ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

54.陽明門も餃子も具だくさん
〜栃木・埼玉編(3)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥5,350



2006年2月24日。東京午後6時20分発やまびこ217号E2系の自由席は、
上野で早くも満席になり、デッキに立つお客さんも多数。
7時13分、宇都宮着。ホテルにチェックイン後、
駅前の餃子屋さんで、餃子づくしを堪能。

翌25日。7時40分に目覚ましをセットしていたが、
1時間も前に目が覚めてしまい、それから寝つけず。
8時10分頃ホテルで朝食。昨日の餃子屋さんでもそうだったが、
周りの席は、トリノオリンピック・荒川選手の話題で持ちきり。

今回も、日光線9時12分発の107系に乗る。クモハとクハの2両編成。
手でドアを開けて乗り込む。
9時54分、日光駅着。今日はここからスタートだ。


日光

日光駅の駅舎は、1912年(大正元年)に建てられた。
外国人も多数訪れる観光地であるとともに、
田母沢御用邸があり、皇族の方々も利用されることから、
このようにエレガントな駅舎となったようだ。

今日は2階が公開されていた。
元は1等車の乗客用待合室だったらしい。
シャンデリアと天井の装飾が圧巻。

前回も見た“鳴き龍”の下を通って外へ出た。
天気予報がいいほうにはずれ、よく晴れた。

東武日光駅前を通過。
駅内部では大掛かりな改修工事が行なわれていた。
あと3週間でJRとの相互乗り入れが始まり、
新宿から直通特急がやって来る。

まず、徒歩で東照宮へ行くとしよう。さすがにお店が多い。
真新しい建物もいくつかあったが、それらは決して雰囲気を壊すことなく、
むしろ観光地へのアプローチとして、ワクワク感を高めてくれる。

家康・秀忠・家光のブレーンだった“黒衣の宰相”南光坊天海の像の前を過ぎる。
天海は輪王寺の中興の祖でもある。

遂に神橋(しんきょう)へたどりついた。
錦帯橋、猿橋とともに日本三大奇橋とされている。
現在、特別公開中で、渡ることができるらしい(¥500)。
興味はあったが、私は渡らずに先へ進んだ。
神橋のホームページはこちら。

世界遺産「日光の社寺」の入口にやってきた。
東照宮、輪王寺、二荒山神社の二社一寺で、世界遺産に登録されている。
近い所から行こう。766年に輪王寺(りんのうじ)を開山した勝道上人像の前を通り、
輪王寺宝物殿へ(¥300)。

さすがに徳川家とゆかりの深い場所だけあって、宝物というのがすごいものばかり。
常設展示では、山岳信仰の影響が見られる仏具や、円空仏家光直筆の掛け軸
特別展「日光山の来訪者」では、勝海舟のものとされるうちわ、
朝鮮の楽器、オランダから贈られたイッカクの角、
「徳川将軍家のひなまつり」では、将軍家に伝わるひな人形など。

隣接する庭園「逍遥園」は、小さいながらも日本庭園の粋が凝縮されていた。

二社一寺の共通拝観券を購入。¥1,300だが、
これには輪王寺宝物殿の入館料も込みなので、差額の¥1,000だけ支払った。

輪王寺三仏堂。お線香の香りが良い。

ラテン系の団体さんに紛れて拝観。
建物の中には、阿弥陀如来、千手観音、馬頭観音がまつられている。
真下から見上げると大きく見え、迫力がある。
高さ8.5メートルあるから、実際に大きいのだが。

三仏堂の裏にある相輪とう(そうりんとう)は、天海が立てた、高さ15メートルもある塔。
護摩堂の中では、ちょうど祈祷が行なわれていた。

輪王寺のホームページはこちら。

日光東照宮へ。
徳川家康の墓所として、秀忠が建立し、
家光が現在の姿に増改築した。

鳥居を抜けると、いきなり色鮮やかな五重塔がそびえ立つ。
道端には少々雪が残っている。
おなじみ三猿(見ざる言わざる聞かざる)は、神厩舎(うまや)の壁に彫られた、
8枚組の透かし彫りの1枚で、あまり大きなものではない。
この建物だけが素木造りで、ほかの建物は、御水舎に至るまですべて極彩色。
中神庫は現在、改修工事中。

そして石段を上ると、陽明門である。
『トランヴェール』誌の日光東照宮特集で、
彫刻の写真が数多く掲載されていたのだが、
よく見ると確かに、門を埋め尽くすように、
細かな彫刻がびっしり彫り込まれている。
特に人物は、1つ1つまったく違うのが、すごい。

「日暮らし門」といわれるだけあって、
ずっと見てると今日のゲーセン紀行がここで終わってしまいそうだ。
後ろ髪を引かれる思いを振り切って先へ進むが、
次の唐門の彫刻がまたすごいし、
拝殿の中も、柱、天井、襖(ふすま)絵と、まったく隙がない。

家康の墓がある奥宮へ。ここは別料金(¥520)。
回廊に、有名な眠猫(ねむりねこ)。左甚五郎作といわれている。
こちらも、回廊に数ある彫刻の一つで、三猿よりさらに小さい。

坂下門をくぐると、木立ちの中に延びる、落ち着いた雰囲気の道となる。
長い石段を上っていく。疲れてきたところで、家康のあの言葉が書かれた立て札が。

「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し。急ぐべからず」

なんとかあとひと踏ん張りして上り切る。
黒と金で統一された拝殿の脇を回り込むと、
家康のなきがらが納められている御宝塔があった。
静かな木立ちの中に、凛として立っている。

じっと見つめているうちに、私も天下を獲りたくなってきた。
でもこのヘタレな性格では無理か。
せめてそこそこの生活ができるようにと、
願い事を唱えるとかなうといわれる、叶杉のほこらにお祈りした。
もっとも、次から次へと人が通りかかるので、
人目をはばかってひそひそ声で願いを唱えたから、効果はないかも。

陽明門を出て、薬師堂(本地堂)へ。
外観は改装中だったが、鳴龍(なきりゅう)の声は聴くことができた。
お坊さんが拍子木を打つと、鈴を鳴らしたように音が反響する。
天井の龍そのものも、ダイナミックに描かれた名画。

薬師堂のそばに、オランダから贈られた灯籠があった。
ハウステンボスの大航海体験館で、
この灯籠を日本まで運ぶ航海の様子が、映像で再現されていたが、
当時オランダから日本まで来るのは、並大抵のことではなかっただろう。

また陽明門を見たら、そこから離れたくなくなった。
まるで“一つの指輪”である。
どうにか指輪の力にあらがってその場を離れた。

日光東照宮のホームページはこちら。

二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)に参拝。
東照宮ができる前からあった神社だが、
現在の本殿・拝殿は、江戸時代に造られたもの。

神苑(¥200)は、入って正面に巨大な木があり、まさに神域といった感じ。
樹齢700年、高さ約60メートルの杉の木とか。
『トランヴェール』によると、おみこしの置かれている素木造りの建物が、
創建当時の東照宮の仮拝殿だったらしい。

神苑を出たところで、
「火を灯すと怪しげな姿になったので、武士に斬りつけられた傷跡がある」という
化灯籠(ばけどうろう)を見ていなかったことに気づく。
二荒山神社のホームページはこちら。

輪王寺大猷院(たいゆういん)へ。
ここは徳川家光の墓所。
仁王門の仁王様のお姿がりりしい。

巨大な二天門、さらに夜叉門、唐門を抜け、拝殿、本殿等を眺める。
輪王寺のホームページはこちら。

杉木立を歩いて、
東照宮宝物殿へ(¥500)。

家康の愛用品や、関ヶ原で使ったとされる具足、
家康が大阪夏の陣で使ったとされるかご、
おみこし、刀、舞楽の衣装、大太鼓、
東照宮の彩色の見本や、修復の際に使われる見取図、大正12年製の東照宮1/20模型、
さらに、提携しているロンドン塔王立甲冑博物館から贈られた、兵士の服装も。

建物のかたわらには、芭蕉の句碑。
「あらたうと青葉若葉の日の光」

表参道に戻ってきた。時刻は午後2時ちょうど。

さらに坂を下って、大谷川沿いに来た。
次は田母沢御用邸に向かうが、
途中お腹が空いたので、

レストランで湯葉定食を食べた。
たぐり湯葉、刺身湯葉、揚げ巻き湯葉がある。
あっさりした湯葉に、たれやだしがしみ込んでおいしい。
あと、おからもいい。
窓から、金谷ホテルが見えた。

お腹を満たし、足の疲れも取れた。あらためて田母沢御用邸へ。

日光田母沢御用邸は、
大正天皇が皇太子だった頃、静養のために建てられた。
赤坂離宮の建物(もとは紀州藩の中屋敷)が移築され、
建物の一部に使われているようだ。
大正時代にも増築されたため、
各時代の建築様式が合わさっているという。
戦時中は、今上天皇陛下がこの地に疎開されたそうだ。
平成12年(2000年)に改修されている。(入館料¥500)

はじめのほうの部屋で、この建物の歴史や、さまざまな建築技法についての解説がある。
それを見た上で各部屋を回っていくと、
細かい所まで気を遣って造られているのがよくわかる。
年代あるいは部屋の用途によって、建築様式がまるで違うのがおもしろい。

庭園にも入れる。
この建物唯一の3階部分「御展望室」を望む。

日光田母沢御用邸記念公園のホームページはこちら。

バス停に着いたところで、ちょうど午後4時。
本当は、中禅寺湖や華厳の滝も見たかったのだが、今からだとちょっと遅いか。
ちょうど来たバスの運転手さんに、中禅寺湖へ向かうかどうか尋ねてみたが、
残念ながら、手前で折り返すそうだ。

時刻表を見ると、中禅寺湖行きのバスは4時43分までない。
仕方ない、駅に戻って、日光から先へ進むことにしよう。
道路を渡って反対側のバス停へ行き、4時16分のバスを待つ。
急に寒くなってきた。

やってきたバスに乗ったら、運転手さんが、
「中禅寺湖に行くのやめちゃった?」
なんと、さっき反対側の停留所に来たバスの運転手さんだった。
「今から行っても、暗くなっちゃうもんね」

神橋まで道が混んでいたので、
東武日光駅着は4時33分。
ゲーム路銀 ¥5,350-¥300=¥5,050

この後、私はJR日光線に乗る。
それなのになぜ東武の駅に来たかというと、
男体山と女峰山を写真に撮りたかったから。

しかし、山は雲に隠れて、見えなくなっていた。
午前中はよく見えていたので、
そのとき写真を撮っておけば良かった、と後悔。

JR日光駅着4時50分。次の電車は5時8分。
ストーブのついた待合室でちょっとだけ待つが、すぐに電車がやってきた。

107系の4両編成だ。
例によって、暖気を逃がさないように
ドアが閉まっているので、手で開けて乗る。

日光を出発。左手に東武の線路が並行するが、すぐに杉並木に覆われる。
今市へ。前回は乗り換えのために町なかを歩いたが、
そのときにゲーセンが見当たらなかったので、ごめんなさい通過します。

今度は杉並木が右手に移り、徐々に離れていく。代わって、森と田んぼが交互に現れる。
下野大沢を過ぎると、右手に田地が広がる。また森の中へ。
文挟に着く直前、左手に小学校があった。

左手に、大きくてごっつい感じの山。
今市、大沢、文挟と、乗る人もいるのだが降りる人もいて、車内はまだすいている。
ロングシートだがゆったりできて、しかも暖かくて、つい眠くなる。

森の中を走るが、ときどき木々が途切れ、ビニールハウスが姿を現す。
家が増えてきたと思ったら、鹿沼だった。
川上澄生美術館にちょっと興味があったが、ここも通過しますごめんなさい。
鹿沼市立川上澄生美術館のホームページはこちら。

鶴田で男子高校生が数人乗り込んで、ちょっとだけにぎやかになった。
鶴田から先は、住宅地が続く。右手にスーパー銭湯やボウリング場が見える。
終点・宇都宮着5時48分。
ゲーム路銀 ¥5,050-¥740=¥4,310


〜今市〜下野大沢〜文挟(ふばさみ)〜鹿沼(かぬま)〜鶴田〜
宇都宮

近くのホテルに泊まっているから、わかってはいたけれど、
あらためて駅前から眺めると、やっぱり宇都宮はでかい。
駅も大きいし人も多い。
街はかなたまで続いている。

ペデストリアンデッキに、「ひびき」という名のモニュメントが立っている。
写真を撮ろうとしたらいきなり、『あの町この町』のメロディーが流れた。驚いた。
いったんホテルに戻る。荷物を減らして、久しぶりにゲーセンへ出かけよう。
午後6時20分、ホテルを出て、駅東口へ向かう。

連絡通路を通り、東口に出た。
餃子像が立っていた。
大谷石でできた、餃子のビーナスだとか。

建物も車も多く、夜でも怖くなさそうな道だったので、目指すゲーセンまで徒歩で行く。

7、8分後、見えてきた「AMUSEMENT」の文字。
セガワールド宇都宮に到着だ。

1階はプライズが多い。あとはプリクラ、大型機。
柱の1本がレンガ風に装飾され、
中ほどに砦が造られていたり、
その下にバイクが置いてあったりして、
アメリカの裏道に築かれた秘密基地みたいになっている。

さらに、店内の至る所に飾られた、
ネオンサインもアメリカらしさを演出。
店内にあった解説板によると、
どれも実際に1940〜1950年代にアメリカで作られ、
使われていたものらしい。

と、内装にすっかり感心してしまったが、肝心のゲームをまだプレーしていない。
2階へ移動する。メダル中心だが、ビデオゲームもあった。
「ぷよぷよ15周年おめでとう」という意味も込めて、『ぷよぷよDA!』をやってみよう。
初プレーだが、ぷよぷよだし何とかなるだろう。
……と思っていたら、このゲームはぷよぷよじゃなくて、
ぷよぷよのキャラクターを使ったリズムアクションだった。

とりあえず、レベル「甘口」を選択して、プレーしてみる。3面クリアー。
うまくいきそうなので、「中辛」で再プレーしてみた。
……いきなり難しい。
2面のすけとうだらまではクリアーできたが、3面のエレナでアウト。
『灼熱のファイアーダンス』ほか、出てくる曲は懐かしかったのだが。
ちなみにエレナとは、1994年にディスクステーションに収録された、
『ブロードウェイ伝説エレナ』というゲームの主人公らしい。
このゲームのシステムが、『ぷよぷよDA!』のもとになっているらしい。

で、今まで新作だと思ってプレーしていたが、よく見ると「COMPILE」と書いてあった。
1999年の作品らしい。
時計を見たら、3面プレーするのに8分も経っていた。ワンプレーが長い。
ゲーム路銀 ¥4,310+¥300=¥4,610

7時33分、店を出て駅に向かう。
駅の連絡通路で、ダンスの練習をしている女の子たちがいた。
さっきの『ぷよぷよDA!』に出てきた、ヒップホップスタイルのアルルを思い出した。

駅ビル「PASEO」にある「餃子小町」の店舗で餃子を食べる。
宇都宮で餃子を食べるのは3回めで、それぞれ違う店だったが、3ヶ所ともうまかった。
店によって味に特徴があるし、値段も安いので、まだまだ宇都宮餃子を食べたいのだが、
明日はもう宇都宮を離れることになる。

宇都宮餃子会のホームページはこちら。

現在のゲーム路銀
¥4,610

今回のルート
 
日光市のホームページ  日光観光協会のホームページ  今市観光協会
鹿沼市のホームページ  鹿沼市観光物産協会  宇都宮市のホームページ
とちぎ観光・物産ガイド  宇都宮観光コンベンション協会  東武鉄道  JR東日本
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 55.栃木・埼玉編(4)」では、
埼玉入りするも、まさかのトラブルが。
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