ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

133.世界の楽器が野面(のづら)積み
〜静岡編(19)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥1,825




浜松

2010年3月16日、午後6時33分、浜松着。
新幹線と在来線の高架がよく見える、動く歩道を通って、ホテルにチェックインした。
今回は日程調整のため、1日だけのゲーセン紀行。

翌3月17日。9時54分にホテルをチェックアウト。
駅のロッカーに荷物を入れ、マクドで朝食。

外へ出た。昨日は日中、
トレーナーも要らないくらい暖かかったが、
今日はまだ寒い。

まず訪れたのは、
浜松市楽器博物館。
世界の珍しい楽器が展示されているらしい。

入口に「休館日:毎週第2・第4水曜日」と書いてあって、一瞬どきっとしたが、
今日は第3水曜日なので開いていた。(入館料¥400)

まず、日本の楽器を展示しているスペースから見てみよう。
録音されたそれぞれの楽器の音を、ヘッドホンで聴くことができる。
雅楽に使われる楽器や、尺八、ほら貝、箏、三味線、太鼓、琵琶など。

テーマ展示コーナーでは、ハモンドオルガンからエレクトーン、シンセサイザーなど、
電子楽器が並んでいた。

続いて、初期国産洋楽器の展示。昔、小学校にあったようなオルガンや、
それよりはるかに古い、明治・大正・昭和初期の小さなオルガン。
明治のオルガンには、「YAMAHA」ではなく「Yamaba」と記されていた。
さらに、初期の国産ピアノも数多く展示されて、
展示室全体が、シックで落ち着いた雰囲気になっている。

1888年(明治21年)、山葉寅楠が浜松に「山葉風琴製造所」を設立。
その後、「山葉楽器製造所」を設立し、オルガンやピアノなどを製造する。
(「日本楽器製造株式会社」を経て、現在のヤマハ)
また、1927年(昭和2年)には、この日本楽器製造から、
「河合楽器研究所」(現在の河合楽器製作所)が独立。こちらも浜松を拠点とした。
両社を中心に、浜松は楽器の街として発展していった。

地下の展示室で、自動ピアノの演奏が行なわれていた。最後の方だけ聴くことができた。

1階に戻る。アジアの楽器を集めた、広いスペースがある。
部屋の中央に並んだ、ガムランの豪華さがまず目を引く。
ほかには馬頭琴をはじめ、モンゴルの楽器が非常に多い。
インドのものも多い。弦楽器のシタールやヴィーナには、凝った意匠が施されている。

バリ島の、聖獣バロンやガルーダが描かれた極彩色の竹琴・ジュゴックに圧倒される。
韓国の楽器も色鮮やか。

数々の国や地域の見慣れない楽器が並び、アジアの広さを実感する。
その一方、それらの多くは弦楽器、笛、太鼓で、
形もよく見ると日本の楽器に似ているものが多く、
これらの国々の文化が、日本とつながっていることも実感する。

浜松市楽器博物館のホームページはこちら

大学生だろうか、若いお客さんの姿を見かけるようになってきた。
シンガポールから来た、やはり学生さんと思われる団体さんもいる。

再び地下へ。さらにいろいろな国の楽器が、広い展示室にぎっしり並べられていた。
バヌアツのタムタムという割れ目太鼓が、柱のようにそそり立つ。
パプアニューギニアの儀式に使われる太鼓は、装飾性豊か。

もちろん西洋の楽器も充実。アドルフ・サックス自身が作ったサキソフォンがあった。
18世紀のリコーダーもある。
弦楽器も、ギター、バンジョー、マンドリン、バラライカなどさまざま。
バイオリンにもいろいろな形のものがある。

正午から、チェンバロの演奏と解説が始まった。
弦をはじく部分は、今ではプラスチックが使われているが、
昔は鳥の羽根、特にカラスの羽根が使われていたそうだ。
チェンバロは音に強弱がつけられないため、
ペダルや鍵盤などに強弱をつけるための仕掛けが施されていた。

展示に戻る。20世紀に作られた、凝った図柄のバンジョーが並ぶ。
アフリカの楽器。ひょうたんのついた木琴・バラフォンや、
バラエティ豊かな太鼓(トーキングドラムもある)、タンザニアのマリンバ。
南米の楽器。マヤ時代の楽器や、やはり豊富な種類の打楽器。
マリンバなどは、アフリカから奴隷として連れてこられた人々により伝わったとされる。
おなじみのマラカス、ギロ、スティールパン(スチールドラム)もあった。

最後に、先ほど自動ピアノやチェンバロの演奏が行なわれていた、鍵盤楽器ルームへ。
18〜19世紀のピアノや、それより古いチェンバロ、オルガン。
時代が下るにつれて、装飾がだんだん落ち着いてきて、
木の色そのままとか、あるいは黒基調になっているのがおもしろい。

午後1時になり、ピアノの演奏・解説が始まった。
ピアノは18世紀初頭に、クリストフォリが発明したものだが、
ここには彼の作ったピアノの複製があり、それが演奏された。
音色はピアノとチェンバロの中間といった感じ。
音の強弱ははっきりつけられるようになった。
クリストフォリ以後、ピアノのハンマーが弦を叩くシステムは改良を重ね、
100年ほど前にほぼ現在と同じ構造になったそうだ。

浜松市楽器博物館のホームページはこちら

楽器博物館を出たのが午後1時22分。いやあ見ごたえがあった。充実していた。
まさかここに3時間近くいることになるとは。

次は、博物館のはす向かいにそびえ立つ、
アクトタワーの45階、
展望回廊へ行ってみよう。

ホテルのロビーから、ホテルのエスカレーターに乗って45階へ。
外が見える。バスロータリーがどんどん遠ざかっていく。
45階到着。しかし、午後1時半で営業が終了していて入れなかった。
事前にネットで調べて、平日は午後6時までやってると確認して来たはずなのに。

ここはなぜか基本的に土日休業で、たまにあいてる場合も営業時間が短い。
だからわざわざ平日に来たのだが。
アクトタワーは、静岡県で最も高いビル。
浜松を代表する観光名所になり得る場所なのに、
こんな営業体制ではどうにももったいない。

もっとも、私は今朝までこのタワーにある
ホテルの41階に泊まっていたので、
南側の景色を見ることはできた。
念のため写真を撮っておいてよかった。

展望回廊からだと今の季節には
多分見られないであろう、夜景も見られた。

とはいえ、北側の景色は見ていないので、
帰りのエレベーターの中から写真を撮った。
真ん中にある
円形のスペースがバスターミナル、
その左の建物が浜松駅。

浜松アクトタワーのホームページはこちら
アクトシティ浜松のホームページはこちら

浜松駅前に戻ってきた。
かなり大きな花壇があり、華やか。

いったん地下を通って、
バスターミナルへ向かう。

午後2時14分発の村櫛行きバスに乗った。
お客さんが多くて座れなかったが、
5分しか乗らないからまあいいか。

2時19分、尾張町で降りた。(ゲーム路銀 ¥1,825-¥100=¥1,725
ここから浜松城を目指す。バス停からどっちへ行ったらいいかわからず、道に迷う。
8分歩いてようやく、浜松城公園の入口にたどり着いた。
目の前に、尾張町の次の、市役所前バス停があった。

浜松城本丸の跡に建つ、徳川家康公像。
浜松城にいた頃の、
壮年期の家康をイメージして造られている。

石を四角く切らずにそのままの形で積んだ、
野面積みの石垣を見ながら階段を上り、

天守閣へとやってきた。
浜松にはもともと、
今川氏の曳馬城があったが、
徳川家康がこの地を攻略した後、
城を大幅に拡張し、
城名・地名を“濱松”と改めた。

家康は1570年(元亀元年)から17年間、浜松城を居城にしていた。
家康が駿府に移り、その後江戸幕府を開くと、譜代の大名が城主を務めた。
その中には、天保の改革で知られる水野忠邦もいた。

天守は1958年(昭和33年)の再建。
入ってみた(入場料¥150)。

城下町の復元模型や、衣装盆・しょく台・行器(ほかい)などの調度品、
陣笠やなぎなた、鉄砲、刀、よろいなどを展示。

三方ヶ原の戦いについての解説があった。
1573年(元亀3年)、侵攻して来た武田信玄に対して、家康は城から打って出るが、
信玄の作戦にはまり、また兵力差もあったため大敗し、命からがら浜松城へ逃げ帰った。
武田軍の山県昌景が追ってきたが、家康はあえて城門を開け放ち(空城の計)、
追っ手の判断を惑わせて引き返させたという。
この後、家康は自分へのいましめとするために、いわゆる「しかみ像」を描かせている。

最上階、展望台の高欄からは、
金網越しではあるが、
浜松城公園や、浜松の街を360度見渡せる。

アクトタワーもよく見える。

天守の内部が、いかにも昭和中期の素朴な復元天守といった感じで、
オリジナルを忠実に再現する最近の復元天守より、むしろ懐かしい感じがした。

浜松城のホームページはこちら

天守閣の周りにある桜の木のつぼみが、かなりふくらんできている。
満開になった頃に、もう1回来ようと思う。

北へ進む。芝生広場や、
風情のある池の脇を歩き、
プールと児童公園の間を突っ切る。

六間道路に沿って左へ行くとすぐ、
マンションの1階に、
ゲームセンター「サンセイブ」があった。

缶コーヒーを買って、飲みながら店内を見て回る。
メダルとビデオゲームが中心のようだ。
MJ4 Evolution、バーチャファイター5、鉄拳6といった最新の機種から、
上海、テトリス、麻雀といった定番もの、懐かしの『ぐっすんおよよ』まで。
1プレイ¥50の台が多い。

『ミスタードリラーG』をプレイ(2プレイ¥100)。
アメリカ面で、それぞれ742m、908m。惜しくもクリアはならず。
ゲーム路銀 ¥1,725+¥700=¥2,425

現在、午後4時14分。すぐ近くに下池川町バス停があるが、
駅に戻るバスが4時36分までないので、とりあえず歩く。
4時22分、浜松城公園入口バス停着。ここは本数がきわめて多い。
28分に来たバスは、この時間帯だけに、学生さんで混んでいた。
35分、浜松駅着。(ゲーム路銀 ¥2,425-¥140=¥2,285


新浜松

遠州鉄道の新浜松駅へ移動。
これから電車に乗って浜北へ向かい、
ショッピングモールにあるという
ゲームコーナーを回ることにする。
遠州鉄道は日中でも12分ヘッドと、
電車の本数が多いので、非常に便利。

向かいのホームに、
古いタイプの電車(30形)が停車していた。
ホームの端からは、
新幹線が横切っていくのが見える。

5時ちょうど発の電車に乗った。2両編成のロングシートはすべて埋まった。
発車してしばらくは高架を通る。右手にアクトタワーが見えている。
第一通り、遠州病院、八幡の各駅で、多くのお客さんが乗ってくる。
助信の手前で、線路が地平に下りてきた。
車窓の風景はビジネス街から住宅街に変わり、降りるお客さんの方が多くなってきた。

馬込川を渡る。東名高速をくぐる。
農地が点在するようになったが、住宅は切れ間なく続いている。
青い凸型電気機関車と、ホッパ車がとまっている西ヶ崎を過ぎる。

5時21分、浜北駅に着いた。
ゲーム路銀 ¥2,285-¥330=¥1,955


〜第一通り〜遠州病院〜八幡(はちまん)〜助信(すけのぶ)
〜遠州曳馬(えんしゅうひくま)〜遠州上島(えんしゅうかみじま)
〜自動車学校前〜さぎの宮〜積志(せきし)〜遠州西ヶ崎〜遠州小松〜

浜北

駅前からまっすぐ歩く。
すぐにショッピングモールの頭が見えてきた。

夕方のやや冷たい風が吹く中、
プレ葉ウォーク浜北に到着。
ゲームコーナーを回ってみよう。
1階に「遊キッズ愛ランド」、
2階にタイトーFステーションがあるらしい。

遊キッズ愛ランドは、ゲームコーナーではなく、小さなお子さん向けの遊び場だった。
2階に行く前に、今日はまだ昼ご飯を食べていないので、
フードコートで浜松名物の餃子を買った。
フードコートの割には椅子が少ない。
餃子にも箸がついていなかったので、手で食べる。うまかった。

2階へ上がる前に店内マップの前を通りかかったが、
よく見るとフードコートは2階で、1階は食品店が集まる「フードハーモニー」だった。
2階のフードコートにも、餃子を出すラーメン屋さんがある。そっちにも行ってみた。
いわゆる浜松餃子とは違い、程よい辛味の効いた餃子。こちらもうまい。

フードコートの隣が、タイトーFステーションだった。
プライズが多い。ほかにキッズ向け筺体、レース、ガンシューティング、
エアホッケー、メダル、プリクラ、『太鼓の達人』。一般的なビデオゲームはなかった。
結局、往復¥660を費やしたのに、ゲーム路銀は稼げず。
でもうまい餃子を食べられたし、遠鉄にも乗れたので満足だ。

外はすっかり暗くなった。6時46分の電車で新浜松に戻ろう。
上り電車は割と空いていて、座れた。
7時8分、新浜松着。(ゲーム路銀 ¥1,955-¥330=¥1,625
ちょっと歩いてJR浜松駅に入り、今回のゲーセン紀行は終了。
うなぎパイを買って、ロッカーから荷物を出して、うなぎ弁当を買う。
ITmedia Gamez「レトロゲームが大好きだ」取材のため、
7時38分発のひかり号に乗って、京都へと向かった。

現在のゲーム路銀
¥1,625

今回のルート
1.浜松城 2.アクトシティ浜松・アクトタワー・浜松市楽器博物館
3.浜松科学館 5.賀茂真淵記念館 6.浜松アリーナ 7.浜松球場
8.浜松IC 9.つみいしづか広場 10.美薗中央公園
11.都田総合公園 12.はままつフルーツパーク

浜松観光コンベンションビューロー  ハローナビしずおか(静岡県)
JR東海  天竜浜名湖鉄道  遠州鉄道
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 134.静岡編(20)」では、
浜松城の桜を愛でる。
「日本縦断ゲーセン紀行 132.静岡編(18)」に戻る


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