ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
54.陽明門も餃子も具だくさん
スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。 2006年2月24日。東京午後6時20分発やまびこ217号E2系の自由席は、 上野で早くも満席になり、デッキに立つお客さんも多数。 7時13分、宇都宮着。ホテルにチェックイン後、 駅前の餃子屋さんで、餃子づくしを堪能。 翌25日。7時40分に目覚ましをセットしていたが、 1時間も前に目が覚めてしまい、それから寝つけず。 8時10分頃ホテルで朝食。昨日の餃子屋さんでもそうだったが、 周りの席は、トリノオリンピック・荒川選手の話題で持ちきり。 今回も、日光線9時12分発の107系に乗る。クモハとクハの2両編成。 手でドアを開けて乗り込む。 9時54分、日光駅着。今日はここからスタートだ。
前回も見た“鳴き龍”の下を通って外へ出た。 天気予報がいいほうにはずれ、よく晴れた。
まず、徒歩で東照宮へ行くとしよう。さすがにお店が多い。 真新しい建物もいくつかあったが、それらは決して雰囲気を壊すことなく、 むしろ観光地へのアプローチとして、ワクワク感を高めてくれる。 家康・秀忠・家光のブレーンだった“黒衣の宰相”南光坊天海の像の前を過ぎる。 天海は輪王寺の中興の祖でもある。
世界遺産「日光の社寺」の入口にやってきた。 東照宮、輪王寺、二荒山神社の二社一寺で、世界遺産に登録されている。 近い所から行こう。766年に輪王寺(りんのうじ)を開山した勝道上人像の前を通り、 輪王寺宝物殿へ(¥300)。 さすがに徳川家とゆかりの深い場所だけあって、宝物というのがすごいものばかり。 常設展示では、山岳信仰の影響が見られる仏具や、円空仏、家光直筆の掛け軸、 特別展「日光山の来訪者」では、勝海舟のものとされるうちわ、 朝鮮の楽器、オランダから贈られたイッカクの角、 「徳川将軍家のひなまつり」では、将軍家に伝わるひな人形など。 隣接する庭園「逍遥園」は、小さいながらも日本庭園の粋が凝縮されていた。 二社一寺の共通拝観券を購入。¥1,300だが、 これには輪王寺宝物殿の入館料も込みなので、差額の¥1,000だけ支払った。
ラテン系の団体さんに紛れて拝観。 建物の中には、阿弥陀如来、千手観音、馬頭観音がまつられている。 真下から見上げると大きく見え、迫力がある。 高さ8.5メートルあるから、実際に大きいのだが。 三仏堂の裏にある相輪とう(そうりんとう)は、天海が立てた、高さ15メートルもある塔。 護摩堂の中では、ちょうど祈祷が行なわれていた。 輪王寺のホームページはこちら。
鳥居を抜けると、いきなり色鮮やかな五重塔がそびえ立つ。 道端には少々雪が残っている。 おなじみ三猿(見ざる言わざる聞かざる)は、神厩舎(うまや)の壁に彫られた、 8枚組の透かし彫りの1枚で、あまり大きなものではない。 この建物だけが素木造りで、ほかの建物は、御水舎に至るまですべて極彩色。 中神庫は現在、改修工事中。
「日暮らし門」といわれるだけあって、 ずっと見てると今日のゲーセン紀行がここで終わってしまいそうだ。 後ろ髪を引かれる思いを振り切って先へ進むが、 次の唐門の彫刻がまたすごいし、 拝殿の中も、柱、天井、襖(ふすま)絵と、まったく隙がない。 家康の墓がある奥宮へ。ここは別料金(¥520)。 回廊に、有名な眠猫(ねむりねこ)。左甚五郎作といわれている。 こちらも、回廊に数ある彫刻の一つで、三猿よりさらに小さい。 坂下門をくぐると、木立ちの中に延びる、落ち着いた雰囲気の道となる。 長い石段を上っていく。疲れてきたところで、家康のあの言葉が書かれた立て札が。 「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し。急ぐべからず」 なんとかあとひと踏ん張りして上り切る。 黒と金で統一された拝殿の脇を回り込むと、 家康のなきがらが納められている御宝塔があった。 静かな木立ちの中に、凛として立っている。 じっと見つめているうちに、私も天下を獲りたくなってきた。 でもこのヘタレな性格では無理か。 せめてそこそこの生活ができるようにと、 願い事を唱えるとかなうといわれる、叶杉のほこらにお祈りした。 もっとも、次から次へと人が通りかかるので、 人目をはばかってひそひそ声で願いを唱えたから、効果はないかも。 陽明門を出て、薬師堂(本地堂)へ。 外観は改装中だったが、鳴龍(なきりゅう)の声は聴くことができた。 お坊さんが拍子木を打つと、鈴を鳴らしたように音が反響する。 天井の龍そのものも、ダイナミックに描かれた名画。 薬師堂のそばに、オランダから贈られた灯籠があった。 ハウステンボスの大航海体験館で、 この灯籠を日本まで運ぶ航海の様子が、映像で再現されていたが、 当時オランダから日本まで来るのは、並大抵のことではなかっただろう。 また陽明門を見たら、そこから離れたくなくなった。 まるで“一つの指輪”である。 どうにか指輪の力にあらがってその場を離れた。 日光東照宮のホームページはこちら。
神苑(¥200)は、入って正面に巨大な木があり、まさに神域といった感じ。 樹齢700年、高さ約60メートルの杉の木とか。 『トランヴェール』によると、おみこしの置かれている素木造りの建物が、 創建当時の東照宮の仮拝殿だったらしい。 神苑を出たところで、 「火を灯すと怪しげな姿になったので、武士に斬りつけられた傷跡がある」という 化灯籠(ばけどうろう)を見ていなかったことに気づく。 二荒山神社のホームページはこちら。
巨大な二天門、さらに夜叉門、唐門を抜け、拝殿、本殿等を眺める。 輪王寺のホームページはこちら。
家康の愛用品や、関ヶ原で使ったとされる具足、 家康が大阪夏の陣で使ったとされるかご、 おみこし、刀、舞楽の衣装、大太鼓、 東照宮の彩色の見本や、修復の際に使われる見取図、大正12年製の東照宮1/20模型、 さらに、提携しているロンドン塔王立甲冑博物館から贈られた、兵士の服装も。 建物のかたわらには、芭蕉の句碑。 「あらたうと青葉若葉の日の光」 表参道に戻ってきた。時刻は午後2時ちょうど。
レストランで湯葉定食を食べた。 たぐり湯葉、刺身湯葉、揚げ巻き湯葉がある。 あっさりした湯葉に、たれやだしがしみ込んでおいしい。 あと、おからもいい。 窓から、金谷ホテルが見えた。 お腹を満たし、足の疲れも取れた。あらためて田母沢御用邸へ。
はじめのほうの部屋で、この建物の歴史や、さまざまな建築技法についての解説がある。 それを見た上で各部屋を回っていくと、 細かい所まで気を遣って造られているのがよくわかる。 年代あるいは部屋の用途によって、建築様式がまるで違うのがおもしろい。
日光田母沢御用邸記念公園のホームページはこちら。 バス停に着いたところで、ちょうど午後4時。 本当は、中禅寺湖や華厳の滝も見たかったのだが、今からだとちょっと遅いか。 ちょうど来たバスの運転手さんに、中禅寺湖へ向かうかどうか尋ねてみたが、 残念ながら、手前で折り返すそうだ。 時刻表を見ると、中禅寺湖行きのバスは4時43分までない。 仕方ない、駅に戻って、日光から先へ進むことにしよう。 道路を渡って反対側のバス停へ行き、4時16分のバスを待つ。 急に寒くなってきた。 やってきたバスに乗ったら、運転手さんが、 「中禅寺湖に行くのやめちゃった?」 なんと、さっき反対側の停留所に来たバスの運転手さんだった。 「今から行っても、暗くなっちゃうもんね」
この後、私はJR日光線に乗る。 それなのになぜ東武の駅に来たかというと、 男体山と女峰山を写真に撮りたかったから。
JR日光駅着4時50分。次の電車は5時8分。 ストーブのついた待合室でちょっとだけ待つが、すぐに電車がやってきた。
日光を出発。左手に東武の線路が並行するが、すぐに杉並木に覆われる。 今市へ。前回は乗り換えのために町なかを歩いたが、 そのときにゲーセンが見当たらなかったので、ごめんなさい通過します。 今度は杉並木が右手に移り、徐々に離れていく。代わって、森と田んぼが交互に現れる。 下野大沢を過ぎると、右手に田地が広がる。また森の中へ。 文挟に着く直前、左手に小学校があった。 左手に、大きくてごっつい感じの山。 今市、大沢、文挟と、乗る人もいるのだが降りる人もいて、車内はまだすいている。 ロングシートだがゆったりできて、しかも暖かくて、つい眠くなる。 森の中を走るが、ときどき木々が途切れ、ビニールハウスが姿を現す。 家が増えてきたと思ったら、鹿沼だった。 川上澄生美術館にちょっと興味があったが、ここも通過しますごめんなさい。 鹿沼市立川上澄生美術館のホームページはこちら。 鶴田で男子高校生が数人乗り込んで、ちょっとだけにぎやかになった。 鶴田から先は、住宅地が続く。右手にスーパー銭湯やボウリング場が見える。 終点・宇都宮着5時48分。 (ゲーム路銀 ¥5,050-¥740=¥4,310)
ペデストリアンデッキに、「ひびき」という名のモニュメントが立っている。 写真を撮ろうとしたらいきなり、『あの町この町』のメロディーが流れた。驚いた。 いったんホテルに戻る。荷物を減らして、久しぶりにゲーセンへ出かけよう。 午後6時20分、ホテルを出て、駅東口へ向かう。
建物も車も多く、夜でも怖くなさそうな道だったので、目指すゲーセンまで徒歩で行く。
と、内装にすっかり感心してしまったが、肝心のゲームをまだプレーしていない。 2階へ移動する。メダル中心だが、ビデオゲームもあった。 「ぷよぷよ15周年おめでとう」という意味も込めて、『ぷよぷよDA!』をやってみよう。 初プレーだが、ぷよぷよだし何とかなるだろう。 ……と思っていたら、このゲームはぷよぷよじゃなくて、 ぷよぷよのキャラクターを使ったリズムアクションだった。 とりあえず、レベル「甘口」を選択して、プレーしてみる。3面クリアー。 うまくいきそうなので、「中辛」で再プレーしてみた。 ……いきなり難しい。 2面のすけとうだらまではクリアーできたが、3面のエレナでアウト。 『灼熱のファイアーダンス』ほか、出てくる曲は懐かしかったのだが。 ちなみにエレナとは、1994年にディスクステーションに収録された、 『ブロードウェイ伝説エレナ』というゲームの主人公らしい。 このゲームのシステムが、『ぷよぷよDA!』のもとになっているらしい。 で、今まで新作だと思ってプレーしていたが、よく見ると「COMPILE」と書いてあった。 1999年の作品らしい。 時計を見たら、3面プレーするのに8分も経っていた。ワンプレーが長い。 (ゲーム路銀 ¥4,310+¥300=¥4,610) 7時33分、店を出て駅に向かう。 駅の連絡通路で、ダンスの練習をしている女の子たちがいた。 さっきの『ぷよぷよDA!』に出てきた、ヒップホップスタイルのアルルを思い出した。 駅ビル「PASEO」にある「餃子小町」の店舗で餃子を食べる。 宇都宮で餃子を食べるのは3回めで、それぞれ違う店だったが、3ヶ所ともうまかった。 店によって味に特徴があるし、値段も安いので、まだまだ宇都宮餃子を食べたいのだが、 明日はもう宇都宮を離れることになる。 宇都宮餃子会のホームページはこちら。 ¥4,610 今回のルート ![]() ![]() 日光市のホームページ 日光観光協会のホームページ 今市観光協会 鹿沼市のホームページ 鹿沼市観光物産協会 宇都宮市のホームページ とちぎ観光・物産ガイド 宇都宮観光コンベンション協会 東武鉄道 JR東日本 次回、「日本縦断ゲーセン紀行 55.栃木・埼玉編(4)」では、 埼玉入りするも、まさかのトラブルが。 「日本縦断ゲーセン紀行 53.栃木・埼玉編(2)」に戻る 「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る |
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