ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
73.科学の迷宮
スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
前回1階は見たので、今日は地下1階から。恐竜の化石が集まっている。 巨大なティラノサウルスやアパトサウルス、 体に特徴のある、ステゴサウルスやトリケラトプス。 「恐竜は鳥に進化したから、古生物学上は今も絶滅していない」 という説が、印象に残った。 地下2階は、生物の進化について。 地球環境はたびたび変化し、少なくとも5回は大量絶滅が起こっているという。 しかしそのたび、新しい生物群が発展している。 6500年前の大量絶滅(小天体の衝突が原因といわれる)では、 恐竜やアンモナイトが消え、哺乳類、鳥類、被子植物が発展した。 ここを境に、中生代と新生代を区分しているらしい。 古生代の生物の化石を見る。実在した生物とは思えないような、変な姿のものが多い。 子孫を残さず、進化もせずに絶滅したものも多いらしい。 クトゥルフ神話の生き物を思い出した。このあたりの生物が、モデルとなっているのだろうか? クトゥルフには、“ウミユリのような”と形容される怪物も出てくるし。 いろんな形の三葉虫の化石も並ぶ。小判みたいだが、中には大判並みに大きなものも。 原始的な魚の化石。さまざまなものがあるが、 ヤツメウナギなどは、この頃から続いている種らしい。 またシーラカンスは、この時代から姿かたちがほとんど変わっていないらしい。 植物が地上に進出し、動物も、両生類、爬虫類、哺乳類が現れる。 次のブロックでは、陸上動物の化石が並ぶ。 哺乳類は環境に応じてさまざまな進化を遂げ、中には現代の象より大きな哺乳類もいた。 マンモスなど巨大な動物は、体を支える脚の骨が太いのが印象的。 ダイアーウルフの化石もあった。 ファンタジーもののお話で、ゴブリンが乗ってる生き物というイメージがある。 そして、また海へと戻っていった、哺乳類と爬虫類の化石。 この階の最後は「人類の進化」。約400万年前のアウストラロピテクスを皮切りに (近年、もっと古い時代の猿人の化石も見つかっているらしい)、 脳容積の増大、石器の使用など、進化の過程を解説。 その過程で絶滅する種類もいたらしい(ジャワ原人など)。 20万〜5万年前のアフリカで、ホモ・サピエンスが誕生し、 海を渡り、世界中に拡散していった。 ヨーロッパでは、ネアンデルタール人がクロマニョン人に進化したのではなく、 ネアンデルタール人のいた所へ、新たにクロマニョン人がやってきたらしい。 国立科学博物館のホームページはこちら 地下3階。国立科学博物館の活動紹介を挟んで、物理法則の解説へ。 長さ・重さ・時間・電気・温度の単位や、それらをはかる機器。 『ゲームセンターあらし』に出てきたジョセフソン素子もあった。 さらに、エネルギー、光の速さ、重力について。 次は宇宙に関する展示。太陽系の各惑星の説明から、恒星、銀河、宇宙全体の構造。 冥王星の説明もあったが、惑星から外された旨を記した紙が添えられていた。 続いて、物質について。現物入りの元素周期表(さすがに放射性物質はないが)、 原子・分子の結合、合成繊維や合成樹脂など分子の結合を利用したもの。 洗剤、発光ダイオード、有機EL、燃料電池などの解説も。 自分が、想像もつかない大きな世界の中にいて、 想像もつかない小さな世界を内包していることが、 何となくわかったような気になったところで、エスカレーターに乗って2階へ向かった。 2階は、お子さんたちに人気の「たんけん広場 -身近な科学-」。 強力磁石、アーク放電、光の三原色、巨大竹とんぼ、 ジャイロホイール、ゆがんだ鏡、滑車など、気軽に体験できる不思議なものがいっぱい。 中でも私が驚いたのが、壁のない所なのに、斜めから見ると壁が見える「まぼろしの壁」。 偏光板を使ったトリックなのだが、黒い壁を人々が通り抜けていくのが本当に不思議。 続いて、科学の歴史。江戸時代の和時計の仕組みと、 七宝や蒔絵など装飾の技術を見る。 和算、天文、測量、本草学。医学は伝統的な漢方医学に、蘭学が入ってくる。 時計、からくり人形などにみられる高い技術。 幕末から明治へ。長さや重さ、時間やお金の単位がすべて変わって、 新しいはかりが作られたり輸入されたりした。 この国立科学博物館の前身、教育博物館が造られたのもこの時代。 当時使われた教材が、展示されている。 近代工場が発展。明治時代の旋盤がある。 発電機や、日本の竹をフィラメントに使った電球もある。 自動織機、大正時代の自動車「オートモ号」(復元)、 日本初の動力飛行を行なった、アンリ・ファルマン号とハンス・グラーデ号のプロペラ、 ラバウル付近で引き揚げられたゼロ戦。 ここでゼロ戦の本物が見られるとは思わなかった。 高柳式テレビジョンの復元。1927年(昭和2年)の実験を再現して、 カタカナの「イ」が、円い画面に映し出されている。 走査線がかなりまばらだけど、「イ」の字だとはっきりわかる。 1944年(昭和19年)に製作された、九元連立方程式が解けるという計算機。 計算機というより、はたおり機か、カイコの糸をつむぐ機械みたいだ。 リレー式電子計算機、真空管式電子計算機も展示。 卓上手回し計算機や計算尺、初期の電卓もあった。 カシオが1957年に造ったものは、机に機械本体が入った大きなものだが、 クリーンルームに入れる必要がないということが、画期的だったらしい。 世界初のマイクロプロセッサ・インテルi4004、 日本初のマイコンキット・TK-80もあった。 また、国鉄の座席予約システム・マルス101が、 初期のオンラインシステムの例として展示されている。 宇宙開発。23センチのペンシルロケットから、人工衛星おおすみの模型、 H-IIロケットに積まれていたSFU(宇宙実験・観測フリーフライヤ)。 SFUは1996年(平成8年)、若田光一氏のロボットアームで回収されたそうだ。 最後に、今年の日本自動車殿堂の歴史車、トヨタクラウン。 今の高級車よりずいぶん小さい。 これにて2階は終わり。時計を見ると、……午後3時53分! やばい。あと1フロア回れるかどうか、微妙になってきた。 3階。雑木林を再現した「たんけん広場 -発見の森-」を通って、 哺乳類と鳥類を特集した、「大地を駆ける生命」へ。 ラクダや虎、熊など大型獣のはく製が並ぶ。 パンダは上野動物園にいた、フェイフェイとトントン。 トナカイやヘラジカ、イボイノシシなど、角や牙を持った動物、 ゴリラやオランウータンなどの猿、ライオンなど肉食獣、さまざまな鳥。 絶滅したニホンオオカミや、絶滅危惧種のはく製を見て、この階も終了。
企画展の「南方熊楠」をまだ見ていなかったので見る。 南方熊楠は、アメリカやイギリスで植物などを研究し、 帰国後は故郷の和歌山で、シダ植物や粘菌などの研究に勤しんだ。 神社の森の植生が失われることをおそれ、神社合祀の反対運動も行なっている。 ……要約するとこんな感じだが、アメリカに渡った経緯や、海外での活動や、 あと、「南方マンダラ」という独自の世界観にも興味がある。 南方熊楠については、いずれもっと深く調べてみたい。 国立科学博物館のホームページはこちら ショップを見て、国立科学博物館を出ると、午後4時50分。 外はもう真っ暗。 西郷さんの像の前を通り、
長きにわたる上野の旅を終え、次の目的地へ進むことにする。 JR上野駅へ……は向かわず、中央通りを南へ歩く。
¥160の切符を買った。 せっかく上野まで来たのだから、浅草を素通りするわけにはいかない。 (ゲーム路銀 ¥10,390-¥160=¥10,230) ゲーム路銀が減ったのも、すごく久々。 外は寒いが、地下は暑くて汗が出る。ジャケットを脱ぐ。 午後5時24分発。上野−浅草は1927年(昭和2年)に開通した、 日本初、そしてアジア初の地下鉄路線だ。 稲荷町、田原町と過ぎ、
浅草文化観光センターで休憩。浅草と、上野・谷中の観光パンフレットをもらう。
少し早いけど晩ごはんにしよう。昼を食べていないので、お腹がすいていた。
神谷バーといえば、電気ブランが有名だが、私はお酒が飲めないので、 2階のレストランで、ハンバーグステーキとプリンを食べた。 まだ早い時刻だが、既に満席。にぎやかである。 洋食屋の雰囲気も、存分に堪能した。 1階の売店で、電気ブランストラップを購入。 神谷バーのホームページはこちら 小雨が降っていた。次回、本格的に浅草の街を回ることにしよう。 7時17分の電車で帰る。 ¥10,230 今回のルート
台東区観光課 上野観光連盟 東京の観光 丸ごとガイド JR東日本 東京メトロ 次回、「日本縦断ゲーセン紀行 74.東京山手線編(8)」では、 浅草の街を巡って、久しぶりにゲーセンへ。 「日本縦断ゲーセン紀行 72.東京山手線編(6)」に戻る 「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る |
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