ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
120.富士と桜とやきそばと
スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。 2009年4月11日。昨日あれだけ歩いたから、さすがに全身筋肉痛。 沼津から、午前10時18分発の島田行きで、今日のスタート地点、吉原へ向かう。 211系と313系の6両編成。 今日も天気は良く、富士山と愛鷹山(あしたかやま)がきれいに見える。
吉原では、駅の南にある「富士と港の見える公園」から、 田子の浦を見ようと思っていたのだが、 考えてみれば、昨日、それに近い海岸を沼津から眺めていたから、 まあいいかと思って、吉原駅から外には出ず、早速次の目的地へ向かうことにした。
東海道線の上りホームを、貨物列車が勢いよく通過。
あらためて、10時51分発の島田行きに乗った。こちらも211+313の6両。 駅を出るとすぐ川を渡る。このあたりが田子の浦港のようだ。 岳南鉄道の線路が右に分かれる。工場街を進んでいく。住宅もみられる。 左右にいっぱい側線が現れ、10時55分、富士駅着。 ここで電車を降りて、身延(みのぶ)線のホームへ移動する。
発車。住宅街を東海道本線と並走。すぐ右に曲がり、高架へ。左手に山並みが連なる。 柚木駅。降りられるドアは1つだけ。1両目の後ろ乗り前降り。 左に自動車学校、右にゴルフ練習場。 竪堀駅ではすべてのドアから降りられるが、ボタンを押さないとドアが開かない。 電車が少し右に角度を変えたことで、富士山が左の車窓からよく見えるようになった。 潤井川(うるいがわ)という川を越えると民家が減り、工場が多くなってきた。 線路が地平に下りた頃、再び民家が多くなる。 もう1本、川を越えると入山瀬駅。右のホームの向こうに自動車学校。 この駅の近くにある曽我寺には、曽我兄弟の墓があるらしい。 かつては福泉寺という名前で、『東海道中膝栗毛』に、 「久沢の善福寺といへるに、曽我兄弟の石碑あるをおがみて」 という記述がある。 駅を出てすぐ、左手の公園に保存されているD51が見えた。 建設中の高い高架橋の下をくぐる。今度は右手に富士山。 富士根駅ではいちばん前のドアからしか降りられない。 工場、住宅、農地が、パッチワークを成す風景が続く。 源道寺駅でも降りられるのはいちばん前から。 農地や、一部の住宅が、低い石垣で囲まれている。 11時29分、富士宮駅で降りた。(ゲーム路銀 ¥9,085-¥320=¥8,765)
1回吉原で降りたからでもあるが、沼津からここまで1時間半かかった。 改札を出てすぐベンチがあったので、思わず腰掛ける。
さて富士宮に来たら、向かうはもちろん市名の由来となった、富士山本宮浅間大社。 デッキから下りて、広い歩道の駅前通りを歩く。看板の指示に従って左へ。
どこかから、キンコンカンコンとチャイムが鳴った。正午だ。 鳥居をくぐる。 富士山本宮浅間大社は、垂仁天皇(第11代)の頃の創建と伝えられる。 後に日本武尊(やまとたけるのみこと)が山宮に大神をまつられ、 806年(大同元年)、坂上田村麻呂が現在の地に遷したという。
1193年(建久4年)源頼朝は、現在の朝霧高原で巻狩りを催した。 (曽我兄弟の仇討ちは、その時に実行された) この際、当社に流鏑馬が奉納されたことにちなんで、 今では毎年5月に、流鏑馬祭が行なわれている。
本殿・弊殿・拝殿と楼門は、1604年(慶長9年)に徳川家康が寄進したものだそうだ。 本殿は国の重要文化財。 拝殿の外から参拝。中ではちょうど結婚式が行なわれているところだった。
池はさらに南の方へ続き、川になっている。 それにしても桜吹雪が華やか。
富士山本宮浅間大社のホームページはこちら 鳥居の下に富士宮やきそばの店が出ていて、いい匂いが漂う。 食べたくなったが、混んでいるようなので、ほかの店を探すことにした。 道路の向かいに、お宮横丁という野外フードコートがあり、 やきそばの店も何店かあるのだが、ここはもっと混んでいた。 お宮横丁のホームページはこちら
話には聞いていたが、本当に、一般的な焼きそばとはまるで違う。 まず、麺がもちもちしている。 粉状にしてまぶした、だし粉の風味もいい。 食べ続けていると、今度は肉かすの歯ごたえと旨みが効いてくる。飽きない。 ニジマスもあっさりとしていておいしい。 富士宮まで来た甲斐があった。 富士宮やきそば学会のホームページはこちら 景色もいいし、食べ物もうまい。すっかり笑顔になって駅まで戻る。 ただし、電車にはまだ乗らない。もう1ヶ所寄る所があるのだ。
ジャスコ富士宮店は、高さが結構ある建物なのに、2階建てというぜいたくな造り。 天井が高い。 モーリーファンタジーは、2階フードコートの隣にあった。 以前、津田沼で見た同店もそうだったが、 ゲームコーナーというより、室内遊園地といったコンセプトで、 かなり大きな遊具がある。 柱には、木の幹を模した装飾が成され、キャラクターの猫や虫がいる。 (昨日のラウンドワンにはコブラがいたが) スペースの半分くらいがプライズ。あとはメダルとキッズ向け筐体、 プリクラ、パチンコ・スロット、乗り物、レースゲーム、音ゲー。 ゲーム路銀は稼げなさそう。 午後2時9分、富士宮駅着。身延線に乗って富士駅まで戻ろう。 次の電車は、ちょっと間があいて2時26分。 再び313系に乗って、富士宮を後にした。今度は座れた。 やっぱり富士山はきれい。 うららかな昼下がり。少しうとうとしかける。
さっきの吉原駅のそばには、製紙工場があり、 私の地元の苫小牧市に似てて懐かしい、と前回書いたが、 富士駅のそばにあったのは、苫小牧と同じ王子製紙の工場。さらに懐かしい。
5階のファミリーランドへ。プライズ、プリクラ、キッズ向け筐体、メダル、 音ゲーなどの大型機、エレメカ、乗り物。小さなトランポリンまである。 1プレイ100円の小さな『リッジレーサー』があったので、やってみる。 以前これをやったときは、さんざんな結果に終わったが、 今回はそこそこうまくアクセルを調整でき、初級の4周までなんとかクリア。 ただし5周めの途中でゲームオーバー。 (ゲーム路銀 ¥8,535+¥300=¥8,835)
バスに乗って、新幹線の新富士駅へ行ってみたい。 現在3時30分。次のバスは3時35分。 すぐ来る! と思ったら……、
ただ、特に観光地でもなければ、ゲーセンもなさそうな所へ行くのに、 30分歩くのもつらいし、タクシーに乗ってゲーム路銀を減らすのも避けたい。 あきらめて、富士駅から東海道本線で先へ進もう。 次の下りは、3時54分静岡行き。 富士駅に、レンガ積みの貨物ホームがあった。 旅客ホームも赤レンガの上にかさ上げされている。 313系2両+211系3両の、5両編成の電車に乗った。 富士駅を出る。住宅地を通る。身延線が右に分かれるが、 なお右側に側線が続き、富士運輸区の留置線につながっていた。 やがて築堤になって、大きな川を渡る。富士川だ。
富士川は、「富士川の戦い」で知られる。 平家の軍勢が、水鳥の羽音を源氏の攻撃と勘違いして、驚いて混乱し、 戦わずして逃げたとされているが、 実際に、源氏の武田信義の軍が夜襲を仕掛けようとしていて、 それで鳥が飛び立ったという説もある。 そもそもこの戦いでは、源氏側と平氏側に明らかな戦力差があったようで、 遅かれ早かれ平氏は撤退せざるを得なかっただろう。 ゆく水は矢をいるごとく岩角にあたるをいとふふじ川の舟(東海道中膝栗毛) 鳥の羽音におどろきし 平家の話は昔にて 今は汽車ゆく富士川を 下るは身延の帰り舟(鉄道唱歌) 電車は富士川駅に止まるが、ここは降りずに通過しますごめんなさい。 左手に王子製紙の工場。さらにいくつか工場が続く。住宅も多い。 右側は山になって、景色が見えなくなった。橋を1つ渡る。日本軽金属の放水路らしい。
イオンタウン蒲原へ。 さまざまな店舗が、平屋で横に並んでいる。
プライズ、プリクラ、パチンコ・スロット、メダル、キッズ向け、エレメカ、乗り物、 カーレースなど大型筐体、エアホッケー。エレメカが特に豊富。 『太鼓の達人』が1プレイ¥100。麻雀格闘倶楽部もあった。 プライズの景品として、柿の種が2瓶置かれているのがおもしろい。 ビデオゲームもある。麻雀もの、上海、そして『ゼビウス』があった。 ゼビウスは、何でも、サイクルスポーツセンター(伊豆市)に、ゲーム博物館というのがあって、 そこからレンタルされているらしい。懐かしのテーブル筐体だ。 最近TBS『DOORS』のアトラクションにもなった、『ゼビウス』を久々にプレイ。 アンドアジェネシス(インストラクションカードでは「アドーア・ギレネス」になっていた) に苦戦したが、3回目で遂に撃破! その後、海を渡り、ガルデロータをクリアした直後にやられてゲームオーバー。 結局エリア5までクリアー。(ゲーム路銀 ¥8,645+¥400=¥9,045) あと、ソルを1本出せたのがうれしい。 蒲原宿には、古い建物がけっこう残っているらしい。行ってみよう。 イオンタウンを出て西へ。住宅街の中の道を、合ってるのかどうか不安になりながら進む。 ヤマト食品と書かれた大きな建物の前に来たところで地図を開いて、 道を間違えていたことに気づく。 東海道線の南側を歩いていたのだが、蒲原宿は線路の北側だった。 不幸中の幸いは、踏切を渡ってすぐの所が目的地だったこと。 蒲原宿の西の端に到着。県道396号を渡り、西木戸跡からもう1本北の道へ。 ここから駅の方へ進んでいく。 この通りもやっぱり住宅地なのだが、ときどき、古い木造の町屋住宅が見られる。
『東海道中膝栗毛』で、弥次喜多が蒲原宿にさしかかったとき、 ちょうど本陣にどこかの大名が着いたところだった。 喜多八はどさくさに紛れて、大名の一行のふりをしてただ飯を食べる。 それがまさにこの場所だったのかもしれない。 その後、2人は蒲原の木賃宿に泊まる。 喜多八は、泊まり客の娘に夜ばいをかけようと、天井裏に向かうが、 間違って、隣で寝ていた宿のばあさんの布団に入ってしまい、 気づいてびっくりした拍子に天井を踏み割って、下の部屋に落ちてしまう。
これらの建物をながめながら、東へ東へと歩いているうちに、 駅が近くなってきたようなので、1本南の県道に向かう。
県道を渡ると、すぐ近くが駅のホーム。ガードをくぐって駅に戻ってきた。 午後5時48分着。今日はもう少し先の駅まで進んでおこう。 次の下り電車は、5時59分発の浜松行き。 さっきと同じ、313系2両と211系3両の、5両編成だった。 新蒲原を出発。 住宅街を走る。左にヤマト食品やユニフーズの建物。その向こうには国道1号線の高架。 右は住宅地の奥に山が連なる。 蒲原駅は通過します、ごめんなさい。 昔、ムーンライトながらに乗ったとき、 大雨のために、この駅で3時間も電車がストップしたことを思い出した。 左手、国道の高架が間近に迫る。その下からちらりと海が見えた。 やがて東名高速が合流し、高速道、一般道がほぼ同じ高さに来て並走。 午後6時5分、由比駅で降りた。(ゲーム路銀 ¥9,045-¥180=¥8,865) 北西側にすぐ山が迫る。南東にすぐ一般道と高速道。その向こうはたぶん海。
駅前に1軒だけある食堂に、「桜えび定食できます」と書いてあったので 入ろうとしたが、その隣に、 「10日(金)16:00〜 11日(土)は臨時休業とさせていただきます。申し訳ありません」 と書かれた貼り紙が出ていた。 漁港の近くに別の食堂があるかもしれない。徒歩5分くらいらしいので、行ってみよう。 途中で通ったガード下のトンネルが暗かったけど、何とか由比漁港に着いた。
トンネルを通って引き返すとき、真上を電車が通って、その音にびっくりした。 そういう場所なんだから、電車が通って当然なんだけど。 桜えびを売ってるお店はあるのだが、イートインがない。 来る途中にあった、すし屋に行ってみよう。 桜えびフルコースを注文。お店の壁に、昭和50年代の桜えび漁の写真が飾られている。 刺身で桜えびを食べたのは初めて。 身のぷりっとした食感に、殻の香ばしさと食感が合わさって新鮮な感覚。 釜揚げは身が締まり、殻はやわらかくなる。マヨネーズが合う。 酢の物もいいし、熱いだし汁に入れた「沖あがり」もいい。 そしてかき揚げの香ばしさとサクサク感。衣はほとんどない。お茶入りの塩が合う。 寿司はトラフグ、倉沢のアジ、ホウボウとともに。最後にお吸い物。さっぱり感がちょうどいい。 相当な量の桜えびを食し、大満足で駅に戻ってきたのが午後7時58分。 ちょうど東京行きの電車が出たところ。 次の8時14分の三島行きに乗って帰ろう。次回はここ由比から再開だ。 8時46分、沼津駅着。コインロッカーから荷物を取って、三島へ移動。 9時19分の新幹線で帰る。 ¥8,865 今回のルート
富士市ホームページ 富士宮市観光協会 富士山観光交流ビューロー 静岡観光コンベンション協会(静岡市・焼津市・藤枝市・島田市) ハローナビしずおか(静岡県) JR東海 岳南鉄道 静岡鉄道 次回、「日本縦断ゲーセン紀行 121.静岡編(7)」では、 再び桜えびを食べて、いよいよ清水港へ。 「日本縦断ゲーセン紀行 119.静岡編(5)」に戻る 「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る |
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