ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

36.雨にけむる北上川
〜岩手編(8)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで\5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は\100ずつ増える。
(ただし、1プレー\50円のゲームなら\50ずつ、1プレー\200なら\200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 \4,050



2004年10月31日。
今日は電車の時間が9時39分なので、
少しゆっくりめに起きる。


花巻

北上から花巻へ。
思っていたより混んでいて、座れなかった。
花巻駅着9時50分。今回はここ、花巻からスタートする。

駅前の「風の鳴る林」。
30分ごとに、姫神のオリジナルBGMが流れる。
そういえばここへ来る少し前、
姫神の星吉昭氏が亡くなったのだった。
合掌。

岩手軽便鉄道時代の駅跡地にある「なはんプラザ」で、
銀河鉄道を題材にしたからくり時計が動く。
現在、10時ちょうど。

国道4号線沿いにあるはずの、2つのゲームセンターのうち、
北にあるほうへ行ってみようと思う。
バスの時刻をチェックして、不便だったら行かないつもりだったが、
バスは30分に1本あった。花巻空港へ行くルートだったのだ。

10時14分のバスに乗り、4つめの似内(にたない)で下車する。
ゲーム路銀 \4,050-\220=\3,830)。
JR似内駅とは別の場所にある。
確かに国道4号線沿いなのだが、ゲーセンは全然見あたらない。
降りしきる雨の中、国道4号をひたすら北へと歩く。
そしてもうあきらめかけた、2つ先のバス停・石持で、

やっと見つけた。
「DEPTH」。
あれ? 事前に調べていたのとは違う名前だけど。

ここはビリヤードやカラオケもある、複合アミューズメント施設だった。
ゲームは、プライズものや大型筐体、『麻雀格闘倶楽部』、
そしてビデオゲームも多い。ただし、対戦格闘ものがメインで、しかもけっこう人がいる。
今ここで対戦格闘ものを始めたら、即座に乱入されるかもしれない。

……なので、『麻雀桃太郎』という麻雀ゲームをプレー。
リーチ。流局。テンパイ。……あれ、終わり?
リーチ棒を出したため、持ち点が0になっていたのだ。
ゲーム路銀 \3,830-\100=\3,730)。
帰りのバスの時刻を考えて、これでこの店を出る。無駄足になったがしようがない。
これ以上やると、マイナスがさらに増えそうだから。

11時9分のバスに乗る。
「このバスは、花巻駅前を経由して、北上駅前にまいります」
そうだ、これに乗っていれば、南側のセガワールドまで行けるんじゃないか?
行ってみる。

花巻駅を通り過ぎて、瀬畑口で下車。
ゲーム路銀 \3,730-\400=\3,330)。
計算どおり、セガワールド花巻が目の前だ。

1階はプライズと大型筐体、2階はメダルゲームが中心。
ビデオゲームは1階の奥にあった。『ムシキング』の人気が高い。
『バーチャファイター4 Final Tuned Ver.A』をやってみる。
初見だけど、『バーチャファイター』シリーズには慣れているから、何とかなるはず。

6面クリアーし、7面のカゲに負ける。
再プレーして、今度は6面のパイに負け。
手数の多いキャラに弱かった私。
ゲーム路銀 \3,330+\900=\4,230)。

雨は上がった。
瀬畑口バス停前に着いたのは12時8分。
次のバスは、……12時53分。
しまった。12時3分が出たばかりだった。
……歩けるところまで歩いてみよう。

宮沢賢治の生家の跡地を通る。
商店街だし、別のバス路線が合流しててもおかしくないが、
バス停の時刻表を見ても、その気配はなし。
そのうち、道に迷ってしまった。

途方に暮れていたとき、たまたまバスが来た。
たった今通り過ぎたばかりの大町バス停まで走って戻り、
12時35分、バスに乗ることができたのだった。
40分、花巻駅に到着。歩いて大正解だった。
ゲーム路銀 \4,230-\140=\4,090)。
もっとも、結局、朝の時点から\40しかプラスになってない。
朝から北上に行っていたほうが正解だったかも。

12時48分発の一ノ関行きがある。急いで切符を買って、2番線まで移動する。
701系2両編成。ロングシートは全部埋まっていた。
発車してすぐ川を渡ると、線路はひたすらまっすぐに。
左手にさっきのセガワールドが見える。間もなく家はまばらになり、田畑が広がる。
村崎野駅は製材所前。左に材木、右には工場。
再び田地になるが、すぐに住宅地に変わる。

右にさくら野百貨店が見え、左に新幹線の高架が見え、
そして北上駅に着いた。
12時59分着。
ゲーム路銀 \4,090-\230=\3,860


〜村崎野〜
北上

新幹線も停車する、大きな北上駅。周辺にホテルが多い。
北上線が西に分岐し、「ほっとゆだ」駅で有名な湯田温泉を通って、
奥羽本線の横手まで続いている。
また北上市の西端には、夏油(げとう)温泉という温泉郷もある。

駅西口前のポストに、伝統芸能・鬼剣舞(おにけんばい)の面が乗っている。
世界各地の鬼に関する資料が展示される「鬼の館」という資料館もあるが、
駅からは遠い。
ちなみに、北上の鬼には角がない。

北上川を渡ったところにある、北上展勝地に行ってみよう。
バスがあればいいのだが、あいにく本数が少なく、次が1時40分。
歩いて行く。

東口の前に、鬼剣舞のモニュメントがある。
再び降り出した雨の中を歩く。

北へ歩くこと20分。珊瑚(さんご)橋という橋を渡る。
それにしても北上川は広い。

対岸の北上展勝地にやってきた。桜並木の中を歩く。
本来は桜の名所で、オンシーズンは春なのだが、
秋の景色もなかなかのものだと思う。

桜並木を愛でつつ、今度は南へ20分歩く。
姿を現したのは、ラッセル車と、蒸気機関車C58。

その向こうに、「ひらた船」が復元されている。
かつて北上川の水運に活躍した船だとか。
帆船だが、このように帆柱を折りたたむこともできる。
さらに向こうには、展勝地レストハウスがある。

サトウハチロー記念館へ行く。
もとは東京都文京区にあったが、最近移転したそうだ。
(入館料\300)

私はサトウハチローさんをぎりぎり知らない世代なのだが、
(私が2歳のときにサトウ氏は亡くなっている)、
『ちいさい秋みつけた』『悲しくてやりきれない』『かわいいかくれんぼ』
『うれしいひなまつり』『りんごの唄』
といった歌が、全部サトウ氏の詩だと知り、驚いた。
さまざまなジャンルの歌に詩を書き、さらに童話やラジオドラマなども書いていたそうだ。

記念館には、仕事場の部屋が再現されているほか、遺品やレコード大賞の盾、
勲三等瑞宝章の勲章などを展示。
ユニークなエピソードも多く、私が物心つくまで生きててほしかったと思う。

サトウハチロー記念館のホームページはこちら。

丘を上って、みちのく民俗村へ向かう。

みちのく民俗村は、1992年(平成4年)にできた野外博物館。
北上川流域の古民家や、歴史的建造物が復元されている。
(入場料\300)
チケット売り場も江戸時代末期の商家(旧今野家住宅)。

入ってすぐの所に、北上市立博物館がある。これは1973年(昭和48年)からあった建物。
ここで北上市周辺の歴史を勉強できる。
なぜか入口に白蛇がいる。

そして、建造物保存エリアへ。旧菅野家住宅は、国の重要文化財。
奥へ進むと、南部藩と伊達藩の境界を示す塚が残っていた。
黒沢尻高等女学校の建物は、ここにある中では新しい洋風の建物だが、
それでも1927年(昭和2年)のもの。
内部は民俗博物館となり、さまざまな民具が展示されていた。

実に7万平方メートルもある、
広い広い敷地の中に、
江戸・明治期のかやぶき民家が、
景色にとけこむように配されている。
(写真は明治後半の民家、旧菅原家住宅)

北上市のサイト内にある、北上市立博物館・みちのく民俗村の紹介ページ

みちのく民俗村から北へ歩いて、
坂道を上り、利根山光人記念美術館へ(入館料\150)。
ここは午後4時閉館で、もう閉まりかけていたが、
特別に入れていただいた。
なお、12月から3月までは休館となる。

利根山光人(とねやま・こうじん)氏は、茨城県出身の画家で、
晩年、この場所にアトリエを構え、鬼剣舞や鹿踊りを題材にした作品を多く描いた。
この美術館では、抽象画や、佐久間ダム建設を描いたスケッチ、
そして鹿踊り、鬼剣舞をダイナミックに描いた作品が鑑賞できた。
北上市のサイト内にある、利根山光人記念美術館の紹介ページ

さて、その利根山光人氏の壁画も飾られている、北上駅へ戻るとしよう。

珊瑚橋を目指して北へと歩く。
すっかり雨も上がって明るく……、あっ、
美術館に傘を忘れてきた!

美術館に電話。幸い、まだスタッフのかたがいらっしゃったので、
今来た道を逆戻りして、坂道を上り、利根山光人記念美術館へ。
傘は、傘立てにささったままだった。
美術館を出て、忘れ物に気づいた地点に戻るまで、往復16分のタイムロス。


それからちょうど30分。4時55分に北上駅へ着いた。
今日はこの後、2つ先の金ヶ崎駅で降りて、駅前にあるというゲーセンに行くつもり。
時刻表を見る。上り電車は、……4時56分。もう出てしまった。
次は、……5時57分。
東北本線とはいえ、北上から先は、列車本数が減っているのだ。
傘さえ忘れなければ、4時56分の電車に間に合ったのに。

今日は東京へ帰らなくてはならない。
5時57分の電車に乗って金ヶ崎へ行き、戻って北上から8時38分の新幹線に乗れないこともないが、
東京に着くのがかなり遅くなってしまう。
今日はここまでにして、5時54分のやまびこで東京へ帰ろう。

その前に、今朝ロッカーに預けた荷物を取らなければ。
ロッカーは西口、今いるのは東口。
……地下道をもうひと歩き。

利根山光人氏の壁画は、西口(在来線口)にある。

禁煙席の切符が取れなかった。
混雑する中で窮屈な姿勢になると、また具合が悪くなりそうなので、
普通指定席でも自由席でもなく、グリーン席の切符を買う。
\4,000の追加出費。これはゲーム路銀から引かれないから、まあいいか。
売店で、前々から気になっていた、
「新幹線トレインジャー」テーマソングのCDを買う。

やまびこ66号は、はやてを通過させた後、発車。
車内で前沢牛めし弁当を食べる。考えてみれば、昼ごはんも食べずによく歩いたもんだ。

福島あたりから寝て、気づいたらもう上野駅だった。
午後9時ちょうどに東京駅着。

現在のゲーム路銀
\3,860

今回のルート


花巻観光協会(旧東和町含む)  花巻市観光課  北上市観光協会  JR東日本盛岡支社
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 37.岩手編(9)」では、
大河ドラマの世界にタイムスリップ?
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