ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
99.おごそかで穏やかな北鎌倉
スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
前回のゲーセン紀行の後、また風邪をひいてダウン。 しかもその前にひいた時より高い、38度6分をたたき出す。 2007年11月4日。熱もおさまったし、体調もほぼ回復したと思うのだが、 まだ若干の不安があり、今朝も筋肉痛で目を覚ます。 外に出ると、穏やかな日差しが目に染みて、ちょっとキツい。 12時ちょうど、大船駅着。着いて間もなく、隣のホームを 特急スーパービュー踊り子が通過していった。
竹やぶの中の細い坂を、あえぎながら上る。 上り切った所にある門で、参拝料¥300を納めて、境内に入った。
1929年(昭和4年)、国民の平安と国家の安寧を祈願して、観音像の建立が計画される。 しかし戦争のため資金・資材不足に陥り、長年未完成のまま放置されていた。 1957年(昭和32年)から、修仏工事が再開され、1960年に完成したそうだ。
観音様の胎内に入ることができる。同じ姿の木像が安置されている。 像建設中のときの写真が展示されていた。 階段を下りる。照心閣という建物から、和太鼓の音とお経の声が聞こえる。
広島・長崎の爆心地の石と、第五福竜丸の備品が、千羽鶴を刻んだそりに載っている。 その両脇には、“原爆の火”と、 「核兵器もない 戦争もない 平和な世界を」と刻まれた碑があった。 またその近くには、ニューギニアで亡くなられた戦没者の方々をまつる慰霊碑もあった。 大船観音寺のホームページはこちら 神妙な気持ちになって、大船駅に戻ってきた。 ここから先は、前回通過した横須賀線を戻り、北鎌倉、鎌倉とたどって行こうと思う。 午後1時4分発の逗子行きに乗った。 湘南新宿ラインから来た、湘南色(緑とオレンジ)のラインが入ったE231系だった。 発車すると、右側を回送の成田エクスプレスが並走するが、すぐにこちらが追い越す。 右側の留置線に、E217系電車が停車中だった。 閑静な住宅街を通って、1時6分、北鎌倉駅着。 (ゲーム路銀 ¥19,225-¥130=¥19,095)
なぜホームがこんな構造になったかというと、 横須賀線は円覚寺の境内を突っ切っていて、 ホーム拡張の際、下り方向に伸ばすと円覚寺の参道を塞いでしまうので、 上り方向にしか伸ばすことができなかったからのようだ。
駅前の道路を左へ。有名なお寺が並んでいるのだが、遠い方から順に訪ねてみよう。 円覚寺の駐車場に自動販売機があったので、カルピスウォーターを飲んで小休止。 朝からの頭痛と筋肉痛は、既に消え失せていた。 狭い歩道を歩く。人が車道にはみ出すほどだが、歩くのに難儀するほどではない。 起伏もさほど激しくなく、11分後、あっさり建長寺に着いた。 もっと苦労するかと思っていたが。(拝観料¥300)
千手観音像と、釈迦苦行像を安置。 苦行像はパキスタンにあるお像を、 愛・地球博での展示のために写して作られた像だそうだ。 天井では、小泉淳作氏の描いた龍が、にらみをきかせていた。 奥の唐門も国重文で、増上寺から移築された。 その奥にある方丈の縁側を回って、裏の庭園を見ることができた。 芝に池と数本の松、岩を配したシンプルなものだが、落ち着きがある。 2003年(平成15年)に改修されたそうで、 これから松が大きくなれば、また違った雰囲気になるかもしれない。 偶然、年に一度の「宝物風入れ展」の最中で、 建長寺に伝わるお宝を見ることができた(入館料¥500)。 陶磁器や蒔絵、掛け軸、書状(足利尊氏のものも)、仏像、北条時頼の座像(重要文化財)。 方丈の中が第2会場となっていた。掛け軸が多く、狩野探幽の仏画や、重要文化財も。 開山・蘭渓道隆像(絵画)と、蘭渓道隆の書いた「大覚禅師法語規則」は国宝になっている。 仏画に囲まれ、おごそかな気持ちになって外へ出た。 建長寺のホームページはこちら 細い歩道を戻る。ゆるやかな下り坂。踏切の手前で右に折れ、明月院へ(拝観料¥300)。 あじさい寺として知られる。
奥には鎌倉幕府第5代執権、北条時頼の墓もあった。 幕府での北条氏の体制を確立し、建長寺を建てた人物の割には、 質素な感じのお墓で、静かにひっそりとたたずんでいる。 明月院は、時頼が興した禅興寺の塔頭(たっちゅう、末寺)だったが、 禅興寺の方は残っていない。
『地雷ではなく花をください』などで知られる画家、葉祥明氏の作品が展示されている。 小さなフィールドの中に、どこまでも続く青空が広がっていた。 大きなサイズの油絵は、また少しタッチが違う。 2階に上がると、絵本のイメージとはまったく異なる デッサンや水彩画、写真、詩もあった。 洋館の各部屋に展示され、くつろいで鑑賞できる。玩具のコレクションもある。 「あなたの重荷をほんの少しだけでも軽くしてお帰り下さい。 大丈夫、きっと全て良くなります!」 と書かれた、葉さん直筆のメッセージに元気づけられた。 明月院のついでのつもりが、葉さんの詩にすっかり心を動かされ、 詩の書かれたポストカードを4枚も購入。 あと、ルー大柴さんの「MOTTAINAI」Tシャツに描かれていた犬が、 葉さんの描かれた「ジェイクくん」だということを初めて知った。 葉祥明氏のオフィシャルサイトはこちら
ということは当然、駅前の円覚寺にも行けないわけで。 次回はこれら2寺を巡ることから始めよう。 駅前の、落ち着いた感じの喫茶店で、ハヤシライスを食べた。 ずいぶん遅い昼ごはんである。
4時56分の君津行きに乗って帰る。 ¥19,095 今回のルート
鎌倉市観光課 観光かながわNow JR東日本 江ノ島電鉄 湘南モノレール 次回、「日本縦断ゲーセン紀行 100.湘南編(3)」では、 円覚寺と鶴岡八幡宮へ行く。 「日本縦断ゲーセン紀行 98.湘南編(1)」に戻る 「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る |
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