ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
20.真っ赤なレンガと真っ赤な墓石〜函館編(3)〜:後半

桜がまだ残っている神社の境内を通って、

午後4時ちょうどに谷地頭電停へ戻ってきた。
電停前の売店で、牛乳を1本買って飲む。
電車に乗って十字街で降り、どっく前行きに乗り換える。
偶然、箱館ハイカラ號がやってきた。
今朝とはうって変わって、すいている。
座って隣に荷物が置けるほど。
アナウンスの観光案内もじっくり聞けた。
函館どっく前
終点・函館どっく前到着。
(ゲーム路銀 -\10,270-\220=-\10,490
外国人墓地へと向かう。
途中、立派な山門の前を通った。
1633年創建の、高龍寺というお寺のもので、
この山門は明治44年(1911年)に建てられた。
本堂はそれより古く、明治33年(1900年)のもの。
箱館戦争のとき、このお寺で旧会津藩の傷病兵が斬殺されたそうで、
境内に「傷心惨目(しょうしんざんもく)の碑」と
名づけられた慰霊碑があった。
そしてこちらが外国人墓地。
ひと口に「外国人」といっても、
プロテスタント、中国人、ロシア人と分かれている。
写真はプロテスタントの墓地。海がよく見える。
ペリー艦隊の水兵2人が、ここに葬られたのが、
墓地の作られた始まりだったとか。
ちなみにその水兵、1人は50歳、もう1人は19歳だったそうだ。

道の向かいには曹洞宗のお寺があり、
遊女たちを供養した「有無両縁塔」や、
明治・大正時代のホームレス・万平をまつった「万平塚」がある。
この万平という人は、他人から恵まれることをよしとせず、
ゴミ箱をあさって、その家の人物評をつづったという、
ユニークな人だったようだ。
今でも探偵の世界では、「ゴミを見るとその家がわかる」と言われるそうだが……。

さらにその先へ歩いていくと、驚くべきお墓に遭遇した。


「天下の号外屋翁」こと、信濃助治(しなの・すけじ)の墓。
真っ赤である。
周りのお墓から完全に浮いている。

この信濃助治という人、生前に「赤は赤心(いつわりのない心)を表す」からと、
常に赤ずくめの格好をしていたそうだ。
日清戦争の頃、北海新聞の号外をまいて「天下の号外屋」と自称。
戦争終結後、名将軍を全国に訪ねて書を頼むなど、奇行が多く、
当時の人からみても「奇人」だったらしい。
こういう人、大好き。私もかくありたいと思い、墓地を後にした。

どっく前まで下りてきたところで、
旧ロシア領事館の建物を見ていなかったことに気づき、また坂を上る。
急勾配の途中にある、旧ロシア領事館。
坂を下るとき、函館どっくの様子がよく見えた。
旧函館区公会堂の前で、午後6時を迎えた。
ガンガン寺(函館ハリストス正教会)の鐘を聞く。
以前にも書いたが、公会堂は1910年(明治43年)のもので、
国の重要文化財に指定されている。
内部は一般公開されている(入館料\300)が、もう午後6時。
閉まってるだろうな、と思っていたのだが、
運のいいことに、午後7時まで開いていた(4月から10月まで)。
ルネサンス調の、優雅な建物である。
シャンデリアをつるす、天井の飾り模様が良い。
ピアノの音が流れる大広間で、ひとり静かに時を過ごす。
何だか今回の旅は、
やたら「静かに」とか「ゆったり」とか「のんびり」とかが多い気がするが、
そんなに私は疲れているのだろうか?
……疲れている。確かに疲れている。

2階のバルコニーから眺める景色がまた良い。

旧函館区公会堂のホームページはこちら

元町公園を通って、中華会館へ。
中華会館は明治43年(1910年)に完成した建物で、
純中国風レンガ造りの建物は、日本で唯一だそうだ。
大町電停から函館駅前へ戻る。
(ゲーム路銀 -\10,490-\220=-\10,710
駅の時計を見ると、現在6時55分。
で、目の前のボーニモリヤは、7時半まで開いている。
今朝看板を見て気になっていた、「アミューズメントパーク」に行ってみた。
しかし例によって、プライズとプリクラとメダルばかりで、
ゲーム路銀を稼ぐことはできなかった。
それにしても、デパートも博物館も、けっこう遅くまで開いていて、
観光客にとっては便利な街といえよう。

午後7時。昨日も行った「ゲームインバルセロナ」へ行ってみる。
『ミスタードリラーG』を3回プレー。
アメリカ編を2回クリアーしたが、3回目は949mで終わってしまったので、
トータル-300+2,900。(ゲーム路銀 -\10,710+\2,600=-\8,110
駅前のドトールでひと休み。

今日は、北斗星2号で東京まで帰る予定なのだが、
北斗星は午後9時48分発。まだ1時間半以上ある。
寒いので、とりあえず駅に入る。
これだけ時間があるのだから、夕食を食べようと思ったのだが、
駅の食堂は8時クローズ。ゲーセンに行く前に来ればよかった。

時刻表を見ると、9時ちょうどに寝台特急カシオペアが出る。
駅裏の道路から、機関車つけ替えが見られるかもしれないと思い、駅を出る。
気温9度。
震えながら5分ほど待って、気がつく。

カシオペアは隔日運転。今日は来ない日!

震えながら駅に戻って、おとなしく北斗星を待つ。

午後9時30分改札。列車到着は9時39分。

今までの「ゲーセン紀行」では写真に写せなかった、
北斗星カラーのディーゼル機関車。
函館から先は電化されているので、
ここで電気機関車につけ替えられる。
ちなみに、函館では進行方向も変わるため、
電気機関車は反対側の端に連結される。
午後9時48分、寝台特急北斗星2号が出発。
今日は個室寝台「ソロ」に乗ることができた。

翌5月12日の午前9時40分、終点上野に到着。
ここにも石川啄木の歌碑がある。

ふるさとの 訛(なまり)なつかし
停車場の 人ごみの中に
そを 聴きにゆく

現在のゲーム路銀
-\8,110

今回のルート


函館市観光情報サイト
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 函館編(4)」では、
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