ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

99.おごそかで穏やかな北鎌倉
〜湘南編(2)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥19,225




大船

前回のゲーセン紀行の後、また風邪をひいてダウン。
しかもその前にひいた時より高い、38度6分をたたき出す。
2007年11月4日。熱もおさまったし、体調もほぼ回復したと思うのだが、
まだ若干の不安があり、今朝も筋肉痛で目を覚ます。
外に出ると、穏やかな日差しが目に染みて、ちょっとキツい。
12時ちょうど、大船駅着。着いて間もなく、隣のホームを
特急スーパービュー踊り子が通過していった。

今回は西口から外に出た。
なお、今回からカメラを変えてみた。
遂にデジカメになったのだ。
ワンダースワンの旅の初回から使っていた
銀塩カメラを、よく使い続けたと思う。

今日最初の目的地は、駅前からもよく見える
大船観音だ。
駅前を流れる柏尾川に架かった大和橋を渡り、
「大船観音入口」と書かれた細い路地へ。

以前に1回来たことがあるが、
ここからの上り坂がきついのだ。

竹やぶの中の細い坂を、あえぎながら上る。
上り切った所にある門で、参拝料¥300を納めて、境内に入った。

観音様のお顔が、緑の丘から突き出していた。
像の高さは25.39メートル。

1929年(昭和4年)、国民の平安と国家の安寧を祈願して、観音像の建立が計画される。
しかし戦争のため資金・資材不足に陥り、長年未完成のまま放置されていた。
1957年(昭和32年)から、修仏工事が再開され、1960年に完成したそうだ。

石段を上がって、観音様の正面に出た。
あらためて、その大きさに圧倒される。
青空に白い肌が映え、美しい。

脇のベンチから、大船駅がよく見えた。
こんなに上って来てたんだ。

観音様の胎内に入ることができる。同じ姿の木像が安置されている。
像建設中のときの写真が展示されていた。

階段を下りる。照心閣という建物から、和太鼓の音とお経の声が聞こえる。

慈光堂の下に、原爆被災祈念碑が建っていた。
神奈川県在住の被爆者の皆さんが、
原爆で亡くなられた方々の霊を慰めるために
建立されたものらしい。

広島・長崎の爆心地の石と、第五福竜丸の備品が、千羽鶴を刻んだそりに載っている。
その両脇には、“原爆の火”と、
「核兵器もない 戦争もない 平和な世界を」と刻まれた碑があった。

またその近くには、ニューギニアで亡くなられた戦没者の方々をまつる慰霊碑もあった。

大船観音寺のホームページはこちら

神妙な気持ちになって、大船駅に戻ってきた。
ここから先は、前回通過した横須賀線を戻り、北鎌倉、鎌倉とたどって行こうと思う。
午後1時4分発の逗子行きに乗った。
湘南新宿ラインから来た、湘南色(緑とオレンジ)のラインが入ったE231系だった。

発車すると、右側を回送の成田エクスプレスが並走するが、すぐにこちらが追い越す。
右側の留置線に、E217系電車が停車中だった。
閑静な住宅街を通って、1時6分、北鎌倉駅着。
ゲーム路銀 ¥19,225-¥130=¥19,095


北鎌倉

この駅で通常使われる出口は、
下り方面の端にしかない。
私はこのことを忘れていたけれど、
たまたま前の方に乗っていたから良かった。
今ホームでメモをとっている間にも、
15両編成の後ろの方に乗っていた
お客さんたちが、長いホームを歩いて
改札の方へ向かっている。

なぜホームがこんな構造になったかというと、
横須賀線は円覚寺の境内を突っ切っていて、
ホーム拡張の際、下り方向に伸ばすと円覚寺の参道を塞いでしまうので、
上り方向にしか伸ばすことができなかったからのようだ。

構内踏切を渡って、
白い下見板張りの木造駅舎を抜ける。
関東の駅百選に選ばれている。

駅前の道路を左へ。有名なお寺が並んでいるのだが、遠い方から順に訪ねてみよう。
円覚寺の駐車場に自動販売機があったので、カルピスウォーターを飲んで小休止。
朝からの頭痛と筋肉痛は、既に消え失せていた。

狭い歩道を歩く。人が車道にはみ出すほどだが、歩くのに難儀するほどではない。
起伏もさほど激しくなく、11分後、あっさり建長寺に着いた。
もっと苦労するかと思っていたが。(拝観料¥300)

鎌倉五山の第一位、建長寺。
1253年(建長5年)に建立されたお寺で、
臨済宗の道場でもある。
けんちん汁の発祥地とされている。
立派な三門は、国の重要文化財。
1775年に建てられたもの。

そのかたわらにひっそりとたたずむ梵鐘は、
1255年のもので、国宝となっている。
知らなかったら気づかずに
通り過ぎてしまいそうな場所にある。

仏殿に参拝。こちらも国重文で、
芝・増上寺のお江の方(徳川秀忠夫人)の
霊屋を譲り受けたとか。
御本尊はお地蔵様。
仏殿の前に並ぶビャクシンの木は、
建長寺を開いた蘭渓道隆(大覚禅師)の
お手植えといわれている。

法堂(はっとう)の内部が
特別公開されていた。
1814年に建てられた国重文。

千手観音像と、釈迦苦行像を安置。
苦行像はパキスタンにあるお像を、
愛・地球博での展示のために写して作られた像だそうだ。
天井では、小泉淳作氏の描いた龍が、にらみをきかせていた。

奥の唐門も国重文で、増上寺から移築された。
その奥にある方丈の縁側を回って、裏の庭園を見ることができた。
芝に池と数本の松、岩を配したシンプルなものだが、落ち着きがある。
2003年(平成15年)に改修されたそうで、
これから松が大きくなれば、また違った雰囲気になるかもしれない。

偶然、年に一度の「宝物風入れ展」の最中で、
建長寺に伝わるお宝を見ることができた(入館料¥500)。
陶磁器や蒔絵、掛け軸、書状(足利尊氏のものも)、仏像、北条時頼の座像(重要文化財)。

方丈の中が第2会場となっていた。掛け軸が多く、狩野探幽の仏画や、重要文化財も。
開山・蘭渓道隆像(絵画)と、蘭渓道隆の書いた「大覚禅師法語規則」は国宝になっている。
仏画に囲まれ、おごそかな気持ちになって外へ出た。

建長寺のホームページはこちら

細い歩道を戻る。ゆるやかな下り坂。踏切の手前で右に折れ、明月院へ(拝観料¥300)。
あじさい寺として知られる。

今の季節は緑に包まれ、静かな雰囲気。
紅葉はまだのようだ。

本堂の前に、小さいながらも
きれいな枯山水があった。

奥の開山堂は、
三方を切り立った崖に囲まれている。
崖の一角に、「やぐら」とよばれる
洞窟墳墓がある。
関東管領・上杉憲方の墓とされるものも。

さっきは気がつかなかったが、
入口の近くに花壇があった。

奥には鎌倉幕府第5代執権、北条時頼の墓もあった。
幕府での北条氏の体制を確立し、建長寺を建てた人物の割には、
質素な感じのお墓で、静かにひっそりとたたずんでいる。
明月院は、時頼が興した禅興寺の塔頭(たっちゅう、末寺)だったが、
禅興寺の方は残っていない。

明月院の近くに、
葉祥明美術館があったので立ち寄ってみた。
(入館料¥700/ショップは入館無料)

『地雷ではなく花をください』などで知られる画家、葉祥明氏の作品が展示されている。
小さなフィールドの中に、どこまでも続く青空が広がっていた。

大きなサイズの油絵は、また少しタッチが違う。
2階に上がると、絵本のイメージとはまったく異なる
デッサンや水彩画、写真、詩もあった。
洋館の各部屋に展示され、くつろいで鑑賞できる。玩具のコレクションもある。

「あなたの重荷をほんの少しだけでも軽くしてお帰り下さい。
大丈夫、きっと全て良くなります!」
と書かれた、葉さん直筆のメッセージに元気づけられた。

明月院のついでのつもりが、葉さんの詩にすっかり心を動かされ、
詩の書かれたポストカードを4枚も購入。
あと、ルー大柴さんの「MOTTAINAI」Tシャツに描かれていた犬が、
葉さんの描かれた「ジェイクくん」だということを初めて知った。

葉祥明氏のオフィシャルサイトはこちら


踏切を渡る。東慶寺に来てみたが、
参道の露店が片付け作業の真っ最中。
現在午後4時15分。閉門が4時半とのことで、
また日を改めて来ることにした。

ということは当然、駅前の円覚寺にも行けないわけで。
次回はこれら2寺を巡ることから始めよう。
駅前の、落ち着いた感じの喫茶店で、ハヤシライスを食べた。
ずいぶん遅い昼ごはんである。

食事して体力も回復したが、
もう行く所がない。
まだ日も落ち切ってないのだが、
今日はこれで帰ることにしよう。

「関東の駅百選」プレートが、
構内踏切の横に飾られていた。

4時56分の君津行きに乗って帰る。

現在のゲーム路銀
¥19,095

今回のルート
1.大船観音 2.県立フラワーセンター大船植物園
3.円覚寺 4.明月院、葉祥明美術館 5.建長寺 6.鶴岡八幡宮
7.東慶寺 8.銭洗弁天 9.源氏山公園 10.逗子マリーナ 11.光明寺
12.高徳院(鎌倉大仏) 14.鎌倉文学館 15.長谷寺(長谷観音)
16.極楽寺

鎌倉市観光課  観光かながわNow
JR東日本  江ノ島電鉄  湘南モノレール
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 100.湘南編(3)」では、
円覚寺と鶴岡八幡宮へ行く。
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