ゲイムマンのダイスステーション

日本縦断ゲーセン紀行

137.史跡・競艇・ゲーセン・花火
〜静岡編(23)〜


スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。
ゲーセンでゲームをプレーして、1面クリアーするごとに、
「ゲーム路銀」は¥100ずつ増える。
(ただし、1プレー¥50円のゲームなら¥50ずつ、1プレー¥200なら¥200ずつ。
 ゲームをプレーするためのお金も、「ゲーム路銀」からねん出する)
この「ゲーム路銀」だけを交通費にして、日本縦断を目指すのだ!
(前回までのゲーム路銀 ¥3,465




2010年7月16日。例によって金曜夜のこだま号では座れない。
お弁当持ったまま自由席のデッキに突っ立って移動。

前回から3ヶ月半も間が空いてしまった。本当は5月下旬に動きたかったのだが。
5月は暑くもなく寒くもなく、雨は少なく日は長い、観光にはもってこいの時期だし。
しかも浜名湖競艇場で笹川賞をやってたし。
でも、忙しかったり、天気が悪かったり、ホテルがとれなかったり、
急な用事が入ったりして、梅雨明け間近のこんな時期までずれこんでしまった。

熱海から座れた。熱海といえば、いま旬な話題は『ラブプラス+』か。
……自分はこないだ女性にフラれたばっかりで、今回はその傷心旅行も兼ねているのだが。
心おきなく『ラブプラス+』を楽しめるプレイヤーさんが、心底うらやましかったりする。

豊橋のホテルにチェックイン。翌17日、8時40分起床。
チェックアウトして、荷物を駅のロッカーに入れる。

改札前に、豊橋祇園祭の
手筒花火の「大筒」が鎮座していた。
手筒花火は昨日(16日)行なわれたようで、
今日は打ち上げ花火、
明日は神輿渡御・頼朝行列があるらしい。

駅構内の喫茶店のモーニングセットを朝食とし、
いよいよ今日のスタート地点、弁天島へと向かう。
10時28分発の電車は117系だった。転換クロスシートで、連結面の内壁が木目調。
関西・東海地区で新快速として活躍した電車だ。

10時50分、弁天島駅着。


弁天島

3ヶ月半前はまだ寒かったけど、
今日は絶好の海水浴日和。

今回は前回とは逆に、駅前の道を東へ歩く。
弁天神社があったので参拝。

浜名湖の隅を斜めに突っ切る橋を渡る。
若干ながら潮の香りが漂う。
浜名大橋と鳥居と弁天島海浜公園。
空と湖の青がさわやか。

鳥居にズームイン。
正確には鳥居ではなく、
“シンボルタワー”という名前らしいが。

橋を渡り切った所に木の常夜灯。
さらに進むと同じ常夜灯がもう1本あり、そこが北雁木(がんげ)だった。

北雁木は、浜名湖今切渡しの渡船場跡。
舞阪の3つの渡船場のうち、
唯一現存するもので、
大名や幕府公用役人が使用したという。

石畳と石垣は江戸時代からのもの。
一部石垣が白くなっているのは、昭和28年に台風で崩れ、修復した所。
ごく普通の住宅地の中に、江戸時代の景色が何の気なしに存在する不思議。

さらにもう少し進むと、もう1本常夜灯があり、ここが本雁木跡。

石どうろうのような常夜灯もある。
1815年(文化12年)に造られたもの。

そのすぐ先に、舞阪宿脇本陣が、
民家の間に挟まれるような形で残っていた。

大名・幕府役人が本陣に入れないときに使われたのが脇本陣で、
通常は一般の旅籠(はたご)として使われた。
今残っているのは書院棟で、1838年(天保9年)の建築。
旧東海道で唯一残る、脇本陣の建物。
町役場を経て個人宅となり、1995年(平成7年)に復元された。

中でガイドの方が解説して下さった。
脇本陣時代は、「茗荷屋」(みょうがや)という屋号だったそうだ。
間口は狭いけど奥に長く、畳敷きの部屋と廊下、中庭を挟んで蔵がある。
障子は上半分だけ開けられる「しとみ戸」になっていて、
風が通るので意外と涼しかった。

舞阪宿脇本陣のホームページはこちら

12時15分、弁天島駅に戻ってきた。次の下りは32分。
待合室のベンチでアクエリアスを飲みながら休む。
311系4両編成が来た。転換クロスシート。

橋を渡って湖西市に入った。もう1本、橋を渡る。
左に道路橋、右に東海道本線の上り線と、新幹線の橋。
右側、はるか遠くに見える四角い塔は、浜名湖ガーデンパーク(もと浜名湖花博会場)か。

江戸時代、ここは今切の渡しと呼ばれ、舞阪宿と新居宿は船で結ばれていた。
『東海道中膝栗毛』では、弥次さん喜多さんの乗った船の中で、
蛇つかいの飼っていた蛇が逃げ出して大騒ぎになる。

『鉄道唱歌』では、浜松や舞阪はさらっと名前が出てくるくらいだが、
浜名湖の上を渡る様子は、2番にわたって描かれている。

煙を水に横たへて わたる浜名の橋の上 たもと涼しく吹く風に 夏ものこらずなりにけり
右は入海しづかにて 空には富士の雪しろし 左は遠州洋ちかく 山なす波ぞ砕けちる


12時34分、新居町駅で降りた。
ゲーム路銀 ¥3,465-¥180=¥3,285


新居町(あらいまち)

まずは駅を出て、右にまっすぐ進む。
暑さにへきえきしながら歩くこと8分。

新居関跡に到着した。
(旅籠紀伊国屋との共通入場券¥400)

以前訪れた箱根の関所に似ているが、
あちらは最近になって復元された建物。
こちらは日本で唯一、江戸時代から残る、
関所の建物
なのだ。
国の特別史跡に指定されている。

鴨居が低い。
面番所という部屋に、役人の人形と武器がずらりといかめしく並ぶ。
裏手では、「女改め」の様子が人形で再現されていた。
「入り鉄砲と出女」というくらい、特に女性は厳しく調べられたという。

建物の外には、渡船場の護岸石垣が復元されていた。
昔はここが浜名湖の岸で、舞阪宿から来た船が泊まり、
人々はこの関所を通って、門の先にある新居宿へ向かっていた。

史料館に入る。冷房が効いてて助かる。
1階に手筒花火の筒が並んでいる。

新居関所は、暴風雨や地震・津波で何度か被災し、
現在の建物は1855年(安政2年)に建てられたもの。
明治になって関所が廃止されると小学校となり、さらに町役場となった。

史料館では、通行手形(女手形)、棟札、関所の図面、瓦、浮世絵、
鉄砲などの武器、具足などが展示されていた。
鉄砲はここで厳しく取り調べられたので、箱根の方ではほぼノーチェックだったそうだ。

2階は江戸時代の旅に関する展示。
旅人の持ち物や、駕籠(かご)、竹で編んだ山駕籠、浮世絵、風景写真の絵葉書、
細長い引札(チラシ)、おかげ参りののぼり、さまざまな貨幣、天秤や千両箱など。
多くの通行手形があった。ここが歴史の舞台であることを実感させる。

関所のすぐ近くにある、
旅籠(はたご)紀伊国屋資料館へ。
元禄以降、紀州藩の御用宿となった旅籠。

建物は1874年(明治7年)、火災で焼失し、再建された。
昭和30年代まで、旅館として続けていたそうだ。
2001年(平成13年)、東海道400年を記念して、
江戸時代の様式を残す、明治時代の形に復元され、公開されている。

先にいらしていた若いご夫婦と一緒に、ガイドの方の解説をうかがう。
多くの部屋が並んでいる。それぞれ6畳〜8畳間。
宿泊客に出された夕食が再現されていた。うなぎが名物だったらしい。
風呂桶の脇に、由美かおるさんのサインがあった。
裏の土蔵の中に、この旅籠の建物を復元する様子を写した、写真が掛かっていた。

午後2時48分、駅に戻ってきた。
駅の向かいに、手筒花火の像がある。

まだ電車には乗らない。もう1ヶ所行きたい場所が、線路の向こう側にある。
向こうに抜ける道を探そう。駅前に地下道があったので入ってみた。
……目の前のバス停に出ただけだった。
パッと見、線路を渡れそうな道が近くになかったので、
入場券を買って、駅の中を抜ける。
この入場券代は交通費じゃないから、ゲーム路銀から引かなくていいんだよな確か。

蒸す跨線橋をまっすぐ歩いて北口へ出た。
改札前にあるモニターに映し出されたのは、ちょうど始まった今日の第8レース。

ここは浜名湖競艇場専用口なのだ。

浜名湖競艇場では現在、女子リーグ戦の
G3「フラワーカップ」が開催されている。

今日は入場無料になっていた。

入ってすぐにエンジン音が聞こえた。すぐそこが1マーク(第1ターンマーク)だった。
予想屋さんのダミ声も聞こえる。建物はかなりきれい。
第9レースは締め切りが近いので、舟券は買わないが予想だけしてみよう。
3連単で2→1→5か2→5→1、3連複の1-2-5と予想したが、
結果は1→4→5だった。よかった、買わなくて。

不安になったが10レースは買う。競艇でゲーム路銀を増やしてみよう!
大井競馬場では大きくゲーム路銀を減らしてしまったが、
私は2年間競艇関連の原稿を書いてたことがあるので、競馬よりは当たるかもしれない。

10レースでは、人気上位の1(魚谷香織選手)、2(金田幸子選手)、
4(平高奈菜選手)に、勝負駆けの3(喜多那由夏選手)も可能性があると思って、
1→2→3、1→2→4、2→1→3、2→1→4、1→4→2、2→4→1、以上6点を¥200ずつ。

場内を歩いてみた。中央ゲートのある建物は、南側入口よりさらに新しい。
南欧風の、オレンジの瓦屋根で囲まれたアトリウム。開放感がある。
冷房の効いたガラス張りの2階席。これが有料指定席じゃないから驚く。

第10レースを大時計前で観戦。1→4までは予想どおりだったが、
3着に6(加藤綾選手)が来てハズレ。
ゲーム路銀 ¥3,285-¥1,200=¥2,085

11レース。安定した1(池田明美選手)と勝負駆けの2(平山智加選手)を軸に、
1→2→3、1→2→4、2→1→3、2→1→4、4→1→2の、5点を¥300ずつ。
牛丼を買って、2階の席で食べながら見る。
しかし結果は1→3(片岡恵里選手)→6(西村めぐみ選手)。
勝負駆けの選手が勝負に失敗すると着外になるのは仕方ない。
ゲーム路銀 ¥2,085-¥1,500=¥585

さて、今のレースでゲーム路銀の残りを計算し間違えて、
もう最終レースで舟券を買えるお金が残っていない。
1点¥100で4点とか、¥400で1点勝負とかならできそうだけど、
はずれたらもう電車にも乗れなくなってしまうので、最終レースは見(けん)。

一応予想はしておく。1(長嶋万記選手)、4(佐々木裕美選手)、5(池田浩美選手)は、
成績が安定してるけど準優勝戦行きは当確。
2(今井裕梨選手)、3(西村歩選手)は勝負駆けだが、
スタート展示で2が大外に行ったのが気になる。
3が勝負に出るも1をかわし切れず、1→3→4、1→3→5、1→4→3、1→5→3の4点と予想。

……当たるか、しかし。
進入は枠なりだったが、まったく読みどおりの展開で1→5→3。3連単は¥3,390。
買ってない……。
¥100でも買っておけば、前2レースの負け分を回収できたんだよなあ。
11レースで1点¥200円にとどめておけば。

1マークの向こうを、新幹線が駆け抜けていった。
さっきからしょっちゅう通過しているのだが、
後悔している最中に目にすると、なぜか悲しい。

浜名湖競艇場のホームページはこちら

午後5時32分、新居町駅に戻ってきた。39分の豊橋行きに乗って先へ進もう。
313系3両は、都心の電車並みに混んでいた。
住宅地、掘割を経て、また住宅地。掘割の所で、新幹線の線路は見えなくなった。
鷲津で多くの人が降りるが、それ以上に多くの人が乗ってきた。
でもここは通過します、ごめんなさい。

左に一瞬、浜名湖れんが館が見えた。
湖西市はかつて製糸業が盛んだったそうで、
れんが館は1904年(明治37年)に造られた乾繭倉庫の建物。

また湖西市は、トヨタの創始者・豊田佐吉のふるさとでもある。
市内にある豊田佐吉記念館には、その生家が復元されており、
豊田佐吉が発明した自動織機などが展示されているらしい。
ただ、鷲津駅からは2キロほど離れている。

家並みに工場が交じる。線路は高架となり、見通しがきくようになった。
ふかふかのじゅうたんのような田んぼが広がる。
森に突入。しばらく掘割を走る。

5時48分、新所原で降りた。
ゲーム路銀 ¥585-¥190=¥395


〜鷲津〜
新所原(しんじょはら)

木造で小さいながらも、明るい感じの駅。
外観は観光地のおみやげ屋か
レストランみたい。

隣には天竜浜名湖鉄道の駅舎がある。
天浜線には掛川から西掛川まで
ほんのわずかな区間だけ乗ったが、
実はこの路線、
掛川から、浜名湖の北側を通って、
ここまで至る長い路線なのだ。

さっき競艇で減らしたゲーム路銀を増やしに行こう。
ここから西へ300メートルほど行くと、ゲーセンがあるらしい。

ごく普通の住宅地の中を歩いていくと、
道路の上に出ていた標識に
「愛知県」と出ていた。
何と、ここが県境なのだ。
ゲーセン紀行初の、徒歩で県境越え。

スタートから1道1都11県め、愛知県に到達!

さらに先へ進むと、
オートレストラン ミッキークラブがあった。
「ゲーム」と書かれた看板が出ている。

中に入ると涼しい。
小さめの店舗ながらも、プライズ、パチンコ・スロット、
「ホースライダーズ2」や「麻雀格闘倶楽部」、そしてビデオゲームあり。
店内の自販機でポッカコーヒーを買ったら、7が3つそろってもう1本ゲット。
ポッカで当たりが出たところを初めて見た。

ビデオゲームは、ストリートファイターIV、ボンバーマンワールド、
パズルボブル、上海 万里の長城。
手堅いところでと思って「ボンバーマンワールド」をプレイしたが、
操作ミスが響いて2面でアウト。入れた¥100と相殺されてゲーム路銀の増減はなし。
「ストリートファイターIV」へ。初プレイだが、
ビギナーモードを選んだのが幸いしたか、5面クリア。春麗でザンギエフに負ける。
もう1回プレイして4面クリア。今度はリュウに負ける。
ゲーム路銀 ¥395+¥700=¥1,095

徒歩でもう一度県境を渡り、駅に戻ってきた。天浜線の駅に入る。
小さな駅舎だが、うなぎ屋さんのカウンターがある。
ここでうなぎ弁当を買って晩ご飯にしよう、と思っていたが、
営業は午後6時半で終了。今は6時58分。弁当の在庫もなくなった様子。
さっきゲーセンに行く前に、予約注文しておけば良かったか。
いま気がついてもしようがない。

JR新所原駅に戻った。
日が暮れる前に、もうひと駅進んでおこう。次の下りは午後7時14分。
313系3両。さっきほどではないがお客さんが多い。
駅を出て左手に工場。やがて両側に田んぼ。緑のじゅうたんが広がる。
筋雲が赤く染まっている。
左手に、新幹線の防音壁が寄ってきて並行。右手は住宅地。


二川(ふたがわ)

7時17分、二川駅着。
ゲーム路銀 ¥1,095-¥180=¥915
さっきより暗くなってきた。
上弦に少し届かない月も出てきた。

愛知県最初の駅、二川。いろいろ見どころはあるのだが、
もう遅いので、今日はここで終了。続きはまた明日にしよう。

7時41分の電車に乗って、今朝泊まっていた豊橋へ戻る。
さっきから、浴衣姿の若い女性をよく見かける。今日は豊橋祇園祭の2日目。
豊橋の豊川沿いで、花火が上がるらしい。
やってきた電車は6両編成だったので、さほど混んでいなかった。
豊橋駅に着く直前、建物の間からもう花火が見えた。
駅から豊川までは、ちょっと距離があるはず。
車内からこんなにはっきり見えるとは思わなかった。


豊橋

駅前の歩行者デッキから、花火がこれだけきれいに見える。

街の明かりがあるおかげで、
三脚がなくても写真を撮りやすい。

もちろん歩行者デッキは、
ご覧のとおりの人だかり。
8時40分まで、色とりどりの花火を
たっぷりと堪能した。

花火はまだ続いているが、あまり遅くならないうちに、今日の宿に向かうこととする。
駅に戻ってロッカーから荷物を出して、
キヨスクで、残ってたオムハンバーグ弁当を買って、
8時50分発の特別快速に乗って、岡崎へ。
この打ち上げ花火のためか、豊橋駅の近くのホテルがとれなかったのだ。
(もっとも、東海道本線沿線では、熱海に至るまでホテルが満室だったので、
何かほかに混んでる理由があるのかもしれない)

豊橋駅を出発し、夜の豊川を渡る。車窓からしばらく花火が見えていた。
9時10分、岡崎駅着。ホテルにチェックイン。
お風呂に入ったら、疲れが脚に来ていることがよくわかった。

現在のゲーム路銀
¥915

今回のルート
1.東海道松並木 2.舞阪宿脇本陣 3.浜名湖ガーデンパーク
5.弁天島シンボルタワー 6.浜名湖競艇場
7.新居関所・新居宿旅籠紀伊国屋資料館
8.浜名湖れんが館 9.豊田佐吉記念館 10.おんやど白須賀
11.二川宿本陣資料館 12.岩屋観音(大岩寺)・豊橋市地下資源館
14.豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)

浜松観光コンベンションビューロー  湖西市観光情報  豊橋観光コンベンション協会
ハローナビしずおか(静岡県)  愛知県観光ガイド
JR東海  名古屋鉄道  天竜浜名湖鉄道  豊橋鉄道
次回、「日本縦断ゲーセン紀行 138.三河編(1)」では、
意外に観光名所が集中していた二川の町へ。
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