ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
119.富士の裾野でゲーセン探し
スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
2009年4月9日。 今回は沼津からのスタートなので、特急あさぎりに乗って、 御殿場線山北駅あたりの桜を愛でながら向かおうと思っていたのだが、 仕事の都合で大阪から沼津へ入った。午後10時台、沼津のホテルにチェックイン。
駅前のバス停から、10時15分発の沼津港行きバスに乗る。 ライオンズマークつきの伊豆箱根バス。 10時23分、千本入口で下車。(ゲーム路銀 ¥8,885-¥190=¥8,695) 本日最初に向かうのは千本浜公園。浜辺に何千本もの松が並ぶ所だ。
明石海人という歌人の歌碑が建っていた。 ハンセン病のため隔離され、37歳で亡くなられたという。 「さくら花 かつ散る今日の夕ぐれを 幾世の底より鐘のなりくる」
増誉上人は、武田氏と北条氏の争いで荒れ、潮害が起こっていたこの地に、 千本の松を植えた人物。 像は2004年(平成16年)、折れた松の木に当たって壊れたが、 その後、復元されたという。
近くには、昭憲皇太后陛下御座所跡もあった。
↑ここで「あるべき」の後ろに「かもしれない」と入れるところに、 私の、何事もはっきり言い切れない、自信のなさが表れている。 これじゃ若山牧水や井上靖のような文章が書けなくて当たり前。 カラスの声と車の音がするが、松林の落ち着いた雰囲気の方が勝り、気にならない。 道1本挟んだ向こうは海。防波堤の階段を上がって右を向くと、 左手には湾曲した海岸線。そして右側、松原越しに、
若山牧水は1885年(明治18年)、宮崎県に生まれる。 中学時代から、雑誌に短歌を投稿していたらしい。 短歌や文章の載った雑誌が展示されていた。 早稲田大学英文学科卒。北原白秋と同級生だった。 歌人として生活していた牧水だが、生活は苦しく、 また東京での暮らしにも、少し疲れていたらしい。 1920年(大正9年)、妻と3人の子とともに、沼津に移住した。 牧水の歌集、妻・喜志子の歌集、沼津の家の模型を展示。 書斎を復元した部屋もある。 牧水はようやく経済的にも落ち着き、この時期に何度か旅に出ている。 利根川の水源を求めて旅をした「みなかみ紀行」が代表的。 千本松原を愛し、一部伐採計画が持ち上がったときには、反対運動に積極的に参加。 松原について書かれた、牧水の文章が載った新聞も、この記念館に展示されていた。 関東大震災以降、住宅難のため、借りていた家から引っ越さざるを得なくなり、 家を新築するため、さらには、創刊した雑誌『詩歌時代』の赤字を埋めるため、 かなり無理な旅をしながら、色紙を揮毫して売っていたという。 北海道から朝鮮半島に至るまで、その足跡を残したが、 無理な旅と、酒がたたったのか、 1928年(昭和3年)、急性腸胃炎と肝臓硬変症のため、43歳で亡くなった。 記念館の展示室は小さかったが、展示物は多く、 たくさんの歌を楽しむことができた。 どちらかといえば不遇な人生だったように思えるが、 その割には、明るく楽しい歌が多かった。 旅と酒のおかげだろうか。 沼津市若山牧水記念館のホームページはこちら
沼津みなと新鮮館のホームページはこちら 魚市場の近くには、魚屋さんや、魚料理の食堂が多い。 ただいま12時45分。私にとっては少し早い気もするが、ここらへんでお昼にしよう。
海鮮食堂と、回転ずしと、ハワイアン料理店。 迷った末に、海鮮食堂で鮪いくら丼を食べた。 千本浜から歩き通した疲れが、ここに来てドッと出たが、 鮪いくら丼はうまかった。
沼津魚市場 INOのホームページはこちら
そのほか、塔内部のモーターやウィンチなど、水門開閉装置も見ることができた。 沼津港大型展望水門「びゅうお」のページ(沼津市のサイト内) さらに南へ行くと、沼津御用邸記念公園があり、 そのさらに南には、あわしまマリンパークや、 伊豆・三津(みと)シーパラダイスがあるのだが、 遠いのでそちらには行かず、駅へ戻ることにする。 ちなみに、沼津インターからさらに北へ行くと、 ベルナール・ビュフェ美術館や井上靖文学館などがあるクレマチスの丘や、 富士竹類植物園がある。 沼津御用邸記念公園のページ(沼津市のサイト内) あわしまマリンパークのホームページ 伊豆・三津シーパラダイスのホームページ クレマチスの丘のホームページ 富士竹類植物園のホームページ 大きな通りの方がバスの本数が多いだろうと考え、 広い道を歩き始めてすぐに、千本港町バス停を見つけるが、 道の向かい側にしかなかったので、結局引き返す。
午後2時15分、沼津港バス停に着いた。運良く、ちょうど沼津駅行きのバスが来た。 2時29分着。ビーバスというコミュニティバスだったので、運賃は¥100だった。 (ゲーム路銀 ¥8,695-¥100=¥8,595) ちょうど駅前に薬屋があったので、ユンケルとサロンパスを購入。 ユンケルを飲みながら時刻表を見る。次の下りは2時47分の富士行きだ。 「この景色見ては休まにゃならの坂いざたばこにや千本の松」 『東海道中膝栗毛』で、喜多八が詠んだ狂歌である。 前回書いたとおり、弥次郎兵衛と喜多八は、三島でスリにお金を盗まれてしまうのだが、 沼津で喜多八がこの歌を詠んだとき、たまたま居合わせた侍がこれを聞いて感心する。 喜多八は侍に事情を話して、手持ちの巾着を買ってもらい、 どうにかお金を手に入れることができた。 211系3両編成の電車に乗る。この時間だから割とすいている。 沼津を出ると、右側に富士山が見える。工場が多い。一戸建て住宅も多い。 右手に「新車両基地建設地」と書かれた空き地もあった。
北口側の階段は、改札の内外共用で、真ん中で仕切ってある。 さらにエレベーターまで共用なのには、ちょっと驚いた。 外から入った人は外から、内から入った人は内からしか 降りられないようになっているみたいだ。 3時1分、南口から歩き始めるとすぐにバス停を発見。 ラッキーと思って時刻表を見たら、3時ちょうどにバスが出たばかりだった。 次のバスは3時30分かあ、と、がっかりしていたところにバスが来て、 駅のロータリーへ向かって行った。少し遅れていたのだろうか? だが、しばらく待っても、駅からバスがこっちへ来ない。 どうやら3時半まで待機するようだ。 あと、駅の真下にもバス停があることに、いま気がついた。
歩き始めて10分ほどで、バスに追い抜かれた。 さっきのバスじゃない。どうやら別系統のバスが通っていたようだ。 途中のバス停で待ってりゃよかった。 ただ、次に見かけたバス停の名前が「大諏訪天神前」。目的地は近い。 あたりを見回しながら歩くが、ゲーセンは見つからない。 携帯電話の地図表示機能で場所を確認。もうちょっと先のようだ。 ちょうどさっきのバスが、目の前の交差点を北に曲がっていくところ。 ちょっとの差だけど、先に着いて、なんかうれしい。
ジョイランドアミューズ諏訪には、バッティングセンターとゲームセンターがある。 店頭に、深層湧水の自動販売機があった。 ペットボトルではなく、ホースから直接水が出るようになっているみたいだ。 店内は思いのほか広くてきれい。 プライズ、プリクラ、メダル、パチンコ、音ゲー、カーレース、オンライン。 マンガの置かれた小さな休憩スペースもある。 ビデオゲームは、ガンダム系の対戦格闘が多い。 『ぷよぷよ通』があったのでプレイする。2プレイ100円設定。 1戦目は8面までクリアーし、9面のパキスタに負ける。 2戦目。6面をクリアーした後、7面に出てきたのがナスグレイブ。 作者の米光一成さんをモデルにしたキャラクターなので、 米光さんの顔が頭に浮かんで、悪い予感がしたのだが、 案の定、このナスに負けてゲームオーバー。 (ゲーム路銀 ¥8,415+¥600=¥9,015) 帰り道。わずか2分差で、4時30分のバスを逃したので歩く。 しかし、すぐに後ろからバスが追い越していった。 ちょっと遅れていたようだ。待ってればよかった。 片浜駅着4時48分。足で稼いだ600円。
午後4時56分、浜松行きに乗る。211系と313系が3両ずつの6両編成。 住宅街を進む。小さな畑も見られる。ところどころに工場。 原はかつての宿場町で、弥次さん喜多さんがソバを食べた所。 原駅の南側に、広い空き地がある。 宿場町をイメージしてか、駅舎の腰壁が、なまこ壁風になっている。 レンガ積みの小屋もあった。明治時代のランプ小屋らしい。 でも私は降りずに通過しますごめんなさい。 左手に、「新貨物駅建設用地」と書かれた空き地や畑が長く続く。 その空間以外は住宅地で、一戸建てが多い。 右にはビニールハウスが建ち並ぶ。 次の東田子の浦駅も通過しますごめんなさい。 車窓右手は田畑や工場が多く、そのため向こうの山までよく見える。 富士山の手前に、愛鷹山(あしたかやま)という低い山が、 富士山を護衛するかのようにそびえている。 ただし太陽の位置のせいか、富士山はさっきほどはっきりとは見えない。 やがて線路のすぐ近くに工場が現れ、景色はよく見えなくなった。
……あれ? 私はジヤトコ前という駅に向かっていて、その途中にゲーセンがあるはずなのに、 変だなあと思って携帯電話の地図をチェックしたら、 まったく違う方角に歩いていたことがわかってがく然。 北西に向かっていたつもりで、真北に歩いていたのだ。 今いるジヤトコも、「ジヤトコ前」のジヤトコとは違う場所だった。 「吉原の左富士」という言葉があるから、富士山は左側に見えるものと勘違いしていた。 次の交差点を左に曲がり、西へひたすらまっすぐ歩く。
その旧東海道と90度交差する道を、ひたすらまっすぐ歩く。 川を渡って、左へ曲がると、ボウリングのピンが見えてきた。 目的地は近い!
まずはスーパーウェーブから行ってみよう。 この交差点、なぜか全部の横断歩道の両側に、交通整理員の方がいる(警察官かもしれない)。 4つの角に2人ずつ、計8人。 店内へ。 プリクラ、プライズ、メダル、パチンコ、音ゲー、オンライン、エアホッケーなど。 広い。別棟はカラオケ施設のようだ。 ビデオゲームもけっこうある。 バーチャファイター5、ガンダム、ギルティギア、タツノコVSカプコンなどの対戦格闘や、 テトリス(マジカルテトリスチャレンジfeaturingミッキー)、虫姫さまふたり、上海など。 『ナムコクラシックコレクションVol.1』があった。『マッピー』アレンジ版をやってみる。 以前はこのゲームがちょっと苦手だったが、 昨年末に記事で取り上げた際にけっこうやり込んだから、かなり進めるはず。 ……6面で何度もミスしてしまい、結局7面でゲームオーバー。 1プレイ50円だったので、(ゲーム路銀 ¥8,785+¥250=¥9,035) 日が暮れてきた。交通整理員がいなくなっている。続いてミラクルドームへ。 プライズ、オンライン、音ゲー、カーレースもあるが、ビデオゲームがとにかく多い。 その中でも対戦格闘が多く、プレイヤーが集まっている。 それ以外のビデオゲームもラインナップが豊富。 ミスタードリラーG、おてなみ拝見FINALといった、この旅ではおなじみのものもあるが、 せっかくいろいろあるから、毛色の変わったゲームをと思い、 UPLの『忍者くん 阿修羅ノ章』をプレイしてみた。 しかしジャンプの操作になじめず、4面がどうしてもクリアーできずにゲームオーバー。 1プレイ50円で、(ゲーム路銀 ¥9,035+¥100=¥9,135) 悔しいので、『おてなみ拝見FINAL』の『ZOO KEEPER』もプレイ。7面クリアー。 (ゲーム路銀 ¥9,135+¥300=¥9,435) そしてラウンドワン。大きなビルの入口に、 ボウリング、ビリヤード、卓球、カラオケ、ダーツ、アミューズメントと書かれている。 アミューズメントは2階と3階。2階にはプライズ、メダル、パチンコ、 音ゲー、カーレース、ガンシューティング。 すごく広い吹き抜けのフロアーで、柱にコブラが巻きついている。 さすがラウンドワン、スケールがでかい。 その吹き抜けを見下ろす回廊状の3階には、プライズ、プリクラ、オンライン。 お茶を買ってひと休みする。この先また、ジヤトコ前駅まで歩かなければならない。 2階に下りたときに目についた、『セニョールニッポン!』というタイトーのゲームが、 気になったのでやってみた。 会社、伝統、学校、家庭などのステージがある、パーティー向けのミニゲーム集。 会社ステージを選択。ハンコを押す「判ゲーム」はクリアーするが、 社員に喝、家にたどり着く、名刺出しと、立て続けに失敗してゲームオーバー。 クリアーは1面だけなので、ゲーム路銀に増減なし。 時刻は午後7時28分。さあ歩こう。ちょっと涼しくなってきた。 「寒くなってきた」じゃなくなったのがいい。 単線の踏切を渡る。ネオンサインが壊れたような音がする。多分これは虫の声。 線路に沿っていく道は暗いので、広い道をもう少しまっすぐ進む。 やや広い道と交差したので右へ折れる。両側が石材店のようで、墓石や仏像が並ぶ。 その先は変電所。暗いけど車が多いから、まだこわくない。 右手の空に赤い満月。左手には、さっきとは別のマルハンがある。
7時47分に吉原行きが来たが、やり過ごし、 7時56分の電車に乗って、逆方向へ進む。 車両は7000形といって、 井の頭線の電車に似た、コルゲート(波板加工)つきのステンレス車両。 実際、井の頭線で走っていた京王3000系を改造したものらしい。 乗るときに整理券を取って、降りるときに精算となる。
私がここへ来たのは、こないだNarinari.comの「ベストショット」で見た、 吉原名物「つけナポリタン」を食べたかったから。 でも食べ物屋は、串揚げと韓国料理が多く、 むしろそっちが名物なんじゃないかという気がする。 「長さん小路」と名づけられた道があった。 いかりや長介さんは戦時中、富士市に疎開していて、 後にバンドを組んだ時には、吉原のダンスホールで活動していたそうだ。
午後8時22分、駅に着いた。 駅の壁に、「つけナポリタンマップ」が貼り出されているのに気づいた。 今通ってきた商店街に何店もあった。うち1店は開いていたのを覚えている。 もし電車を降りた時、このマップに気づいていれば、その店へ行っていたのだが。 今日はそんなのばっか。 片浜でバス停に気づかず乗り遅れるし。吉原駅から道間違うし。 富士市のサイトにある、つけナポリタンの紹介ページ 8時33分の電車に乗る。ジヤトコ前を過ぎると、車窓左手にさっきの3店舗がよく見えた。
沼津駅前のファミレスでスパゲッティを食べた。 ¥9,085 今回のルート
沼津観光協会 富士市ホームページ 富士山観光交流ビューロー ハローナビしずおか(静岡県) JR東海 伊豆箱根鉄道 岳南鉄道 次回、「日本縦断ゲーセン紀行 120.静岡編(6)」では、 富士宮やきそばと由比の桜えびを食べる。 「日本縦断ゲーセン紀行 118.静岡編(4)」に戻る 「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る |
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