ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

118.単行本のヒット祈願
〜静岡編(4)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥8,215




三島

2009年2月13日。8時45分起床。前2日で張り切りすぎて全身が筋肉痛。
9時40分、ホテルをチェックアウト。
何かちょっと寒いと思ったら、霧雨が降っている。
晴れてたら駅の向こうに富士山が見えるらしいのだが。
このゲーセン紀行、なかなか富士山をきれいに見られない。
駅前の交差点で、歩行者用信号が青になったとき鳴るメロディーが『富士山』なのに。

三島駅の、特徴あるなだらかな三角屋根は、
富士山と三嶋大社をイメージしたものだとか。
駅が開業した1934年(昭和9年)の建物だが、
古さを感じさせないデザインだ。

まずは、駅の真ん前にある楽寿園に行ってみよう(入園料¥300)。
小松宮彰仁親王(上野公園に銅像がある)の別邸として、1890年(明治23年)に造られた。
近年は少なくなったが、富士の湧水があり、国の天然記念物及び名勝に指定されている。

ブツブツと細かい穴の開いた富士山の溶岩が、
園内のあちらこちらで見られる。
富士山が噴火した際、
ここまで溶岩が流れてきたということに驚く。
1万4千年も前の話だけど。
その溶岩に根を張って大きくなった、
木々の生長力にも感心する。

雨は止み、薄日が差すようになった。
森の中から遊園地(のりもの広場)が現れた。
幼稚園児たちでにぎわっている。
近くに小さな動物園(どうぶつ広場)もある。

のりもの広場とどうぶつ広場に隣接する森を通る。
「常盤の森」と書かれていた。
だからさっき、のりもの広場にピカチュウがいたのか。(違う)

もうすぐ10時半。
園内の「楽寿館」という建物が、
公開される時刻になったので行ってみた。
ここが小松宮親王の別邸の建物。
1日2回、午前10時半と午後1時半だけ公開される。
平日の午前だが、私以外に
8人の見学者が集まった。

楽寿館は数寄屋造りの建物。一見素朴だが、透かし彫りや部材の木、丸窓など、
細かい所に注意して見ていくと、凝った造りなのがわかる。
杉戸や、楽寿の間のふすま、格天井などに描かれた絵は、
明治時代のものだというのに、今でも鮮やか。

窓から池が見えたが、渇水しており、黒い溶岩が一面に広がっている。
5年に1回くらい満水になるそうだ。
底が溶岩なので、上から水を入れても溜まらないという。

撞球場は20年ほど後に増築された。
ベースは洋室だが、和や朝鮮風の意匠も見られる。
韓国の李垠(イ・ウン)王世子(皇太子)の別邸となった頃の部屋で、
現在は壁が緑色だが、かつては赤だったそうだ。
私が訪れたこの日の午後から、この部屋は改修工事に入るとか。

のりもの広場に戻る。
新幹線型の遊具があるのが三島っぽい。

どうぶつ広場へ。ポニー、リスザル、ワラビー、レッサーパンダ、
ウサギ、モルモット、オウムなど、さまざまな動物がいる。

ヤクシマヤギが放し飼いになってて、
一瞬どきっとした。
よく見ると、地面から鎖がのびていた。

楽寿園のホームページはこちら

万葉集に詠まれた植物が生えている「万葉の森」を抜けて、

郷土資料館にやってきた。

1階は企画展「あそび歳時記」。(2月22日まで)
全国の、こま、たこ、だるま、羽子板、カルタや双六を展示。
ひな人形や、人形浄瑠璃の人形も。
そり、竹馬、竹トンボに交じって、ホッピングまであった。
リコーの二眼レフカメラも展示されている。

そして、市指定文化財の「三四呂(みよろ)人形」。
昭和初期に、野口三四郎(さんしろう)という人が作った、小さな張り子の人形だ。
かくれんぼや雪だるま作りといった遊びが、素朴なタッチで作られている。

1階にはほかに、栗原忠二の油絵や、三嶋暦などを展示。

2階には、江戸時代から昭和中期までに使われた道具が展示されている。
紺屋の型紙や道具、はた織り機、和菓子の型、傘、商家の看板やゼニアイキ(レジスター)、
ます、はかり、長持、たんすなど。
三島は宿場町だったので、商家が多かったらしい。

農家の道具もある。うす、かまど、俵や唐箕(とうみ)。
囲炉裏端の様子が再現されていた。三島では「いろり」のことを「ユリイ」というらしい。
昭和中期を再現したスペースもあった。
ちゃぶ台の周りに、古い炊飯器や黒電話、ラジオやテレビなど。

階段に展示されている、上棟式に使われていたという祭具が大きい。
木材の柄(え)に、各方位の神々(青龍・朱雀・白虎・玄武・鳳凰)などを描いた板が
取りつけられている。

3階では三島の歴史を紹介。旧石器時代の猟のジオラマ。土器や出土品。
2分の1スケールの竪穴式住居まである。
伊豆国分寺の模型と、瓦、石棺。
山中城の合戦のジオラマ。後北条氏の城だったが、1590年、豊臣秀吉軍の攻撃で落城した。

江戸時代、三島には三島宿が設けられた。
本陣に伝わる古文書や、大名家の名前を書いた関札を展示。
三島の河合家で作られて広まった、「三嶋暦」とよばれる暦もあった。

三島最初の公立学校、三島黌(こう)の扁額(三条実美が揮毫)。
尋常小学校の教科書や、ノート代わりの石盤(小さな黒板)と石筆。
そろばんや肥後守。

大正時代から、三島には野戦重砲兵第1旅団が置かれた。
当時、東海道本線のルートから外れ、町が寂れたため、誘致されたという。
召集令状、国民服とその作り方のテキスト、銃剣道練習用の木銃、防空頭巾を展示。

最後に、三島駅開業当時の写真(駅舎の屋根と同じ形の祝賀ゲートがある)、
駿豆鉄道(現在の伊豆箱根鉄道駿豆線)や沼津への路面電車の写真があった。

外に出た。
鮮やかな色のショウジョウトキや
カンムリヅルの横に、
蒸気機関車C58が静態保存されていた。

日が出て暖かくなってきた。
大きな石灯籠、というか、
岩灯籠という感じの灯籠の前を通る。

いくつかの溜池には水が満たされ、
カモや白鳥が泳いでいる。

しかしその先の小浜池という
いちばん大きな池は干上がっている。
ごつごつした溶岩の向こうに、
さっきの楽寿館がある。独特な風景。
手前に梅が咲いているのが救いか。
もっとも、この地域の特徴である
溶岩質の地面を、最も自然な形で
見られる場所ともいえるかもしれない。

楽寿園のホームページはこちら

東側の門から出る。
実はこっちが楽寿園の正門。
門柱に富士山が載っている。

続いて、三嶋大社を目指して歩く。
途中、公園の前に、
かわいい人形のいる井戸があった。

ここからは、文学碑の並ぶ小道を歩く。

上の写真に写っているのは、『東海道中膝栗毛』の一節。
弥次郎兵衛と喜多八は、三島の宿で一泊するが、
途中で買ってそのまま忘れていたスッポンが、包みを破って暴れ回り、
大騒動になっている間に、弥次郎兵衛がスリにお金を取られてしまう。

農兵節の碑。
昭和初期、平井源太郎という人が、
明治・大正時代に唄われていた「ノーエ節」を元に、
三島発祥の農兵節にあやかって歌詞と踊りをつけ、
「農兵節」と「農兵踊り」として完成させ、
全国に広めたという。

川沿いを歩く。川から対岸の民家の玄関に橋が架かっている。一家に1本ある。

お腹が空いてきた。考えてみれば、朝から何も食べてない。もうすぐ午後1時。
三島はうなぎが名物らしい。町のあちこちにうなぎ屋さんがある。
そば屋兼うなぎ屋というお店も多い。
私も、うな重を食べた。ふわふわでおいしい。

あらためて三嶋大社へ。
大きな石の鳥居をくぐり、
池を石橋で渡って、

総門をくぐる。
私が以前、春に来たときは、
参道左右の桜がきれいだったが、
今回はさすがにまだ咲いてない。

でも梅がきれい。

芸能殿とよばれる建物は、
かつて総門だったという。

その奥には鹿がいた。

三嶋大社は、源頼朝が源氏再興を祈願した神社として知られる。
東海道沿いにあったことから、中世以降は、交通安全の神としても信仰されている。

1867年(慶応3年)にできたという
神門をくぐる。

右側にはキンモクセイの巨木。
樹齢は1200年を超えるとみられ、
天然記念物に指定されている。

1866年(慶応2年)にできた
舞殿の横を通って本殿へ。

現在の本殿・弊殿・拝殿は、
舞殿と同じく1866年のもので、
国の重要文化財。

よく見ると、彫刻がとても細かい。

参拝。欲張って、単行本『レトロゲームが大好きだ』のヒットも祈願した。

絵馬まで書いて、
掛けようと神門を出ると、

寒桜がきれいに咲いていた。

絵馬は掛けたが、周りに「母の病気がよくなりますように」などと
書かれた絵馬があるのを見ると、何か後ろめたい気持ちになる。

三嶋大社のホームページはこちら

風が強くなり、砂ぼこりが立ち始めた。
宝物館に行ってみよう。
2階が展示室(拝観料¥500)。

まず、一遍上人参詣を描いた絵をもとに、
1282年(弘安5年)当時の三嶋大社を再現したジオラマ。
当時は鳥居が赤く、建物も赤い柱に白い壁だったようだ。

重要文化財の源頼朝下文(くだしぶみ)は、挙兵直後の寄進状。
鎌倉幕府二代将軍・源頼家直筆の般若心経もある。

鎌倉幕府成立以降、三嶋大社は、武家や文化人からさまざまな寄進を受け発展。
後北条氏にも守護社とされ、二代・北条氏綱は社殿の大造営を行なった。
江戸幕府からも保護を受ける。
1854年に社殿が地震で倒壊したため、神主・矢田部盛治により、現在の社殿が造られた。
盛治が官軍の護衛を務めた時の、陣羽織とピストルが展示されていた。
三嶋暦もあった。

国宝「梅蒔絵手箱」。展示されているのは複製だが、当時の製法で作られている。
北条政子が奉納したものと伝わる。
全体が金色に輝いているが、その光り方は場所ごとに違い、
その違いによって絵柄が構成されている。

さらに、南北朝時代の古文書や、美術品、そして数々の刀も展示。
徳川家光奉納の太刀もある。
さっき楽寿園でも見た、三四呂人形もあった。

三嶋大社のホームページはこちら

三嶋大社を出て駅まで歩く。依然、風が強い。曇っているが、暖かい。
楽寿園正門前を横切って駅へ向かう途中、愛染の滝という小さな滝があるのだが、
ここも枯れていた。

午後3時47分、三島駅に戻ってきた。
駅前のポストの上に、農兵節の像がある。
ちょうど、駅構内の観光案内のビデオで、
農兵節の映像が流れていた。

北口へ行ってみたいと思ったが、駅を通り抜ける自由通路がなさそうなので、
あきらめて、ジュースを買って飲みつつ、観光案内ビデオを見てひと休み。
北口には、日本大学の三島キャンパスがある。

改札を抜けてホームに入る。
次の下りは、4時11分発の浜松行き。
隣のホームに特急踊り子185系が止まり、
また出て行った。
もう1つある島式ホームに、木が生えていて、
ミカンがなっている。

211系と313系の併結電車に乗った。
出発後、駿豆線が左に分かれる。新幹線は右に離れる。
住宅街をまっすぐ走ると築堤へ。工場が目立ち始める。
黄瀬川を渡ってまた地平へ。住宅と、左手に山も見える。
右手に後ろから近づく線路は御殿場線か。
多目的ホールの「キラメッセぬまづ」も見えた。

4時16分、沼津駅着。
ゲーム路銀 ¥8,215-¥180=¥8,035


沼津

まず沼津駅南口へ。
ちょうど高校生の下校時刻だったようで、
人通りが多い。

駅前ロータリーに、
SLの動輪と煙室扉(顔の部分)がある。
沼津にはかつて沼津機関区があった。
今のキラメッセぬまづや、
Bivi沼津の辺りにあったらしい。

隣には井上靖氏の碑があった。
「若し原子力より大きい力を持つものがあるとすれば、それは愛だ。愛の力以外にはない。」
井上氏は中学時代、沼津市にいたそうだ。
碑に流れる水は、富士の雪解け水とか。

沼津の観光名所は、駅からやや離れた場所にあるし、だいいち今から行っても遅い。
観光は次回にして、そのかわり、
ここにはゲーセンが多いようなので、今日はこれからゲーセンを回ってみよう。

まずは南口、「イーラde」という商業施設兼マンションの、向かいにある商店街に、
「Flet's」と「ジョイランド」の2店舗がある。
Flet'sは、近づいてみたらプリクラ専門店だった。男性のみでの入店は禁止。
だから「沼津青春写真館」と書いてあったのか。

ジョイランドアミューズ宝塚は、
ボウリング、パチンコ、映画館などが入った、
複合娯楽ビル。
ここは2階がプリクラで、
地下1階が「アミューズ」となっている。

プライズ、音ゲー、ガンシューティング、オンライン、レース、メダル。
ビデオゲームも多い。対戦格闘の種類が豊富。
あとシューティングと、テトリス、コラムス、上海などのパズル。
「おてなみ拝見FINAL」「ミスタードリラーG」「ボンバーマンワールド」と、
このゲーセン紀行でもおなじみのゲームが並んでいて、どれをプレイしようか迷う。
結局、おてなみ拝見FINALの「ZOO KEEPER」にした。
100円2プレイで、それぞれ8面、7面クリアー。(ゲーム路銀 ¥8,035+¥650=¥8,685
日が暮れて、小雨がぱらつき始めた。
南口にもう1店舗あるようなのだが、道に迷ったのでいったん駅に戻る。
駅から再び歩き出したが、ようやくたどり着いたビルは、閉鎖されていた。

「あまねガード」をくぐって駅北口へ移動。
あまねガードという名前は、明治初期の教育者、西周(にし・あまね)に由来するようだ。
西周は沼津兵学校の初代校長だった。

「リコー通り」のゲート前を、
右に折れると駅北口。

「一歩」と題されたモニュメントがある。
技能五輪国際大会開催を記念して、
2007年に建てられたということだ。

今日最後は、駅前のBiVi沼津にある、
THE 3RD PLANETだ。

仙台店や福島店もそうだったけど、ここのサードプラネットも広くてきれい。
スペースの半分くらいがメダルで、ほかにプライズ、プリクラ、大型機、オンライン。
ビデオゲームも一角にあったが、ガンダムVSガンダム、鉄拳6、
KOF98 ULTIMATE MATCH、パワースマッシュと、いずれも対戦台。
あとは、メタルスラッグ6、式神の城III、オトメディウス。
音ゲーも多いけど、これでは面数が稼げない。jubeatというゲームは初めて見た。
スポーツドリンクを買って、ベンチで休憩。

『リズム天国』を見つけた。プレイしたことがないけど、挑戦してみよう。
空手家、リズム脱毛、マーチャの3面をプレイ。
全部“でも平凡”と表示されてゲームオーバーに。
一応、3面クリアーということにしよう。
ゲーム路銀 ¥8,685+¥200=¥8,885

午後6時40分、駅北口に戻ってきた。今回はこれで帰ろう。
南口のロッカーに荷物を入れているが、連絡通路がない。
この雨の中、傘も持たずにあまねガードへ戻るのも大変なので、
入場券を買って駅を通り抜けた。

荷物を持って、7時7分発の上り東京行きで三島まで戻り、7時49分の新幹線で帰る。
こだまだから自由席でいいだろうと思って、指定席券を買わずに乗ったら、
金曜の夜だったからか、そこそこ混んでいた。

現在のゲーム路銀
¥8,885

今回のルート
1.湯河原温泉 2.西村京太郎記念館 3.十国峠
4.姫の沢公園 5.伊豆山神社 6.MOA美術館
7.来宮神社 8.お宮の松・貫一お宮の像 9.マリンスパあたみ
10.熱海後楽園・アタミロープウェイ 11.熱海城
12.アカオハーブ&ローズガーデン 14.熱海梅園
15.酪農王国オラッチェ 16.月光天文台 17.韮山城跡
18.国立遺伝学研究所 19.米山梅吉記念館
20.日本大学三島キャンパス 21.楽寿園 22.三嶋大社
23.佐野美術館 24.柿田川湧水群 25.沼津IC 26.鮎壷の滝
27.光長寺 28.沼津市明治史料館・江原素六記念館
29.キラメッセぬまづ 30.千本浜公園 31.沼津市若山牧水記念館
32.沼津港 33.芹沢光治良文学館 34.沼津御用邸記念公園

三島市観光協会  沼津観光協会  ハローナビしずおか(静岡県)
JR東日本  JR東海  伊豆急行  伊豆箱根鉄道
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 119.静岡編(5)」では、
富士の裾野でゲーセン探し。
「日本縦断ゲーセン紀行 117.静岡編(3)」に戻る


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