
ここから長い長いエスカレーターを乗り継いで、

ようやく本館が現れるのだ。
私は熱海には何度も来ているが、
ここを訪れるのは初めてだ。
以前ゲーセン紀行で訪れた、
箱根美術館の姉妹館にあたる。

館内に入り、まず能楽堂を見る。立派な能舞台と観客席がある。
もちろん実際に能が行なわれる日もあるらしい。
続いて、豊臣秀吉が造った黄金の茶室の復元。
部屋の中で組み立てて使うものだったようだ。
照明はわざと落とし気味にしてあるようだが、その中でも光を放っている。

館内の大きな窓からは、
海の景色が気持ち良く見渡せる。
初島から熱海城まで。

展示室へ。まずは企画展「金 GOLD 黄金の国ジパング展」(12月2日まで)。
飛鳥・平安・鎌倉時代の、金でメッキされた仏像・仏具。
平泉の中尊寺に伝わる金文字の経典。桃山時代の金箔瓦。江戸時代の屏風絵。
蒔絵の箱や、一部に金彩の施された陶器。国の重要文化財がたいへん多い。
野々村仁清、本阿弥光悦といった、ビッグネームの作品も。

江戸時代の大判、小判。金鉱石や金塊。
オーストラリアから来た、世界第2位の大きさの金塊もある。28センチで25.5キロある。
砂金。佐渡金山の採掘の様子を描いた絵。

それらの中に唐突に、国宝、野々村仁清の色絵藤花文茶壺が展示されていた。
“国宝”ということに私が圧倒されたせいかもしれないが、
言い知れぬ存在感を感じる。

次の部屋では、金箔の製作過程、携帯電話からの金のリサイクルなどを紹介。
彫金や金彩など現代の金工芸品。さわれる120キロの金塊。
そして、桂由美さんデザインの、黄金のウエディングドレスと打掛。
パラリンピックの金メダルに、
北島康介選手の世界水泳金メダル、そして王貞治さんのWBC金メダル!
美術品とは違う意味ですごいものを見た!
(もちろんメダルのデザインもそれぞれ、美術品として見てもおもしろいものだったが。
杯のような形をした世界水泳のメダルとか)

階段を下りて、通常展へ。
モネの睡蓮。遠くから見ると、輪郭がない分、水面の描写にリアリティーを感じる。
レンブラントの自画像。懐月堂や勝川春章の美人画。
青木木米、田能村竹田、与謝蕪村、池大雅。

続く部屋には、中国・朝鮮・イスラム圏の、各時代の陶磁器が並ぶ。
時代ごとにさまざまな特徴と工夫があって、見飽きない。
庭には茶室や、尾形光琳の京都の屋敷を復元した「光琳屋敷」が建っている。
見終わって、午後3時を少し回ったところ。レストランでカツカレーを食べた。

MOA美術館のホームページはこちら

幻想的な光に包まれた、長いエスカレーターで下りていく。
3時53分発のバスに乗り、熱海駅まで戻った。58分着。
ゲーム路銀 ¥9,075-¥160=¥8,915

まだ日が高いから、あと1ヶ所行けそうだ。お宮の松まで行ってみよう。
バスでも行けるけど、近いから歩いて行く。仲見世通りの土産物屋街を通る。

宿と宿の間の、細い坂道や階段を
縫うように下りていく。

出てきた場所は、当たらずといえども遠からず。
真新しいマンションの脇の道。
ヤシやソテツが生い茂る緑地の中に、
貫一お宮の像と、お宮の松があった。

貫一お宮の像は、『金色夜叉』の貫一が
お宮を蹴り飛ばす様子が表されている。
『金色夜叉』によって熱海は、
全国的に知名度を高め、
一大観光地になったという。

像から歌が聞こえる。
ここには何度か来たことがあるけど、この歌は記憶になかったので、
最初、裏でアコーディオン持ったおじさんが歌っているのかと思った。

像の隣に、「お宮の松」が生えている。

金色夜叉の碑が隣に建てられたことから
お宮の松と呼ばれるようになったそうだが、
初代の松は枯れてしまい、現在のものは、
1966年(昭和41年)に移植された二代目。

初代「お宮の松」の一部が、
かたわらに展示されていた。

ちょっと現代アートっぽい
歩道橋を渡ると、

そこは熱海サンビーチ。
右に後楽園ホテルや熱海城、
海に突き出すニューアカオなどを望める。
砂浜のにぎわいは、
夏の盛りの頃に引けをとらない。

正面には初島もよく見える。
海岸に沿って、歩けるだけ歩いてみよう。

ムーンテラスで何かイベントがあったようで、
撤収作業の真っ最中だった。

江戸時代、漁民と網元との対立で、
漁民のために直訴して命を落とした、
釜鳴屋平七の像がある。

さらに南側へ進むと花壇もある。

だんだんと日が暮れてきた。
海岸のベンチにはカップルが多い。
率直に言うと、うらやましい。

熱海市観光協会
「ワカガエルステーション」の時計が、
午後5時を告げた。

カモメが描かれた防波堤に沿って、
温泉施設「マリンスパあたみ」の裏手を歩く。

大島・初島行きの船が出る港で、
お茶を買って休憩。

初島には、私もだいぶ前に行ったことがあるが、
あれからリニューアルされているようで、
アジアンガーデンR-Asia、海泉浴「島の湯」などができたらしい。
初島アイランドリゾートのホームページはこちら

5時20分、初島行き最終便が出た頃、
私も港を出た。

次回はこの熱海港から再開しよう。
そうすれば、今から駅へ帰る分のバス代を、ゲーム路銀から引かなくて済む。
5時35分発のバスに乗って、5時44分熱海駅着。
6時10分の電車に乗って帰った。

現在のゲーム路銀
¥8,915

今回のルート
1.しとどの窟 2.湯河原温泉 3.西村京太郎記念館
4.十国峠 5.姫の沢公園 6.伊豆山神社
7.MOA美術館 8.来宮神社 9.お宮の松・貫一お宮の像
10.マリンスパあたみ 11.熱海後楽園・アタミロープウェイ
12.熱海城 14.熱海梅園 15.酪農王国オラッチェ

湯河原町観光協会  熱海市観光協会  観光かながわNow  ハローナビしずおか
JR東日本  JR東海  伊豆急行  伊豆箱根鉄道
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 116.静岡編(2)」では、
熱海のロープウェイに乗る。
「日本縦断ゲーセン紀行 114.箱根編(7)」に戻る


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