ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

28.白い鳥と青い森
〜青森編(6)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで\5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は\100ずつ増える。
(ただし、1プレー\50円のゲームなら\50ずつ、1プレー\200なら\200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 \7,480


八戸

2004年4月3日。今日は八戸からスタート。

ホテルの窓の外は、雪景色になっていた。
悠久の碑も人魚の像も、雪をかぶっている。
ただし幸い、現在は雪も雨も降ってない。

今日はまず、八戸の観光スポット、蕪島(かぶしま)を目指す。
8時57分の列車は八戸始発でなく、南のほうから来たもので、
既にお客さんがけっこう乗っている。座れず。まあ本八戸で空くだろう。

案の定、本八戸で7割がたの人が降りたので、無事座れた。
のんびりローカル線の旅を楽しもう。
本八戸を出ると車窓左手に、セガワールドなど国道45号線沿いの店の看板が林立し、
ラピアも通り過ぎる。
次の駅が、昨日たどり着けなかった小中野なのだが、その前に
貨物用支線らしきものが、左に分岐している。
昨日はこれを本線と間違えて、道に迷ったのかもしれない。

川を渡り、高架から地上へ。陸奥湊駅到着。
上り列車とすれ違うため、少々停車。
駐車場に魚が干してある。

次の白銀駅で、またかなりの人数が降りた。
スポーツで有名な光星学院のジャージを着た、男子学生の姿もある。
白銀を出ると、左に工場や倉庫が並び、ほどなくこの列車の終点、鮫駅に着く。
駅に入る直前、左手にようやく海が見えてきた。9時29分着。

〜長苗代〜本八戸〜小中野〜陸奥湊〜白銀(しろがね)〜

!  !  ! 
昔、こんな名前のゲームがあったなあ……。

鮫の駅舎はこんな感じ。
八戸線はこの先、久慈まで続いているが、
鮫から先は列車の本数が少なくなる。
ゲーム路銀 \7,480-\230=\7,250

駅前に、8620型SLの動輪がある。

踏切を渡り、魚市場の裏にさしかかる頃、ウミネコの声が聞こえてきた。

さらに進むと漁港に出た。背後に蕪島が見えるのだが、
その姿を見て思わず息をのんだ。
写真ではわかりにくいが、
島じゅうに白い斑点がびっしりとついている。
その斑点の正体は何かというと、

ウミネコだ。
島に近づくほどに、ウミネコの声は大きくなり、
しかも絶え間なく聞こえるようになる。

現在、島までは道路がつながっていて、
車で乗りつけることもできる。
車が1台、ウミネコに囲まれて、出られなくなっていた。

ここ蕪島は、ウミネコの繁殖地として有名だ。
人里に近い場所に繁殖地があるのは珍しく、
天然記念物に指定されている。
ウミネコは2月下旬から来島し始め、4月下旬に産卵、
1ヶ月で子供が生まれ、7月に島を去っていく。
ウミネコは魚群の位置を知らせてくれるため、
昔からこの地の猟師さんたちに大切にされている。

現在でもウミネコは保護されており、
蕪島では、神社とその参道以外に、人間は立ち入ることができない。
そのため今の季節、ここに集まるウミネコは4万羽に達するという。
本で読んで、知ってはいたけれど、実際に見ると壮観である。
ウミネコが目の前を横切って飛んでいくこともしばしば。

これだけの数のウミネコを目の前に、
かなりちゅうちょしたが、意を決して、
島のてっぺんにある厳島神社へお参りに行ってみる。
参道の石段の下に、ビニール傘が置いてあった。
もちろん、フンを避けるための傘である。1本借りよう。

参道のそこかしこで、ウミネコがデート中。
人が来ても逃げないので、写真は撮りやすい。

厳島神社に参拝。
4月第3日曜日の「蕪嶋まつり」で使われる、
ウミネコの飾りがついたおみこしがあった。

エサをまく人がいると、
ウミネコが反応して一斉に声を上げ、大騒ぎになった。
ちなみにエサは、下の売店で売られている。

社殿を回りこんで奥に進むと、岩場の向こうに太平洋。
この素晴らしい景色を、ウミネコたちと一緒に楽しむ。
左写真の白い斑点が、全部ウミネコである。

とにかくおもしろい。
間近でこんなにたくさんの鳥を観察できる場所なんて、珍しいだろう。
いっぱいいるけど襲ってこないし、意外にフンも落ちてこない。

楽しい蕪島を後にして、さらに海岸沿いを歩いた。
ウミネコの声は遠ざかり、かわって波音が響く。
まだ水も冷たいだろうに、サーフィンしている人がいた。

見ているだけで寒くなってきたので、
近くにある八戸市水産科学館「マリエント」で暖をとる。
ついでに3階の展示室も見学。(\300)

室内はかなり新しくてきれい。
大きく4つのブロックに分かれており、
1つは地元特産のイカにまつわるあれこれがわかる「イカパラダイス」。
イカの寿命が1年程度とは知らなかった。

11時から上映が始まる「ウミネコシアター」へ。
八戸えんぶり、蕪嶋まつり、八戸三社大祭、イカ漁などの様子を、
3Dメガネを使った立体映像で紹介。

八戸の漁業の歴史をまとめた「海のまち八戸」を見て、
最後のブロックは「ウミネコアイランド」。
ウミネコの巣作りから、ヒナの巣立ちまでが、日記形式で説明されている。

そのほかに、タコ、ホヤ、オオカミウオ、ハリセンボンなどの水槽もあった。
中央には大水槽もあるが、今日は水質調整中とのことで、残念ながら魚は不在。

4階・5階は入場無料。
サメ、亀、タツノオトシゴなどの水槽あり。

展望室もある。蕪島のほうを眺めるとこんな感じ。
晴れていれば、八甲田山や、下北半島まで見えるらしい。

朝からご飯を食べるタイミングを逸して、トッポしか食べていなかったので、
展望レストランで天ざるを食べる。
さすが漁港の町、エビやイカは天ぷらにしてもうまかった。

さらに東へしばらく歩き、
葦毛崎展望台へやってきた。

岩にぶつかる白い波頭。

南に5キロほどの所に、種差(たねさし)海岸がある。
天然の広い芝生があり、夏場は海水浴でにぎわうという。
ここからだと、さすがに見えないが。

また、西に目を転じると、森の奥に鮫角灯台が、
ちょこんと頭だけのぞかせていた。
このように、強い風さえ我慢すれば、なかなかの眺めだ。
ただし、マリンピアからここまでの道には歩道がなく、
しかも車も頻繁に通るので、
徒歩で行くのはおすすめしない。

展望台からの帰路、歩くこと34分。鮫駅に戻ってきた。
現在、午後1時24分。
駅の中には大勢の人がいた。それもそのはず、次の上りが1時34分。
運が良かった。これに乗って八戸駅へ引き返そう。

白地に赤いラインの列車が、八戸方面からやってきて乗客を降ろし、
折り返し八戸行きとなる。
車内はけっこう人が多かったが、何とか最後まで座っていられた。
八戸駅前に朝積もっていた雪は消えていた。1時56分、終点の八戸駅に到着。
ゲーム路銀 \7,250-\230=\7,020

向かいのホームに、青い森鉄道の車両が止まっていた。
この電車は3分後の1時59分発。
次の目的地に向かうため、すかさず乗り込んだ。

東北新幹線が八戸まで延伸開業したのと同時に、
盛岡−八戸間は東北本線から切り離されて、第三セクターとなった。
青森県側が「青い森鉄道」、岩手県側が「IGRいわて銀河鉄道」と、2社に分割されている。
次の私の目的地は、両社の境界となる目時駅。
多分ゲーセンはないだろうけど、興味があったので行ってみることにした。

青い森鉄道のホームページはこちら。

北高岩駅に停車中、
馬淵川(まべちがわ)を越える新幹線の高架が見えた。
地上にはまだ雪が残っている。

苫米地、剣吉と、左が広大な田地、右が山並みといった風景が続く。
電車のドアは、ボタンを押して開けるタイプのものなので、
乗降客のいない駅では、とても静か。

線路が川に沿って敷かれているため、何度も馬淵川を渡る。
ときどき、貨物列車とすれ違う。
第三セクターの青い森鉄道にとって、貨物の通行料は大事な収入源だろう。
やがて、右側には場外舟券売場「ボートピアなんぶ」が見えてきた。
さらに川を渡って、三戸駅に停車。
……この電車の終点である。

八戸〜北高岩〜苫米地(とまべち)〜剣吉(けんよし)〜諏訪ノ平〜
三戸

2時21分、三戸駅着。
八戸行きの切符しか持っていなかったので、ここで精算する。
ゲーム路銀 \7,020-\550=\6,470
やっぱり三セクなので、ちょっと高い。
だから昨日は、道に迷ってもタクシーを使わなかったのだ。

駅前の風景はこんな感じ。
目指す目時はこの駅の隣。
しかし電車が来るのは、1時間以上後の3時32分。
青い森鉄道のパンフレットがあったので見てみたが、
三戸町内の観光名所は、
城山公園も、長谷ぼたん園も、歩いて行ける距離ではなさそう。
駅でおとなしく電車を待つ。

駅舎内の壁に、ずらりと並んだ風景写真がどれもきれい。
なかなかこううまくは撮れないものである。
今日は朝からずっと曇っていたのだが、気がつくと外は明るくなり、太陽が顔を出している。
3時25分頃、ホームに出た。まだ寒かった。
トタン屋根を雪解け水の流れる音がする。

青い森鉄道の電車に乗って出発。
また川を越え、建設中のつり橋をくぐり、トンネルに入り、
川を渡ってトンネルに入って、出てくるとそこが目時のホームだった。
3時37分着(ゲーム路銀 \6,470-\250=\6,220)。

目時(めとき)

2つの会社の境界駅だが、無人駅。
普通の境界駅で見られるような、運転士の交代もない。
鳥のさえずりと、時計の音しか聞こえない。

次の上り電車は4時45分。また1時間待ち。
暇なので、駅前からまっすぐ伸びている道を歩いてみる。
広い道で、歩道も確保されており、歩きやすい。

国道4号線に突き当たった。さすがに交通量が多い。
ここでまた雪が降ってきた。特に何もせずに、来た道を引き返す。

帰りの景色がけっこうきれい。
4時27分、駅に到着。疲れた。

4時30分発の下り八戸行き電車がやってきて、そして出て行った。
親子連れが待合室を通り抜けていくと、また静かになる。
雪のせいか、鳥もさえずらなくなり、もう時計の音しかしない。

ホームに出る。雪は本降りになってきた。
IGRの電車がやってきた。青い森鉄道と同じ車両だが、カラーリングが微妙に違う。
駅を出てすぐ川を渡り、トンネルへ。
トンネルを抜けたその先は、岩手県だ。

スタートから3県め、岩手県に到達!

左手に馬淵川が並走。新幹線の高架が上をまたぐ。
座敷わらし伝説が残る金田一温泉。この駅から、駅名標にIGRのロゴが入る。
ここを過ぎると、住宅地が続く。左に国道4号線が並んでいるのだ。
右から新幹線の高架が近づき、地平に降りてきた辺りが斗米駅。
左はショッピングセンター。
右側が丘になっていて、新幹線はまたトンネルに入って、出てくる。

4時57分、二戸駅で下車した。
ゲーム路銀 \6,220-\360=\5,860

IGRいわて銀河鉄道のホームページはこちら。

〜金田一温泉(きんたいちおんせん)〜斗米(とまい)〜
二戸

さすがに新幹線が止まる駅だけあって、でかい。

駅に隣接して建てられた、「カシオペアメッセ・なにゃーと」。
高さ50メートルの展望タワーに上って、景色を見てみよう。

タワーの上から見ると、
二戸が山に囲まれた土地だということがよくわかる。
駅の背後の山には、岩肌の露出した、
「大崩崖」(おおほうがけ)とよばれる崖が続いている。
このタワーから新幹線とIGRの線路が、
俯瞰で眺められるのもおもしろい。

「なにゃーと」にはタワーのほかに、
イベントホールや物産センター、観光案内所などがある。
観光案内所で近隣自治体のパンフレットを入手。
カシオペアメッセ・なにゃーとのホームページはこちら。

今日は、ちょっと早いけどここで終了としよう。
ホテルが八戸なので、6時19分発のIGRで帰ることにする。
少々早めに来た電車は、貨物列車の通過を待って発車した。
外は間もなく暗くなった。車内でパンフレットを見ていたが、そのうち寝てしまう。
6時58分、八戸駅着。

夕食は八戸ラーメン。
細ちぢれ麺に、油の少ないあっさりスープ。ヘルシーで個性的。
駅売店に『週刊ファミ通』第800号が置いてあったので、
買ってホテルの部屋で読んだ。
こないだの「ファミ部Night」を思い出す。
ファミ部の皆さん、岡本吉起さん、その節はお世話になりました。

現在のゲーム路銀
\5,860

今回のルート


八戸市観光課  三戸町のホームページ  二戸市のホームページ
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 岩手編(1)」では、
新しい新幹線駅の周辺を観光!
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