ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

73.科学の迷宮
〜東京山手線編(7)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥10,390




上野

2006年11月23日。5回目の上野。
11時35分、上野駅着。
上野公園内のイチョウも、ようやく色づき始めた。

今日も前回に引き続き、国立科学博物館へ。
今回は常設展のみを見るので、¥500だ。

新館の脇に立っているロケットランチャーは、
1970年(昭和45年)、
世界最小の人工衛星「おおすみ」を積んだ
ラムダ4S型ロケットを打ち上げたもの。

前回1階は見たので、今日は地下1階から。恐竜の化石が集まっている。
巨大なティラノサウルスやアパトサウルス、
体に特徴のある、ステゴサウルスやトリケラトプス。
「恐竜は鳥に進化したから、古生物学上は今も絶滅していない」
という説が、印象に残った。

地下2階は、生物の進化について。
地球環境はたびたび変化し、少なくとも5回は大量絶滅が起こっているという。
しかしそのたび、新しい生物群が発展している。
6500年前の大量絶滅(小天体の衝突が原因といわれる)では、
恐竜やアンモナイトが消え、哺乳類、鳥類、被子植物が発展した。
ここを境に、中生代と新生代を区分しているらしい。

古生代の生物の化石を見る。実在した生物とは思えないような、変な姿のものが多い。
子孫を残さず、進化もせずに絶滅したものも多いらしい。
クトゥルフ神話の生き物を思い出した。このあたりの生物が、モデルとなっているのだろうか?
クトゥルフには、“ウミユリのような”と形容される怪物も出てくるし。

いろんな形の三葉虫の化石も並ぶ。小判みたいだが、中には大判並みに大きなものも。
原始的な魚の化石。さまざまなものがあるが、
ヤツメウナギなどは、この頃から続いている種らしい。
またシーラカンスは、この時代から姿かたちがほとんど変わっていないらしい。

植物が地上に進出し、動物も、両生類、爬虫類、哺乳類が現れる。
次のブロックでは、陸上動物の化石が並ぶ。
哺乳類は環境に応じてさまざまな進化を遂げ、中には現代の象より大きな哺乳類もいた。
マンモスなど巨大な動物は、体を支える脚の骨が太いのが印象的。
ダイアーウルフの化石もあった。
ファンタジーもののお話で、ゴブリンが乗ってる生き物というイメージがある。

そして、また海へと戻っていった、哺乳類と爬虫類の化石。

この階の最後は「人類の進化」。約400万年前のアウストラロピテクスを皮切りに
(近年、もっと古い時代の猿人の化石も見つかっているらしい)、
脳容積の増大、石器の使用など、進化の過程を解説。
その過程で絶滅する種類もいたらしい(ジャワ原人など)。

20万〜5万年前のアフリカで、ホモ・サピエンスが誕生し、
海を渡り、世界中に拡散していった。
ヨーロッパでは、ネアンデルタール人がクロマニョン人に進化したのではなく、
ネアンデルタール人のいた所へ、新たにクロマニョン人がやってきたらしい。

国立科学博物館のホームページはこちら

地下3階。国立科学博物館の活動紹介を挟んで、物理法則の解説へ。
長さ・重さ・時間・電気・温度の単位や、それらをはかる機器。
『ゲームセンターあらし』に出てきたジョセフソン素子もあった。
さらに、エネルギー、光の速さ、重力について。

次は宇宙に関する展示。太陽系の各惑星の説明から、恒星、銀河、宇宙全体の構造。
冥王星の説明もあったが、惑星から外された旨を記した紙が添えられていた。

続いて、物質について。現物入りの元素周期表(さすがに放射性物質はないが)、
原子・分子の結合、合成繊維や合成樹脂など分子の結合を利用したもの。
洗剤、発光ダイオード、有機EL、燃料電池などの解説も。

自分が、想像もつかない大きな世界の中にいて、
想像もつかない小さな世界を内包していることが、
何となくわかったような気になったところで、エスカレーターに乗って2階へ向かった。

2階は、お子さんたちに人気の「たんけん広場 -身近な科学-」。
強力磁石、アーク放電、光の三原色、巨大竹とんぼ、
ジャイロホイール、ゆがんだ鏡、滑車など、気軽に体験できる不思議なものがいっぱい。
中でも私が驚いたのが、壁のない所なのに、斜めから見ると壁が見える「まぼろしの壁」。
偏光板を使ったトリックなのだが、黒い壁を人々が通り抜けていくのが本当に不思議。

続いて、科学の歴史。江戸時代の和時計の仕組みと、
七宝や蒔絵など装飾の技術を見る。
和算、天文、測量、本草学。医学は伝統的な漢方医学に、蘭学が入ってくる。
時計、からくり人形などにみられる高い技術。

幕末から明治へ。長さや重さ、時間やお金の単位がすべて変わって、
新しいはかりが作られたり輸入されたりした。
この国立科学博物館の前身、教育博物館が造られたのもこの時代。
当時使われた教材が、展示されている。

近代工場が発展。明治時代の旋盤がある。
発電機や、日本の竹をフィラメントに使った電球もある。
自動織機、大正時代の自動車「オートモ号」(復元)、
日本初の動力飛行を行なった、アンリ・ファルマン号とハンス・グラーデ号のプロペラ、
ラバウル付近で引き揚げられたゼロ戦。
ここでゼロ戦の本物が見られるとは思わなかった。

高柳式テレビジョンの復元。1927年(昭和2年)の実験を再現して、
カタカナの「イ」が、円い画面に映し出されている。
走査線がかなりまばらだけど、「イ」の字だとはっきりわかる。

1944年(昭和19年)に製作された、九元連立方程式が解けるという計算機。
計算機というより、はたおり機か、カイコの糸をつむぐ機械みたいだ。
リレー式電子計算機、真空管式電子計算機も展示。
卓上手回し計算機や計算尺、初期の電卓もあった。
カシオが1957年に造ったものは、机に機械本体が入った大きなものだが、
クリーンルームに入れる必要がないということが、画期的だったらしい。

世界初のマイクロプロセッサ・インテルi4004、
日本初のマイコンキット・TK-80もあった。
また、国鉄の座席予約システム・マルス101が、
初期のオンラインシステムの例として展示されている。

宇宙開発。23センチのペンシルロケットから、人工衛星おおすみの模型、
H-IIロケットに積まれていたSFU(宇宙実験・観測フリーフライヤ)。
SFUは1996年(平成8年)、若田光一氏のロボットアームで回収されたそうだ。
最後に、今年の日本自動車殿堂の歴史車、トヨタクラウン。
今の高級車よりずいぶん小さい。

これにて2階は終わり。時計を見ると、……午後3時53分!
やばい。あと1フロア回れるかどうか、微妙になってきた。

3階。雑木林を再現した「たんけん広場 -発見の森-」を通って、
哺乳類と鳥類を特集した、「大地を駆ける生命」へ。
ラクダや虎、熊など大型獣のはく製が並ぶ。
パンダは上野動物園にいた、フェイフェイとトントン。

トナカイやヘラジカ、イボイノシシなど、角や牙を持った動物、
ゴリラやオランウータンなどの猿、ライオンなど肉食獣、さまざまな鳥。
絶滅したニホンオオカミや、絶滅危惧種のはく製を見て、この階も終了。

屋上に出てみた。もう薄暗くなっている。
ハーブガーデンとパラソルガーデンがあった。
太陽電池パネルも並んでいる。

上野駅のホームを、
上から眺めることができた。

企画展の「南方熊楠」をまだ見ていなかったので見る。
南方熊楠は、アメリカやイギリスで植物などを研究し、
帰国後は故郷の和歌山で、シダ植物や粘菌などの研究に勤しんだ。
神社の森の植生が失われることをおそれ、神社合祀の反対運動も行なっている。
……要約するとこんな感じだが、アメリカに渡った経緯や、海外での活動や、
あと、「南方マンダラ」という独自の世界観にも興味がある。
南方熊楠については、いずれもっと深く調べてみたい。

国立科学博物館のホームページはこちら

ショップを見て、国立科学博物館を出ると、午後4時50分。
外はもう真っ暗。
西郷さんの像の前を通り、

イルミネーション
「動物たちのカーニバル」の前を通って、
公園を出た。

台東区立下町風俗資料館に、
一応行ってみたが、案の定閉まっていた。
営業時間は、午後4時半までだった。
台東区立下町風俗資料館のホームページはこちら

長きにわたる上野の旅を終え、次の目的地へ進むことにする。
JR上野駅へ……は向かわず、中央通りを南へ歩く。


上野広小路

松坂屋の地下にある、
東京メトロ銀座線・上野広小路駅へ。

¥160の切符を買った。
せっかく上野まで来たのだから、浅草を素通りするわけにはいかない。
ゲーム路銀 ¥10,390-¥160=¥10,230
ゲーム路銀が減ったのも、すごく久々。
外は寒いが、地下は暑くて汗が出る。ジャケットを脱ぐ。

午後5時24分発。上野−浅草は1927年(昭和2年)に開通した、
日本初、そしてアジア初の地下鉄路線だ。
稲荷町、田原町と過ぎ、

終点・浅草着5時31分。


〜上野〜稲荷町(いなりちょう)〜田原町(たわらまち)〜
浅草

地上に出た場所は、実に久しぶり、
日光や鬼怒川へ行くときに利用した、
東武鉄道の浅草駅だった。
こちらは1931年(昭和6年)の開業。
浅草駅は、地下鉄と東武を合わせた形で、
「関東の駅百選」に選出されている。

駅前の交番も、いい形をしている。

浅草文化観光センターで休憩。浅草と、上野・谷中の観光パンフレットをもらう。

道の向かいに、雷門があった。
仲見世も、周りの商店街も、
夜でも明るくて、にぎやかだ。
人力車が客待ちをしていた。

午後6時、浅草文化観光センターの
からくり時計が動いた。
中央で、おみこしが揺れている。

少し早いけど晩ごはんにしよう。昼を食べていないので、お腹がすいていた。

駅前に戻って、神谷バーに入る。
こないだ別企画で牛久へ行ったときに知ったが、
ここはシャトーカミヤ(牛久シャトー)を建てた
神谷傳兵衛が開いた店らしい。
1880年(明治13年)創業だから、歴史は相当古い
(当時の店名は「みかはや銘酒店」)。
ちなみにシャトーカミヤは1903年(明治36年)。

神谷バーといえば、電気ブランが有名だが、私はお酒が飲めないので、
2階のレストランで、ハンバーグステーキとプリンを食べた。
まだ早い時刻だが、既に満席。にぎやかである。
洋食屋の雰囲気も、存分に堪能した。
1階の売店で、電気ブランストラップを購入。

神谷バーのホームページはこちら

小雨が降っていた。次回、本格的に浅草の街を回ることにしよう。
7時17分の電車で帰る。

現在のゲーム路銀
¥10,230

今回のルート
1.旧古河庭園 2.六義園 3.小石川植物園
4.谷中霊園 5.入谷鬼子母神
6.旧吉田屋酒店 7.東京国立博物館
8.上野動物園 9.浅草寺
10.小石川後楽園 11.東京ドームシティ
12.湯島聖堂・神田明神 13.ニコライ堂
14.両国国技館・江戸東京博物館
a.寛永寺霊園 b.国際こども図書館
c.東京芸術大学 d.東京国立博物館
e.東京都美術館 f.上野動物園
g.国立科学博物館 h.国立西洋美術館
i.東京文化会館 j.上野の森美術館
k.不忍池弁天堂 l.西郷隆盛像
m.下町風俗資料館 n.アメヤ横丁 o.鈴本演芸場
A.待乳山聖天 B.浅草ビューホテル
C.花やしき D.浅草寺 E.浅草神社
F.宝蔵門 G.伝法院 H.浅草演芸ホール
I.浅草ROX J.浅草公会堂 K.雷門
L.神谷バー M.アサヒビール
N.バンダイ

台東区観光課  上野観光連盟  東京の観光 丸ごとガイド  JR東日本  東京メトロ
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 74.東京山手線編(8)」では、
浅草の街を巡って、久しぶりにゲーセンへ。
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