ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

70.1日で回りきれない博物館
〜東京山手線編(4)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥10,390




上野

2006年10月22日。11時17分、上野駅着。
公園口コンコースには、上野公園にある
各博物館・美術館の、特別展の広告が、
横断幕になって掲示されている。

あしなが学生募金に募金して、横断歩道を渡って上野公園へ。
さわやかな秋晴れの公園を通り抜け、やってきたのは東京国立博物館。
観覧券は、特別展(「一木にこめられた祈り 仏像」12月3日まで)込みで¥1,500、
常設展示だけを見るなら¥600。
事前に見たガイドブックに、「全部見て回ったら2〜3日かかる」と書いてあったので、
今日中に特別展までは行けないだろうと考え、常設展示のみのチケットを買った。

いくつかある建物のうち、まずは本館へ。
石積み風の建物に瓦屋根をつけた、
和洋折衷の外観がおもしろい。
竣工は1937年(昭和12年)。

入ってすぐ正面に大階段があるのも、昭和初期らしい豪華さだ。
その階段を上がって、第1室から見ていこう。
2階の展示では日本美術の流れを、時代を追って紹介。
縄文式土器に始まって、埴輪(はにわ)、銅鐸(どうたく)、ハート型土偶。
小さい頃に切手で見たものが、今、目の前にあるという感激。

続いて仏教が入り、仏像、仏具の展示へ。和同開珎も初めて見た。
とにかく、そこらじゅう国宝・重要文化財だらけ。
展示物は、広いスペースで間をとって、ゆったりと展示されている。見やすい。

特集「古文書」を見た後、常設展示室へ戻る。
平安時代以降の、和歌や、障壁画などの絵画、茶道具。
さらに刀や鎧兜(よろいかぶと)といった、武士の時代を象徴する物が並ぶ。

江戸時代に入り、花や鳥を題材とした華やかな屏風絵や、
やはりきらびやかな装飾が施された着物やすずり箱、色絵の壺。
そして軸装された日本画が並ぶ。土佐光起、田能村竹田、池大雅、狩野探幽。
狩野山雪の描いた猿は、現代のキャラクターのようにデフォルメされていた。

能装束、振袖、くし、かんざし。そして浮世絵。
葛飾北斎の風景画、歌川広重のコミカルな絵に、
鈴木春信、歌川豊国、鳥居清長、喜多川歌麿の美人画。
現代の絵とはもちろん顔かたちは違うけど、生活感が表れていて、親しみが感じられる。
「浮世絵はマンガの原点」とよく言われるが、「確かにそうかも」という印象を受けた。

2階のもう1つの特集展示は、「懐月堂派の肉筆浮世絵」(10月22日まで)。
懐月堂安度とその弟子、影響を受けた画家の作品が並ぶ。
美人画の女性は、しっかりポーズを決めていて、グラビアアイドルのようだった。

大階段を下りて1階へ。正面の時計が、1時10分を示している。
1階は部屋ごとにジャンルが分かれている。まずは彫刻。やはり仏像の迫力には圧倒される。
続いて陶磁。尾形乾山、青木木米のものや、さまざまな時代の伊万里、鍋島。
輸出用の伊万里の大壺も素晴らしいが、唐津などの茶色も落ち着いた雰囲気で良い。

漆工では、萩や菊など秋の草花を描いた蒔絵(まきえ)のものが展示されている。
螺鈿(らでん)で彩られた鞍。黒字に金彩の世界で、高級感が漂う。
その次は刀。一見みな同じように見えるが、形や刃文がかなり異なる。
茶釜もそれぞれ個性的。

アイヌの民族資料。アイヌといえばあの衣服の文様が思い浮かぶが、
首飾りや矢筒、ナイフのさやの装飾も細かい。もちろんムックリもあった。
時期によっては、この部屋に琉球の資料も展示されるらしい。

小さなラウンジがあって、
窓から庭園が見えた。

歴史資料。金蒔絵で葵の紋と竹が描かれたかご
(徳川綱吉のもとに従姫が嫁いだ際に用いられたもの)。
東海道の絵図や、今でいう旅行ガイドブックに、携帯用の日時計。
東海道中膝栗毛の本や、安藤(歌川)広重の東海道五十三次。
「御蔭参宮文政神異記」に描かれた人々の表情は、
後の北沢楽天など、明治以降のマンガを思わせる。

そして、明治以降の近代美術。下村観山の屏風『白狐』、横山大観の『瀟相八景』。
やはりこの時代は、岡倉天心の日本美術院のメンバーを抜きに語れない。
遠くから見ても色合いがきれいだし、近くで見ても色の濃淡が心地良い。

川合玉堂『深山濃霧』。よく見ると、霧の向こうに木の枝が、すごく薄く描かれている。
高村光雲の木彫『老猿』。テレビなどではよく見るが、これが実物かと思うと感動する。
間近で見てもこの毛並みはすごい。後ろに回ると、猿が座っている岩の岩肌もよく見える。

最後に、寄贈者の名前を記した「寄贈者顕彰室」。ここにも高村光太郎の作品や、
明治時代の大花瓶、高村光雲の聖徳太子坐像が展示されていた。

地下1階のミュージアムショップを見て、富嶽三十六景や見返り美人や、
いわゆる“踊る人々”のハニワなどが、展示されていなかったことに気づく。
なにせ所蔵品が膨大だし、良い状態を保つ必要もあるので、
全部を見られないのは仕方がない。

東京国立博物館のホームページはこちら

時刻は午後2時30分。次は隣の東洋館に入ろうと思うが、
その横にレストランがあったので、入ってハヤシライスを食べる。

20分後、あらためて東洋館へ。

まず、中国の仏像彫刻、インド・ガンダーラの仏像彫刻。
パキスタンの仏像は顔の彫りが深く、
足を交差させて座るなど、日本では見られない御姿の仏像もある。

エジプト・西アジア、東南・南アジア。
まずエジプトのミイラが目を引く。東京でミイラを見られるとは思わなかった。
ほかにも、ヒエログリフの書かれた石片、メソポタミアのくさび形文字、
アンコールの仏像、イランの織物、クルド族の織物。

2階はまず中国考古。商時代の青銅製武器が残っているのに驚く。
『封神演義』の紂王がいた時代である。
三千年くらい前の物なのに、かなり凝った装飾が施されていた。
あと、青銅器はもともと金色か銀色で、
緑色に見えるのはサビだということを初めて知った。

青銅器の文様は、戦国時代になると、さらに細かくなっている。まだ紀元前だというのに。
古代中国の文化が、いかに進んでいたかがうかがえる。
さらに、三国時代以降の工芸品に、唐の白磁や唐三彩。
唐三彩は色もきれいだし、人物や動物の表情もいい。
宋から元の白磁、青磁、元後期〜明の景徳鎮窯の青花(青色の絵つけ)、そして色絵に続く。

次の部屋には画像石という、絵の刻まれたほこらの壁があった(後漢時代)。
その次には中国の書跡・絵画。南宋から明時代の絵画で、国宝・重文が多い。

3階には朝鮮考古・美術。高麗時代(12〜13世紀)に青磁が発展し、
そこから個性的な焼き物が続いている。
同じ部屋には特集展示として、ドイツ・ポーランドの先史時代の石斧や壺なども。
最後は西域美術。中央アジアの石窟の図を模写したものなど。

時刻は4時20分。意外と早く日が暮れてきたなあと思い、外に出たら、
霧雨が降っていた。
東洋館の向かいに、1908年に建てられた表慶館がある。
翌々日(10月24日)から内部が特別公開されるらしい。
黒田家江戸屋敷の鬼瓦、因州池田家の表門(黒門)を見て、

法隆寺宝物殿に来た。
しかし閉館までもう30分ないので、
ここには次回また訪れることにした。

1882年(明治15年)、奈良の十輪院から移築された
校倉(宝蔵)も、重要文化財。

博物館を出て、黒門を外から見た。
こちらから見ると、
“黒門”と呼ばれる理由がわかる。
もとは丸の内にあったが、
1892年(明治25年)に移築された。重要文化財。

東京国立博物館のホームページはこちら

今日はこの後どうしようかと考えたが、
傘も持ってきてないし、この雨では何もしようがない。
考えているうちに、辺りがどんどん暗くなってくる。おとなしく帰ることにしよう。
大きな木が数多く生えているので、多少は雨を避けられた。

帰り道、秋葉原でコーヒーを飲んでたら雨がやんだので、買い物して食事してから帰った。

現在のゲーム路銀
¥10,390

今回のルート
1.旧古河庭園 2.六義園 3.小石川植物園
4.谷中霊園 5.入谷鬼子母神
6.旧吉田屋酒店 7.東京国立博物館
8.上野動物園 9.浅草寺
10.小石川後楽園 11.東京ドームシティ
12.湯島聖堂・神田明神 13.ニコライ堂
14.両国国技館・江戸東京博物館

a.寛永寺霊園 b.国際こども図書館
c.東京芸術大学 d.東京国立博物館
e.東京都美術館 f.上野動物園
g.国立科学博物館 h.国立西洋美術館
i.東京文化会館 j.上野の森美術館
k.不忍池弁天堂 l.西郷隆盛像
m.下町風俗資料館 n.アメヤ横丁 o.鈴本演芸場

台東区観光課  東京の観光 丸ごとガイド  JR東日本  東京メトロ
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 71.東京山手線編(5)」は、
引き続き東京国立博物館から。
「日本縦断ゲーセン紀行 69.東京山手線編(3)」に戻る


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