ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

131.楽園の木造駅舎
〜静岡編(17)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥1,315



2010年1月22日。午後7時41分、掛川駅着。駅前のホテルで宿泊。
思っていたより早く着いたので、ホテルで天ぷら定食を食べることができた。

新幹線の車内とホテルの部屋で、ひたすらゲームのスクリプトを作っていた。
今年はゲームを作って、フリーウェアで配信して、できればシェアウェアも作りたい。
あと、今年はこのゲーセン紀行で、名古屋まで行きたい。


金谷

翌23日。9時48分、金谷駅着。

駅前にベルの並ぶモニュメントが建つ。

大井川鐵道の金谷駅で、前回買いそびれたSLストラップを購入。
事前の計画では、ここから歩いて「お茶の郷」に行くつもりだった。
でも前の日、サイトをチェックしたら「駅から徒歩30分」と書いてあったので、
行くのを断念。地図で見るとそんなに遠くにあるように見えないのだが、
あの急な上り坂を通るから、そのぶん時間がかかるのかもしれない。
タクシーだと5分もあれば着くらしいが、今のゲーム路銀でタクシーに乗る余裕はない。

お茶の郷博物館のホームページはこちら

10時13分発の浜松行きに乗る。211系3両編成だった。
駅を出てすぐ、かなり長いトンネルをくぐる。トンネルを出て、細い川に沿って走る。
家々の中に茶畑が点在。土の露出した田地(畑かもしれない)もある。

右手の川に沿って右へカーブする。
右側の山の斜面に、茶畑で「地産茶笠小」と書いてある。
何だかよくわからなかったが、後から考えて、右から左へ読むということに気づいた。
「小笠茶産地」だったのだ。
同じく右手の車窓には、新幹線の線路も見える。

菊川駅着。菊川といえば、野球部が甲子園で優勝した常葉菊川高校が有名。
あと、応声教院(おうしょうきょういん)というお寺もある。
創建が855年で、かつて浄土宗の祖・法然上人が訪れたこともあるという。
一方で、「のんべえ地蔵」「考える人」「自動読経ロボット」といった、
ユニークな像が数多く存在することでも知られ、
都築響一氏の著書『珍日本紀行』や、テレビ朝日『ナニコレ珍百景』で取り上げられた。
ただ、応声教院は駅から遠いので、菊川駅には降りずに通過しますごめんなさい。

右手に並行する道路に沿って家が並ぶ。トンネルを抜ける。貨物列車とすれ違う。
新幹線の線路がオーバークロスし、左手に防音壁が寄り添う形となる。
家が増えてきた。


〜菊川(きくがわ)〜
掛川

10時26分、掛川駅着。
ゲーム路銀 ¥1,315-¥320=¥995

向かいのホームの断面を見ると、
レンガ積みをベースに、だんだん
かさ上げされてきたのがよくわかる。

北口は、新幹線停車駅には珍しい木造駅舎。

1940年(昭和15年)に建てられた
板張りの駅舎が今でも残っている。
いい雰囲気だ。
駅前に、二宮金次郎の像がある。

掛川城へ行こう。駅前通りをまっすぐ歩く。歩道は広く、彫刻が立ち並ぶ。

天守が見えてきた。
朝ごはんを食べてないので、
食堂で何か食べようと思ったが、
まだ準備中だった。

川を渡って、お城の敷地内に入る。観光客が多い。
広場に屋台が出ている。小学生のダンサーが練習している。
奥のステージでは七福神が踊っていた。なぜか毘沙門天が2人いる。
屋台で焼きそばを買って、ステージの七福神を見ながら食べた。

あらためて掛川城へ。
天守閣・御殿の入場料¥300だが、
さらに美術館の入館券も含まれる
セット券を買った(¥400)。

よくできたよろいを身につけた人々が
案内をしている。

まずは天守閣へ。
かつての縄張をそのまま再現したと思われる
急な階段を上り、三層の天守閣に入る。

掛川城天守閣は、
1854年(安政元年)に地震で倒壊し、
長年再建されなかったが、
1994年(平成6年)に復元された。

青森のひばを使った、戦後の復活天守としては初となる木造天守。
内部まで江戸時代の天守の姿を再現したようで、階段がせまくて急。
手すりに頼って何とか上っていくと、

最上階から、
四方に広がる掛川の街が見渡せた。
南側には駅がある。
(この写真では見づらいが)
新幹線が出ていくのが見えた。

さっき屋台が立ち並んでいた
三の丸広場も上から見える。

東側には二の丸御殿。
その左手に美術館。

階段は、上るより下りる方が大変だったが、
たまたますれ違う人がいなかったのでまだ良かった。
中層には、戦国時代に関する簡単な解説パネルを展示。陣形が詳しく説明されていた。
青銅製しゃちほこの複製もある。
かつての城主、山内家に伝わるよろいかぶとや軍配、軍扇、
太田家に伝わる馬の鞍も。

掛川城は、今川家の朝比奈氏が築城。
1568年(永禄11年)、武田信玄に駿府を攻撃された今川氏真がここに立てこもったが、
翌年、今度は徳川家康の攻撃を受け、長期間の攻防戦の末に開城。
掛川城には徳川家重臣、石川氏が入城する。

1590年(天正18年)、家康が江戸へ移封となり、
豊臣秀吉配下の山内一豊が、掛川城の城主となる。
一豊は掛川城を大幅に改築・整備した。天守もここで初めて建てられた。
関ヶ原の戦いの後、一豊が高知に栄転すると、親藩・譜代大名が掛川城主となる。
江戸時代の後半からは、太田氏(太田道灌の子孫)が幕末まで城主を務めた。

町なかに『ふるさと』のメロディーが流れた。正午か。

二の丸御殿へ。
御殿も天守と同じく地震で崩れたが、
1861年(文久元年)に再建され、
今日まで残っている。
国の重要文化財。

広くて見通しがいい。
三の間、二の間、上の間などに分かれ、その周りを回廊がめぐっているのだが、
ふすまを全部開け放つと、すべて畳敷きということもあり、
広い1つの部屋のようになる。

次の部屋からは一転して、廊下と各部屋が細かく分けられた形になっている。
さっきの部屋は公的スペース、こちらは私的スペースと、区別されているようだ。

裏手は廊下が板張りになり、部屋はそれぞれ独立した小部屋となる。
火縄銃や槍、なぎなた、家紋の入った瓦、長持、大名行列の人形などを展示。
大河ドラマの小道具(千代が馬を買うため一豊に持たせた金十両、
三方ヶ原の家康の肖像画、朝倉・浅井の骸骨の杯)、龍尾神社の獅子舞の頭なども。

掛川城のホームページはこちら

外へ出ると、
日なたはだいぶ暖かくなってきた。
二の丸美術館へ。

企画展「日本画名品展」(〜2月14日)。
故・鈴木始一氏から寄贈された日本画を展示。
竹内栖鳳の鴉(からす)。墨でざっと描いただけのように見えるが、
カラスの姿も、とまっている枝も、本当にリアル。
川合玉堂、岸田劉生などが描いた、
色鮮やかな自然の風景や静物の画に囲まれて、心が落ち着く。
特に東山魁夷の、淡い色で描かれた早春の山がいい。

下の階にあるもう1つの展示室へ。
シャープな線の美人画があると思ったら、伊東深水だった。
横山大観、前田青邨、安田靫彦、小倉遊亀。
わずか2部屋に集められたことで、絵の華やかさが濃縮されたようだ。

美術館を出て、時計を見たら午後1時12分。ちょっと時間をかけすぎた。
茶室で一服したかったけど、冬場は日が暮れるのが早い。
後のことを考え、休まずに次の場所へ向かうことにした。

二の丸御殿と、

天守閣の間の道を通り、
掛川城を後にした。

さっき通った道路の1本東側へ。
そこに大手門がそびえ立っていた。
1995年(平成7年)再建。
しっかりとした太い木組みだ。
光の向きの都合で、
いったん門を通って南側から撮影。

隣にある番所は、
1859年(安政6年)のもの。

掛川駅着1時42分。
地下通路を通って南口へ移動。
北口とは対照的に、南口の駅舎はカラフルだ。

こちらでも、駅前の通りをまっすぐ歩いていこう。
高速道路の下をくぐると、武家屋敷を巨大にしたような建物と、
その奥に連なる温室群が見えてきた。

ここが掛川花鳥園。
体が細くなるコノハズクの
ポポちゃんで有名な動植物園だ。

「長屋門」で入場券を買う(¥1,050)。
お客さんが多い。
観光バスで団体さんもやってくる。
受付で、小さなコノハズクが寝ていた。

門と温室の間に池があり、
いきなりたくさんのカモや、

たくさんのペンギンが出迎えてくれる。
数に圧倒される。

温室に入ると、
今度は天井からつり下がった、
色とりどりの花に圧倒される。

次の部屋には、フクロウ、ミミズク、
ハヤブサが並んでいる。
その並びの中に、あのポポちゃんがいた。
思っていた以上にちっちゃい。
15センチくらいだろうか。

細くなるのは警戒のためで、ストレスになるため普段は披露していないが、
それでも、小さな体でせわしなく動くポポちゃんの周りには人が絶えない。
隣にいるココちゃんは眠たそう。
ココちゃんの方が、若干体は大きいけど、年下らしい。

さらにその横に、
泰然自若としたミミズクがいる。

さっきから隣の区画でキーキーという鳴き声が聞こえる。
極彩色のインコがいっぱい飛び回っているのだ。
行ってみた。

コガネメキシコインコたちは、
とにかくよく人に慣れていて、
お客さんの手や肩に気軽に乗ってくる。
白いクジャクバトが、床を歩いている。

部屋の中央には、
こちらも色とりどりのスイレンの花。
“楽園”という言葉がふさわしい、
異世界の空間である。

その隣の部屋には、
クジャクやエボシドリ、ヘラサギなど。

次の部屋にはフラミンゴと、脚の長いセイタカシギがいる。
温室の外に、人が集まっているのが見える。
3時から鷲のショーがあることを忘れていた。

急いで外へ向かう。
3時10分になっていたが、
ミミズクと、大きな白頭鷲の
迫力ある飛行を見ることができた。

屋外には、人が入ってエサをあげられる
エミュー牧場がある。

カモや白鳥が集まる池もある。

さっきの部屋に戻って、
フラミンゴやセイタカシギを撮影。
ここでもフラミンゴやシギやクジャクが、
一般のお客さんのような顔をして
通路を歩いているのがおもしろい。

大きなくちばしを持つ
オニオオハシが人気。

最初の花の部屋に戻ってきた。
キウイフルーツサンデーと、コーヒーまんじゅうを食べてひと休み。
変な組み合わせだけど、まんじゅうだけだとお腹がすきそうだったので。
キウイは近くにある、キウィフルーツカントリーという果樹園の物らしい。
キウィフルーツカントリーJAPANのホームページ

長屋門で、ポポちゃん3連ストラップを購入。
普段の状態、細くなった状態、羽を大きく広げて威嚇している状態の、
3種類のポポちゃんがつながっている。
あと、3種類のインコがつながったストラップも買った。

さっき来たときには気づかなかったが、長屋門の中にも多くのフクロウがいた。
ポポちゃんと同じ、ミナミアフリカオオコノハズクも多い。
ほぼ寝ていた。

掛川花鳥園のホームページはこちら

掛川花鳥園が、想像していたよりずっと楽しくて、感動しながら駅へと戻る。
午後4時30分、掛川駅着。

北口へ回り、
天竜浜名湖鉄道の駅舎へやってきた。
ゲーセンが、この路線の西掛川駅の近くに
2店舗あるようなので、行ってみようと思う。

天竜浜名湖鉄道の列車は、昼間だと1時間に1本しかないが、
午後4時台から毎時2本となる。次の列車は4時52分。
ちょうどいい待ち時間だ。

軽快気動車TH2100型に乗って発車を待つ。
土曜日だが、お客さんには高校生が多い。

発車。夕方の太陽に向かって走る。
左手は東海道本線の線路を挟んで、新幹線の防音壁がそびえる。
やがて右にカーブして東海道本線と分かれ、
1面1線、ホームと屋根だけの掛川市役所前駅に停車。
この駅を発車して川を渡り、4時56分、西掛川駅着。ここで降りた。
ゲーム路銀 ¥995-¥170=¥825


〜掛川市役所前〜
西掛川

西掛川駅も1面1線。
ホームと待合室だけの駅だ。
待合室の柱に、国鉄仕様の
ホーロー縦書き駅名板がついている。

階段を下りて、
駅を外側から撮影しているとき、
町なかに『家路』のメロディーが鳴った。
5時だ。

ゲーセンに向かって歩く。日が暮れてくるとともに、冷たい風が吹きつけるようになった。
このあたりは拓けているようで、車だけでなく、人通りもけっこうある。
ロードサイド店舗も多いが、住宅も割と目立つ。

AGスクエア掛川店に到着。
中はあったかい。

プライズ、プリクラ、キッズもの、レース、ガンシューティング、『太鼓の達人』、
バスケットボール、エアホッケー、ストラックアウトなど。
2階にメダルとオンライン、そしてビデオゲームがあった。
バーチャ5やストIVなどの対戦格闘に、上海、テトリス、ミスタードリラー。

『ミスタードリラー』は、グレートでも2でもなく初代で、
クリアできるかどうか自信がなかったが、ゲーム路銀が今ピンチなのでプレイする。
運良く1000mクリア。これで当座の危機は脱した。
もう1回プレイして、またクリアできた。
残り人数5人からスタートできる設定で良かった。
ゲーム路銀 ¥825+¥1,800=¥2,625

外はすっかり暗くなったけど、
今暖まったから寒くない。
近くのアピタ掛川店へ移動。

2階の一角にあった「ヤッターらんど」へ。
乗り物が多い。あとプライズ、キッズものや、太鼓の達人、アウトランナーズ。
プリクラが1台(厳密に言うと『天真爛漫2』だからプリクラじゃないけど)。
往年の電子ルーレットメダル機、『ピカデリーサーカス』があった。
そしてエアホッケーと、ワニワニパニック。

SNKのMVS(マルチビデオシステム)が2台あった。
メタルスラッグ、マジカルドロップ、パズルボブル、
サムライスピリッツ零、龍虎の拳2、ダンクドリーム。
苦手なゲームと、やったことのないゲームばかりだけど、
せっかくだから、連載記事でも取り上げたことがある『龍虎の拳2』をやってみた。
ユリでジョン・クローリーと戦うが、案の定、勝てずにゲームオーバー。
連載記事で取り上げたから、このゲームが難しいことは知っていたのだが。
ゲーム路銀 ¥2,625-¥100=¥2,525

午後6時半を回った。アピタのレストランで夕食にしよう。
パスタとケーキ。うまかった。
7時11分、アピタを出て西掛川駅に戻ることにする。
ケータイで調べてみたら、次の掛川行きは7時23分発。急いで歩く。
さっきと違う道を通ったので、ちょっと不安だったが、
踏切からさっきの道に合流できて安心した。
駅到着、7時18分。セーフ。23分の列車に乗って、26分掛川駅着。
改札で精算した。(ゲーム路銀 ¥2,525-¥170=¥2,355

ホテルへ向かう途中、JRの木造駅舎の前を通った。
ただ普通に人が出入りするだけで、絵になる駅舎だ。

駅から遠いので今回は立ち寄らないが、掛川にはほかにも見どころがあるようだ。
西側には資生堂企業資料館と、資生堂アートハウス(美術館)がある。
また、東側にはヤマハリゾートつま恋がある。
テニスコート、ゴルフ練習場、カートコース、プール、乗馬倶楽部、温泉、
ホテル、結婚式場などがある大きなリゾート施設で、
かつてヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)や、
吉田拓郎さんをはじめ、多くのアーティストのコンサートが行なわれたことでも有名。
……もっとも、私は今回調べてみるまで、
つま恋コンサートは群馬の嬬恋で行なわれたものと勘違いしていた。

資生堂企業資料館
資生堂アートハウス
ヤマハリゾートつま恋

掛川は宿場町でもあり、『東海道中膝栗毛』にも出てくる。
ここの茶屋で、座頭(目の見えない人)の酒を、北八がこっそり飲んでしまうが、
ばれて酒代を払わされている。

現在のゲーム路銀
¥2,355

今回のルート
1.川越遺跡 2.金谷坂石畳 3.牧之原公園・お茶の郷 5.諏訪原城跡
6.小夜の中山・夜泣き石 7.倉真(くらみ)温泉 8.相良牧之原IC
9.菊川IC 10.掛川IC 11.応声教院 12.ヤマハリゾートつま恋
14.掛川城 15.龍尾神社 16.掛川花鳥園 17.大池公園
18.法泉寺温泉 19.ねむの木村 20.資生堂企業資料館・アートハウス
21.小笠山総合運動公園 エコパ 22.厄除観音 法多山尊永寺

静岡観光コンベンション協会(静岡市・焼津市・藤枝市・島田市)
島田市観光協会  牧之原市観光協会  掛川観光協会
ハローナビしずおか(静岡県)  JR東海  大井川鐵道  天竜浜名湖鉄道
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 132.静岡編(18)」では、
袋井と磐田でいろんな時代の風景を見る。
「日本縦断ゲーセン紀行 130.静岡編(16)」に戻る


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