ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

46.菊人形とニコニコ共和国
〜福島編(2)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥5,070



2005年10月8日。午前7時起床。
福島駅のNEWDAYSでおにぎりを買って、待合室で食べる。

8時38分発の黒磯行き701系に乗車。
4両編成だが席は空いてない。
一見6両編成に見えたが、
後ろの2両は下りの藤田行きだった。

今日は山がよく見える。
この写真は、南福島−金谷川間の景色。

そして金谷川−松川間の景色。


二本松

二本松着9時ちょうど。
早速向かうは霞ヶ城公園。
「二本松の菊人形」の会場である。

まっすぐな坂を上る。日差しが背中に照りつける。
天気予報によると、今日は夏日になるそうだ。
途中分かれ道があり、迷いかけたが、
たまたま通りかかった地元のご婦人に、道を教えていただいた。
まっすぐに坂を下る道を進む。

霞ヶ城公園到着。
入口に、二本松少年隊の像がある。
(写真では見づらいが、中央2本の松の根元)
復元された箕輪門から中に入った。
(入場料¥1,200)

入口から、大きな花をつけた菊が並んでいる。

第一会場では、義経伝説の名場面を菊人形で再現。
静御前が鶴岡八幡宮で、
義経への思いを込めた歌をうたい、舞うシーン。

鞍馬天狗、平泉、屋島(扇の的)、倶利伽羅峠の合戦、
高舘の弁慶立ち往生などの場面が続く。

壇ノ浦の合戦シーンは、
池に船を浮かべて作られている。
背後には江戸時代から残る茶屋の建物で、
市指定有形文化財の「洗心亭」がある。

弁慶が義経を打ち据える「勧進帳」の一場面。
弁慶に菊が飾られていないのは、
やはり黒装束のイメージがあるからか。

坂を使って再現された、
鵯越え(ひよどりごえ)の場面は迫力がある。

トリは、五条大橋の牛若弁慶。
全身に菊をまとった牛若丸が空に舞い上がる。

橋の前で記念撮影。
常設展示ではないのに、どの人形も、
ずいぶんしっかり作り込まれていて、驚く。
あれだけの数の菊を育てるのも大変だろうし。


霞ヶ城公園の紹介ページ(二本松市)はこちら。
二本松の菊人形のホームページはこちら。

第三会場「奥州、藤原三代」の上演時刻が近づいてきたので、
第二会場をとばして行ってみた。
会場内の壁に、昭和30年から続く、過去50回分のポスターが展示されていた。

「二本松の菊人形」第三会場。
菊人形による藤原三代歴史絵巻である。
前九年の役から、中尊寺、毛越寺の建立、
義経来奥、そして平泉の滅亡まで、
書き割りの背景に、それぞれ菊人形を1、2体、
アクセント的に配置して表現。

最後に、「ありがとうございました 来年も又どうぞ」と書かれたボードが、
床から立ち上がるのが、ちょっとおもしろかった。

第二会場の前で、「菊アイス」を食べる。
色が黄色いだけかと思ったら、実際に中に菊の花びらが入っていた。

第二会場には、10月4日から6日まで行なわれていた「ちょうちん祭り」の山車を展示。
また、今度合併で二本松市に加わる、安達、岩代、東和各町の簡単な紹介と物産販売。

二本松少年隊についての解説もあった。
昭和6年製作の無声映画『霞が城の太刀風』も上映。
戊辰戦争で霞ヶ城(二本松城)が官軍に攻められた際、本隊は出兵中で、
代わって城を守ろうとしたのが、62名の少年隊士から成る二本松少年隊。
だが、16名がこの戦いで戦死し、城も占領されてしまった。

最後に、会場入口の外にある「戒石銘碑」を見る。
5代藩主・丹羽高寛が、儒学者・岩井田昨非の献策により、
家臣への戒めとして彫らせたもの。
大きな自然石に、文字が刻まれている。
「爾俸爾禄 民膏民脂 下民易虐 上天難欺」
“俸禄は民の汗と脂から生み出されたもの。
民を虐げるのはたやすいが、天を欺くのは難しい(民を虐げると天の怒りを受ける)”
というような意味。

駅へ向かって歩く。11時23分、駅入口バス停着。
この後、高村智恵子の生家や、岳温泉に行きたいのだが、
智恵子生家へ行くバスは、あと2時間来ない。
一方の、岳温泉行きは12時13分発。
駅でカロリーメイトを買って食べて待つ。待合室がいっぱいなので立ち食いである。
正午頃、駅前のバス停へ行ってみると、既に大きなリュックを背負った人々が集まっていた。
岳温泉から安達太良山を目指すのだろうか。
やがてやってきたバスに乗り、岳温泉へ向かった。

バスは県道を南へ向かう。次第に風景が、郊外のものになってくる。
右折して東北自動車道をくぐる。田園地帯の中へ、さらには山の中へと分け入っていく。


岳温泉

12時37分、終点の岳温泉に到着。
所要時間24分。意外に早く着いた気がする。
ゲーム路銀 ¥5,070-¥530=¥4,540

駅から遠いこの地まで、なぜ来たかといえば、
ここがかつて“ミニ独立国”ブームの頃、大国のひとつだった「ニコニコ共和国」だからだ。
以前、吉里吉里国へ行った際には、
往時をしのばせる物が、遺跡のようになっていて、寂しい思いをしたものだ。
だがこちらは現在でも観光案内所に、

「ニコニコ共和国 国会議事堂」
と掲げられており、健在ぶりを示していた。

さっきのバスターミナルには、
「ニコニコ共和国国際バスターミナル」

向かいの食堂“成駒”には、
「国立議員食堂」「大統領シェフの店」
「当店のメニューは日本語で書いてあります」
「日本語が通じます。日本円が使用できます」

と書かれていて、うれしくなってくる。

井上ひさし氏の小説『吉里吉里人』のような世界が、
本家から少し離れた場所で、今でもこうして残っているのだ。

国会議事堂といっても、
中はごく普通の観光案内所……と思ったら、

今でも通貨“コスモ”が発行されていた!
うれしくて、3枚も購入……もとい、
300円も交換する。
ちなみにこの貨幣、温泉街の店舗で
ちゃんと使えるらしい。

そうこうしているうちに、午後1時(日本時間)

「ヒマラヤ大通り」を歩いてみる。
この先に安達太良山があるはずだが、
残念ながら、雲に隠れてしまっている。

温泉ホテルが立ち並ぶヒマラヤ大通りだが、あまり長くはない。
さっき国会議事堂でもらった地図を見ると、各ホテルは、奥に長く伸びているようだ。
岳温泉神社で大通りは終わる(道そのものは山へ向かってなお延びているが)。

引き返して、さっきの国立議員食堂で、ソースかつ丼を食べた。
カツがでかい! しかも厚い!
結局私は食べきれずに残してしまったが、
これから登山に向かう人には、このくらいがちょうどいいかもしれない。

岳の湯という共同浴場へ行く(¥300)。

素泊まりまたは休憩用の個室が並ぶ、廊下を通った突き当たりに脱衣場。
調理場もあり、ひなびた湯治場のような雰囲気。
しかしお客さんは多かった。浴槽自体が広くないということもあるが、
人と人の間を通って、浴槽内での居場所を確保する感じ。
泉質は弱酸性で、やや白っぽい。
昨日の飯坂温泉ほど熱くはなく、肩までつかることができた。
盛況なのは女湯も同様とみえ、おばちゃんたちの話し声が聞こえる。
帰りのバスの時刻が気になって、長湯できなかったが、なかなかいい雰囲気だった。

道路を渡って国会議事堂に戻ると、
木でこさえた、素朴な大統領像が立っているのを発見。
脇のボードに、共和国の解説文が書かれていた。

ニコニコ共和国は小さな独立国。
安達太良山に抱かれた笑顔あふれる心のユートピア。
1982年4月28日。初代大統領シローキムラが独立宣言をしました。
高原温泉独立国の誕生です。
国旗は3色。緑はさわやかな風、青はほんとうの空、赤は燃える情熱。
通貨単位はコスモ。宇宙や秩序の意味があります。
えっ、なぜ独立をしたのかって?
みんながニコニコと目立ちたかったからかな!


岳温泉のホームページはこちら。

午後2時40分のバスで、二本松駅へ戻る。
このバスは原瀬というところ経由で、来るときとは若干違うコースを通る。
竪穴式住居らしきものが見えた。
3時4分、駅前に戻ってきた。
ゲーム路銀 ¥4,540-¥530=¥4,010

できればこの後、高村智恵子の生家と、智恵子記念館にも行きたかったが、
もう、閉館の時刻までバスがない!
タクシーで行くことも考えたが、帰りもタクシーになる可能性が高く、
そうなるとゲーム路銀への影響が大きい。迷ったけれども、結局行くのは断念する。

あと二本松の旧跡として、鬼婆伝説で知られる黒塚も挙げられる。
近くには安達ヶ原ふるさと村というテーマパークがあり、
農家の家屋や武家屋敷が移築・再現されている。
こちらも駅からちょっと遠いので、今回は行かなかった。

智恵子記念館の紹介ページ(安達町)はこちら。
安達ヶ原ふるさと村のホームページはこちら。

3時27分発の黒磯行き電車に乗って、先へ進むことにしよう。
ホームに出た途端、「上り列車がまいります」のアナウンスが。
意外に早く入るんだなあと思っていたら、目の前を貨物列車が通過。
さすがEH500、速い。風が来る来る。

汽笛一声。今度こそ701系だ。定刻どおりに出発進行。

右に安達太良山があるが、
大部分が雲に覆われて、何山だかよくわからない。
そりゃあ“ほんとの空”だもの。雲が出る日もあるだろう。

杉田を出て、やけにゆっくり川を渡る。その後はスピードを上げ、トンネル通過。
本宮は高い建物こそないものの、けっこう大きな町。
町を過ぎると田んぼが広がる。
次の五百川駅のホームからでも、まだ安達太良山(とそれを覆う雲)は見えている。
五百川を渡る。アサヒビールやソニーなどの工場がある。

日和田駅から観覧車が見えた。
フェスタショッピングモール。
あのへんにセガワールドがあるらしいが、
駅からやや遠いのと、電車の本数が少ないので、
ごめんなさい通過します。

右に郡山の市街地が見えた。ひときわ高くそびえるビルはビッグアイ。
左から新幹線の高架が近づいて、頭上を通って右側へ。
貨物列車とすれ違いながら逢瀬川を渡る。赤べこ塗色の455系ともすれ違う。
郡山着3時52分。(ゲーム路銀 ¥4,010-¥400=¥3,610

ホームから西側を見ると、ビッグアイ。
東側にはタンク車が並んでいた。


二本松〜杉田〜本宮〜五百川(ごひゃくがわ)〜日和田〜
郡山

福島県一の大都市だけあって、人通りが多く、駅も大きい。
ホテルにチェックインした後、駅前に戻り、
ビッグアイに昇ってみよう。

ビッグアイ。
さっきは気づかなかったが、上のほうの階に、
球体が収まっているのが見える。
あれは何だろう?

エレベーターで22階、展望ゾーンへ。
科学館へ行くお客さん向けの演出で、暗くなって足元が光り、ちょっとコワい。

展望ゾーンは無料。例の球体が真ん中にあった。
5時から「宇宙劇場」において、
「星と音楽のひととき 中島みゆき特集」が始まるとアナウンスあり。
行こうかどうかちょっと迷ったが、行ってみることにした(¥400)。

「宇宙劇場」というのはプラネタリウムだった。例の球体の中にある。
星空の風景と、中島みゆきさんの曲を組み合わせて、幻想的な世界を展開。
『地上の星』の歌詞に合わせて、すばると銀河とペガサス(ペガスス座)と金星が現れる。

しかし、プラネタリウムという、用途の限られたハードを用いて、
よくこれだけ凝った出しものを作ったと思う。
『誕生』をバックに、月のできるまでのCG映像を出したり、
世界の風景の絵と星空を合わせて、『旅人のうた』を流したり
旅先で聴く『旅人のうた』はまた心に残る)、
『ヘッドライト・テールライト』に乗せて、アポロの月面着陸の映像を映したり。
曲と曲の間に、星座の解説が行なわれるのもプラネタリウムならでは。

中島みゆきさんの曲自体の魅力に、助けられている面もあるとはいえ、
遊園地のアトラクションと、ラジオの音楽番組を組み合わせたような感じで、楽しめた。

ビッグアイのホームページはこちら。
郡山市ふれあい科学館 スペースパークのホームページはこちら。

展望ゾーンに下りてみたら、
さっきは昼景だった景色が、夜景になっていた。
まだ6時にもなってないのに。
日が出ているうちに、写真を撮っておけば良かった。
ただ、地上96メートルから見る夜景もまたいい。

カフェ「とぅいんくる」でウーロン茶を飲んで一服した後、
Nゲージ鉄道模型ジオラマを見る。
明治期、昭和初期、そして現代の郡山駅周辺が、よく再現されていた。

同じ駅西口でも、端から端への移動になるが、
アティーというショッピングビルへ行く。
ヴィレッジヴァンガードがあることに感激するが、
目的はそこではなく、ゲームコーナー「ジョイタイム アティー」。

プライズ、プリクラなどが中心だが、ビデオゲームもあった。
ちょい懐かしめの『パックマニア』をプレーする。
……しまった、このゲームって1面が長い。しかも100円2プレー。
1回めは4面クリアー、しかしそこでうっかりコンティニューしてしまう。
それでも何とか2面はクリアーした。(ゲーム路銀 ¥3,610+¥200=¥3,810

『ナムコクラシックコレクションVol.1』をプレー。やはり100円で2プレー。
『ギャラガ』アレンジで5面クリアー。
だが2プレーめで『ゼビウス』アレンジを選んだのがまずかった。
1面をクリアーだけで、2面でゲームオーバー。しかも1面もいわゆる“死に越え”だし。
(ゼビウスでは、ステージの7割を通過してからミスすると、
そのステージはクリアーとみなされ、次のステージからプレーが再開される)
ゲーム路銀 ¥3,810+¥200=¥4,010

カメラの電池が切れそうだったので、ヨドバシカメラで電池を買う。
長い連絡通路を通って、駅東口へ移動。
東口には、イオンタウン郡山という大型ショッピングセンターがあり、
その中にナムコランドがあるらしいのだ。
だが、日が落ちた駅裏の道は、想像していた以上に暗く、人通り、車通りとも少ない。
しかも途中で丁字路になって、どっちに行ったらいいかわからない。
(後から地図を見たら、まさにそこがイオンタウンの真裏だった)
やむを得ず、今日はナムコランド行きを断念。
また連絡通路を通って、駅構内で天ぷらそばを食べた。

現在のゲーム路銀
¥4,010

今回のルート


二本松市のホームページ  二本松観光協会のホームページ  安達町のホームページ
郡山市観光協会のホームページ  三春町のホームページ
ツーリストインフォメーション福島(福島県)  JR東日本仙台支社
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 47.福島編(3)」では、
偉大な学者の足跡に触れる。
「日本縦断ゲーセン紀行 45.福島編(1)」に戻る


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