ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

25.シェーをする小池栄子像
〜青森編(3)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで\5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は\100ずつ増える。
(ただし、1プレー\50円のゲームなら\50ずつ、1プレー\200なら\200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 \4,020


青森

2003年11月8日。
駅前から伸びる新町通りに、遮光器(しゃこうき)土偶が立っていた。
マクドナルドで朝食。
その後、9時29分発「免許センター前」行きのバスに乗る。

緑色のバスに乗ったお客さんの大半は、途中の病院までに降りていった。
私は終点の一つ手前まで乗る。9時55分、目的地に到着。
(ゲーム路銀 \4,020-\330=\3,690

三内丸山遺跡である。

昨日パンフレットで見て、初めて知ったのだが、
遺跡のエントランスになっている、この「縄文時遊館」、
実は2002年にできたばかりの、新しい建物だ。
縄文時遊館も、遺跡そのものも、
入場無料というのが素晴らしい。

三内丸山遺跡は、もともと江戸時代からその存在を知られている遺跡だったが、
1993年、野球場を造ろうとして発掘調査をしたところ、
それまでの常識を超える数の出土品が出てきて、
ここが縄文時代の大集落の跡地だということがわかり、
遺跡を保存することになったという。

遺跡を見る前に、まずは時遊館内にある「縄文シアター」の映像を見て予習。
ここにあった集落は、広さ35ヘクタール、約1,500年にわたって存在していたそうだ。
新潟のヒスイ、北海道の黒曜石、岩手のコハク、秋田のアスファルトなども出土していて、
広い地域との交易が行われていたことをうかがわせる。

「時遊トンネル」を通って、いよいよ遺跡へ。
紅葉がきれい。

遺跡の中にも、展示室が設置されていた。
漆が塗られた道具。栗を育てていた形跡。
縄文中期、紀元前3,500〜2,000年のものなのだが、
意外に進んだ文明を持っていたようだ。

屋外で現在公開されているのは、
大型掘立柱建物跡、竪穴住居跡、
石器や土器などの廃棄物が積もった盛土、大人と子供の墓の跡など。
さまざまなタイプの竪穴住居が、もとあった場所の近くに復元されている。
団体さんが来ているときはにぎわい、それ以外のときは静か。

大型掘立柱建物。
実際の柱穴がこの近くにあって、
直径が2メートル、深さも2メートルある。
今では三内丸山のシンボルタワー的存在だが、
実際のところ、これだけの高さの柱を、
どのように使っていたかについては諸説あって、
復元されたこの形も、仮にこう作ったという感じだそうだ。
今後研究が進めば、形が変わってくる可能性もある。

隣に写っている竪穴住居は、長さ32メートルもある大きなもの。

時遊館に戻り、「縄文ギャラリー」へ。
横40メートルの壁面が、まるまるスクリーンになっている。
イメージ映像的に映し出される、縄文時代の景色に圧倒される。
また、室内にある「冒険ライブラリ」では、
「縄文人の言葉やファッション、生活の様子をテレビゲーム感覚で楽しく体験できます」
と書いてあったが、
本当にモニターからゲームパッドが延びているのには驚いた。
しかもこのパッドがメガドライブ仕様。
しかも6つボタン。
実際に使うのはAボタンとBボタンだけ。

内容は、縄文時代の暮らしにまつわる事柄
(料理、狩猟、祭事など)を題材にしたミニゲームをプレーし、
クリアーしたらその事柄についての解説が見られるというもの。
こういうのって、もしゲームのメーカーが作ったら、
かなりおもしろいものができるんじゃないだろうか?
ちょうど今、ミニゲーム集のブームが来てるし、
任天堂あたりが作って、一般に販売したら、売れると思う。
名づけて『メイドイン縄文』

同じ形で、いろんなジャンルの学習ソフトを作れば、
プログラムは使い回しがきくし、テレビゲームのイメージも良くなると思う。
……もっとも、プレイステーションの初期に、その手のソフトがかなり出たけど、
(英語の鉄人、ゲーム日本史、ライフスケイプなど)
あんまり売れてなかったような。
でも、『桃太郎電鉄』だって、学習ソフトといえないこともないわけで、
作りかた次第では、おもしろくてためになるゲームができそうな気もするけれど。

三内丸山遺跡のホームページはこちら。

館内のレストランで昼食。
どうせなら青森名物をと思い、海鮮丼とリンゴジュースを注文。
我ながら変な組み合わせにしてしまったと思うが、
私はこういうの平気で食べられるタイプ。

おみやげも買って、12時40分、時遊館を出る。
バス停で、駅まで戻るバスの時刻を確認。
……1時15分!
はいバーック。時遊館にバーック。
確かに、こういう所に来る人って、たいてい車か観光バスだろうけど、
それにしても路線バスの本数がちょっと……。
まあ、ゲーセン紀行でなかったら、タクシー使えば済む話なんだけど。

テラスに上るなどして時間をつぶす。
1時10分にバス停に出てみたら、……待ってる人が20人もいた。
バスに乗り、混雑状況に応じて、座ったり立ったりしているうちに、
1時42分、青森駅に到着。
(ゲーム路銀 \3,690-\330=\3,360

次は棟方志功記念館へ行こう。
バスは1時55分に、……本日運休かあ。
その次は2時10分。このうえ20分以上待つのも何だし、
別のバスで手前の「堤橋」に行って、そこから歩くという手もあるが、
それだとかえって着くのが遅くなりそうだし、どうしよう?
……と迷っているうちに20分以上経過し、バスが来てしまった。
素直に乗って、2時26分着。車内は混んでたので座れず。
(ゲーム路銀 \3,360-\190=\3,170

赤く染まった庭園の、脇を通って記念館へ。
入館料\300。
昨日アスパムで手に入れた「観光手形」を受付で見せたら、
絵ハガキを1枚いただいた。

棟方志功記念館は、板画家・棟方志功
(棟方氏は「版画」ではなく「板画」と表記した)
の文化勲章受賞(1970年=昭和45年)を記念して建てられた。
1975年(昭和50年)に開館したが、
残念ながら棟方氏本人は、その2ヶ月前に亡くなっている。
鉄筋コンクリートだが、校倉(あぜくら)造りを模している。

棟方氏本人の意向により、展示室は2部屋のみ。
年4回の展示替えで、所蔵作品を順次公開している。
サンパウロ・ビエンナーレで版画部門最高賞を受賞した『釈迦十大弟子』、
ベネチア・ビエンナーレで国際版画大賞を受賞した『柳緑花紅頌』などが展示されていた。
私も棟方氏の意図に沿って、
ひとつひとつの板画をゆっくりと、時間をかけて、
時々いすに腰掛けながら鑑賞する。
というか、足が疲れていたので、ゆっくり鑑賞せざるを得ない。

棟方志功の板画や倭画(やまとえ)といえば、強烈な個性があるというイメージがあり、
事実そのとおりなのだが、
こうして複数の作品を見ていくと、その“棟方らしさ”が底流にありながらも、
また作品ひとつひとつが、それぞれ違った個性を持っているように思える。
『般若心経板画柵』はユーモラスで親しみやすいし、
『釈迦十大弟子』は、やはりユーモラスながらも威厳が感じられる。
『鷺畷(さぎなわて)の柵』には、エッシャーに通じる光と影の対比がある。
『空海妃図』の顔は、おとなしくて柔和。
結局、3時半を少し回る頃まで、1時間ほど滞在した。

棟方志功記念館のホームページはこちら。

通りかかった「平和公園」という所の紅葉が
鮮やかだったので撮影。

棟方志功の画に基づいて作られた
「天宇受売命(あめのうずめのみこと)之像」。
地元では「シェーをしている銅像」として有名らしい。
顔が小池栄子さんに似ているような気がする。

この公園は、もと東北本線の浦町という駅があった場所だそうだ。

で、ここからは「鉄道廃線跡を歩く」
東北本線の旧線跡に沿って歩き、次の目的地へ向かうことにしよう。
平和公園から南西に、細長い公園が続いている。
耳をすますと、貨車の連結作業の音が。
……と思ったら、マンション建設工事の音だった。

廃線跡はまだ続いているが、私は途中で右に曲がって、
観光通り(国道103号)を南へ進む。
歩道橋の階段を上がって、八甲田大橋へ。現在の東北本線を越える。
ほどなくして、見えてきた建物がセガワールド青森。
今日もいっぱいゲームをやって、ゲーム路銀を稼ぐとしよう!

と、その前に、セガワールドの向かいにある
この妙な建物が気になったので、行ってみた。

サンロード青森。
入ってみると、思っていたよりかなり大きい。ジャスコも入ってるし。
傾いた建物は、サンロード青森のほんの一部分。
「アミューズメントアムゼ」というゲームコーナーだった。
広い店内には、プライズ、メダル、シール(プリクラ)に、
音ゲー、格闘ゲームまで目白押し。
吹き抜けの天井付近には、小さな飛行船まである。まるで試合後の東京ドーム。

セガワールドへ行く前に、まずアムゼのほうでゲームをやってみよう。
初めて見るゲームだが、青森ということで『三味線ブラザーズ』をプレー。
画面の指示どおりに、棹の上・中・下を握ってバチを叩くゲーム。
『ギターフリークス』の三味線版といったところか。
かんたんモードで3曲クリアー。1プレー\100設定になってたので、-\100+\300。
もう1回、今度はふつうモードでプレーして、
『六甲おろし』『亜麻色の髪の乙女』『まつり』の3曲クリアー。
難度が適度でおもしろい。ゲームに慣れてない人でも入り込みやすいかも。

ゲーム路銀を稼げるゲームを、と思って、『バーチャファイター4 Evolution』にトライ。
5セットマッチ設定。サラでプレーして、また5面のサラに負け。
何でいつも同キャラ対決に負けるかなぁ。
(ゲーム路銀 \3,170+\700=\3,870

続いてセガワールドへ。
現在5時20分。夜になっている。
セガワールドの建物の真上に、きれいな満月が輝いていた。

こちらは入口からプライズ、レースもの、奥にメダルという構成。
ほかは対戦ものが多く、格闘ゲーム、『アヴァロンの鍵』、『セガ四人打ち麻雀MJ』と、
ゲーム路銀を稼ぐには不利なゲームばかり並ぶ。
『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』も、1ステージが長いし。

『ミスタードリラー2』をプレー。
『G』でホリンガーを使っている私には、『2』はちょっと厳しい。880mで終了。
対戦格闘ゲームの中で唯一、通信対戦台になってない『闘婚 新豪血寺一族』を。
初めてやるゲームだが、6面クリアーできた。プリンセス・シシー(の箱)に負ける。
初めてでもドリームマインドブーメランとドリームターンアタックで、
けっこう勝てる親切設計か。
もう一度『ミスタードリラー2』。今度は1000mクリアー。
700mまでノーミスだったのが大きかった。
(ゲーム路銀 \3,870+\2,100=\5,970

6時20分。まだ少し早いし、さっき『SNK VS CAPCOM 2』のデモ画面で、
ねぶたの巨大人形灯ろうステージが見えたのも気になるが、
函館の「バス終わってて1時間半歩き」アンド
「電車逆方向に乗って湯の川温泉行き」が頭をよぎったので、
バスがあるうちに引き上げることにする。

6時32分に来た、青森駅行きのバスに乗る。
途中から選挙カーを追いかける形になり、立候補者の名前を100回くらい聞いた。
明日は衆院選。
6時41分、県庁前で降りてホテルへ歩く。12分後にホテル着。
(ゲーム路銀 \5,970-\200=\5,770
夜は津軽あいや節やじょんから節、津軽三味線を聴きながら、
郷土料理のじゃっぱ汁などを食す。

現在のゲーム路銀
\5,770

今回のルート


青森市観光情報サイト
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