ゲイムマンのダイスステーション 日本縦断ゲーセン紀行
188.夫婦岩ひとりぼっち
スタート時点での「ゲーム路銀」は、「ゲーセン」にちなんで¥5,000(G千)。 2014年8月3日。8時15分起床。 今日は二見浦駅周辺の観光スポットを回る。 夫婦岩(めおといわ)で知られている場所なので、一見デートコースっぽいが、 行きたいスポットを全部回るには、かなり急いで動かなくてはならなさそう。 過酷なデートコースである。 普通はどこか1ヶ所飛ばすか、 あるいは2日に分けて、伊勢か鳥羽か志摩の観光地と合わせて回るんだろう。 というかそもそもデートじゃなくて一人旅だし。 伊勢市のホテルをチェックアウト。 もうちょっと支度を急げば、9時29分の快速に間に合っていたかも。 9時29分の次が10時22分。9時台後半にもう1本あればいいのに。 自分が30分早く起きればいいだけの話だが。 しかし、この後もJRでの移動。 しかも伊勢市から北は快速の止まらない駅ばかり回るので、 この先は列車の時間に苦労しそうだ。
改札を入ってすぐの場所にロッカーがあるのは、昨日確認済み。 空きがあって良かった。荷物を入れる。 10時22分発の鳥羽行きに乗る。 車両はキハ75形の4両。転換クロスシート。快速みえ用の車両だ。 今日のルートでは朝ごはんを食べる場所がないので、車内でカロリーメイトを食べる。 クロスシートで良かった。
列車の写真を撮ってたら、車掌さんがほかのお客さんの切符を回収してた。 あわてて切符を出す。
二見浦表参道。 お祭りの山車を中心とした行列に遭遇したが、遠かったため写真は撮れず。 海岸の方へ向かってまっすぐ歩き、突き当たりの旅館の前を右折。 蝉がシャワシャワ鳴いている。
いよいよ海岸に出た。 浸食対策工事中で、クレーンやパワーショベルが並んでいる。 松尾芭蕉の句碑がある。 「うたがふな潮(うしほ)の花も浦の春」 碑を見ているとき、急に花火が打ち上がってびびる。 本居宣長の碑もあった。宣長は近くの松坂(松阪市)出身。 「かはらじな波はこゆとも二見がた妹背の岩のかたき契りは」
二見興玉(おきたま)神社に到着。駅からゆっくり歩いて25分くらい。 車で直接来る人が多いようで、急に人の姿が増えてきた。
解説文によると、男岩は高さ9メートル、女岩は4メートル。 その間は9メートルあり、長さ35メートルのしめ縄で結ばれている。 大しめ縄の手前が俗世、向こうが聖なる場所と考えられているらしい。 しめ縄は650年前には、既に張られていたそうだ。 もちろん昔から同じ縄というわけではなく、 今でも年に3回、新しいしめ縄が作られ、張り替えられている。
空は曇っているが、波は穏やか。 私がここに来るのは2度目だが、 以前来たときは波が高くて、海沿いに建つ社殿が波をかぶっていた。
二見興玉神社のホームページはこちら
今朝からカロリーメイトしか食べてなかったので、ここでお昼ごはん。 2階のレストランで海を眺めながら、てこね寿司と伊勢うどんを食べた。 12時台に入ると、お客さんが次々と訪れる。早めに来てて良かった。
この入口前で、12時30分から「夫婦トド(めおとど)タイム」。 外なので、入場券を買っていなくても、このショーは見られる。 小鉄とヒナという夫婦トドが主役。 体の大きさが夫婦岩並みに異なる。
5分か10分くらいの短いショーだったが、充実していた。 あらためて館内に入る(入館料¥1,400)。冷房が効いている。 小さな水槽群。動物の名前がついた魚を集めたり、魚の恋の駆け引きを紹介したり。 コツメカワウソがいた。
2階には、劇場のような座席が設けられた回遊水槽がある。 いろんな魚が泳ぐ。ウミガメやクエや、小さなサメもいた。 1階に下りると、再び小さな水槽群。イセエビやアジや鯛など、食用になる魚たち。
ダーツの矢に見立てたヘコアユ(?)。クレーンゲームに見立てたヒメハナギンチャク。 インベーダーのようなカニ。 「お化け屋敷」コーナーでは、骨の見える魚や、目のない魚、 ナガクビガメ、オオグソクムシ、チンアナゴ、ウツボなどが展示されるほか、 「ホラー貝」というダジャレまで飛び出す。 このコーナー以外でも、 「サンゴを三個」「只今海藻中」などの記述がある。 ダジャレ好きのスタッフがいるようだ。 お客さんに楽しんでもらおうという姿勢がうれしい。 ノコギリエイがいた。ここのノコギリエイは、 飼育期間が9815日(2014年8月3日現在)と、日本最長だそうだ。 アシカショーのステージがあるが、次の回は午後2時30分。 残念ながら、ちょっと時間が合わなくて、見られなさそう。 二見シーパラダイスのホームページはこちら
「海獣広場」で午後1時20分から、「セイウチおさんぽタイム」が始まる。 広場の周りには、ツメナシカワウソ、ゴマフアザラシ、アゴヒゲアザラシがいる。
トドショーのMC、セイウチショーのMC、カワウソのサポートと、 1人何役もこなす飼育員の女性がかっこいい。
熱帯植物が生い茂る中、ひそかにリクガメとフェネックがいた。 二見シーパラダイスは、決して大きくはないものの、 スタッフの手作り感にあふれた、楽しい水族館だった。 二見シーパラダイスのホームページはこちら すぐ近くにバス停があるがバスには乗らず、二見プラザを通って引き返し、 二見興玉神社の龍宮社、契りの松の前を通って、
夫婦岩を後にして、西へ戻る。
賓日館は、1887年(明治20年)に建てられた宿泊施設。 英照皇太后(明治天皇の母)が宿泊する場所として建てられ、 その後も皇族や要人が宿泊した。国の重要文化財。 非常にしっかりとした建物で、後に増改築された部分があるとはいえ、 127年も前に建てられたとはとても思えない。 天井や柱、障子枠に見られる細かい細工。庭の見事さ。 大広間の折上格天井(真ん中が一段高くなっている)の豪華さ。 階段の親柱に彫られた蛙の彫刻。 そして、一段と凝った造りの「御殿の間」。 造った人も凄いし、また建物がこの姿を維持するよう、尽力されている方々も凄い。 展示室がまた凄かった。ここで使われていたお重やお盆。 昔の写真や絵ハガキ(昔は近くにロープウェーがあったらしい)。 伊勢への「おかげ参り」を再現した人形。帳場の道具。 蔵には地元出身の日本画家・中村左洲の絵画があり、特に屏風が見事。 賓日館のホームページはこちら 賓日館を出て、旅館街を早足で歩く。もう午後3時を過ぎている。 今日中に行きたい場所がもう1ヶ所あるが、果たして間に合うだろうか。 3時20分、生涯学習センターの脇にある、表参道バス停に到着。 時刻表を見ると、10分後の3時30分にバスがある。 次の目的地へはバスで5分くらい。 それくらいの距離なら歩いてもいいのだが、次の目的地は山の上で、 しかも道の途中にトンネルがあるので、徒歩で行くのは危険と判断した。 バスは定刻通りに来た。参宮バスという緑色のバス。 国道42号に出て、トンネルへ。 歩道こそあるが、ガードレールはなく、しかも真っ暗。 案の定、とても歩ける所じゃなかった。
以前の「伊勢戦国時代村」という名前の方がおなじみかもしれない。 もともとは日光江戸村の系列だった。江戸村が江戸時代を再現しているのに対し、 それより少し前の、安土桃山時代をテーマとしている。 現在は系列ではないらしいが、 かつて私がゲーセン紀行で訪れた、日光江戸村(第53回)や、登別伊達時代村(第14回)と同じく、 専属の役者さんによる舞台や忍者活劇が、大層評判らしい。 しかし今回、私が特に楽しみにしていたのが安土城。 織田信長が築いて拠点とした、絢爛豪華な城である。 だが信長の死後、間もなく焼失してしまい、現地の安土には残っていない。 ここ伊勢・安土桃山文化村では、安土の石垣・礎石や、文献、 また後世に影響を受けたとみられるほかの城の造りを参考に、 安土城の天守を、原寸大で再現したのだ! その完成度ゆえか、NHKの歴史検証番組にも登場したほど。 単に外観を再現したのみならず、 最上階の7階には、壁にも天井にも金箔が貼られた「黄金の間」を再現。 また6階の展望台からは、伊勢市街や伊勢湾が見渡せるという。 さらに下の階では、信長の生涯でターニングポイントとなった、 桶狭間の戦い、稲葉山城の戦い、小谷城の戦い、ルイス・フロイスとの会見、 そして本能寺の変が、ジオラマで再現されているらしい。 伊勢・安土桃山文化村の閉園時刻は午後5時(3月半ば〜11月半ば)。 もし時間が足りなければ、領民の里や忍者の里といった、ほかのエリアには行かず、 安土城を見るだけでもいいかと思っていた。 しかし、入村手形(¥2,500)を買おうとした際、窓口で悲しいお知らせを聞かされる。 今日は夏休みの特別企画として、 安土城全体をお化け屋敷にするイベントが開催されており、 通常の営業は午後3時で終了してしまったそうだ。 残念だけど、せめて安土城の外観だけでも見てこようと思い直し、 入村手形を買って村内に入った。 最初のエリアは「領民の里」。 入ってすぐの所に、安土城行きの「駕篭(かご)バス」乗り場があった。 ちょうどバスが来たが、乗ろうか、それとも先に領民の里を見て回ろうかと、 ちょっと迷った隙にバスは出て行ってしまった。
紅屋での公演は午後1時からの1回だけ。残念ながら見られない。 もう1つの「大忍者劇場」は、午後4時からの回があるが、 どのみちあと1時間ちょっとで閉園なので、お芝居を見ている時間はないだろう。
伊勢・安土桃山文化村のホームページはこちら
門の前の売店で尋ねたら、 やはりこの門は閉まったままで、階段で上がるしかないそうだ。 せっかくここまで来たし、上がるだけ上がってみることにした。
東山動植物園でも見たエレメカのスピードバスケットボール。 セガラリー。タイトルファイトというボクシングゲーム。 元祖ジャンケンマン、電車でGO!トレトレトレイン、 たたかえメカゴジラなどのエレメカプライズ。あとパチスロ。
午後5時閉園だから、今から歩いて行っても、 着くか着かないかのうちに、戻ってこなければならないだろう。 どのみち城内には入れない。 最初に窓口で受け取った紙に、 「忍者の里・安土城へは遊歩道又は駕籠バスをご利用下さい」と書いてあったが、 実際はバスでしかたどり着けないレベルの距離だった……。
忍者の里には、小さな忍者資料館もある。 だが運の悪いことに、私はごく最近、 伊賀上野の「伊賀流忍者博物館」に行ったばかりで、 本場の展示を先に見てしまったから、こちらでは目新しいものはなかった。 伊賀流忍者博物館のホームページ
伊勢・安土桃山文化村のホームページはこちら 伊勢安土桃山文化村について、ネットで評判を見た限りでは、 安土城と、それぞれのショーのクオリティは高いようだ。 しかし時間が合わなくて、どちらも見られなかった。 伊勢と二見と鳥羽に囲まれているという立地から考えると、 どこかの観光地とハシゴして見に来るお客さんが多いだろうから、 何時に行っても何かやってる形にならないだろうか。 ハシゴ客のために、夏場は午後6時まで営業してほしいが、 夏と冬で営業時間が違いすぎると、いろいろ支障をきたすのかもしれないし、 だいいち、路線バスが5時台で終わるので仕方ない。 それから、駕籠バスが移動手段のメインなら、もっとバス乗り場を目立たせた方がいい。 何となくだけど、以前訪れた、日光のウェスタン村に似た雰囲気がある。 ウェスタン村のショーも、少人数ながらクオリティが高かった。 しかし、(行ったのが冬場だったからという理由もあるが)お客さんが少なくて、 広い敷地を持て余し気味だった。 ウェスタン村は残念ながら、私が訪れてから1年弱で休園となってしまった。 安土桃山文化村には何とか頑張ってほしい。 (※安土城に行けなかったことで運気が変わったのか、 この先しばらく不運が続くこととなる) さて、二見浦駅に戻ろう。 バスの運賃がわからないし、来たときと違って下り坂だから、歩いて帰る。 もちろん国道のトンネルではなく、西側の住宅地を通ることにした。 距離から想定するに、徒歩10分か、悪くても20分くらいだろう。
住宅地で道に迷った。 踏切を越えたら駅前に出るはずなのに、踏切から駅が全く見えない。 携帯電話の地図アプリで確認。間違ってだいぶ西に進んでいたようだ。 さっき突き当たりを左に曲がったが、右へ行くのが正解だった様子。
そろそろ駅に近づいたかと思った頃、西へ向かう列車が通り過ぎていくのが見えた。 あれに乗りたかった。 汗びっしょりでへとへと。ようやくコンビニ(ローソン)を見つけた。 まさに砂漠のオアシス。ポカリスエットを買って飲む。
駅に着いたのはいいが、道に迷って5時42分の列車に乗れなかったのは痛かった。 時刻表を見ると、次は何と6時40分! 1時間に2本あると思い込んでたが、5時を過ぎると毎時1本しかなくなるのだ。 今日はもう少し先へ進んでおこうと思っていたけど、 日が暮れて景色が見えなくなるなら仕方ない。 続きはまた明日。宿泊地が津なので、そこまで移動する。 逆方向の鳥羽行きは6時17分に来るので、鳥羽から近鉄に乗り換えることにしよう。 ホームで待っていたら、鳥羽行きは6分遅れるとアナウンスが入る。 アナウンスどおり6分遅れで来た快速みえに乗り、鳥羽着6時34分。 今日また鳥羽に来ることになるとは思わなかった。 6時44分の普通・白塚行きに乗り換え。7時2分、いったん伊勢市で降りた。 ……二見浦で6時40分の列車を待ってた方が早かったか。 でもその列車も遅れるかもしれなかったし、まあいいか。 ロッカーから荷物を出して、7時17分発の特急・名古屋行きに乗る。 もうすっかり暗くなってる。写真が撮りづらい。 こんなときに限って、伊勢志摩ライナーが来たりする。 7時47分、津駅着。ホテルに無事チェックイン。 休んだ後、夕ごはんを食べに外出。 以前来たときに改装中だった駅ビルがオープンしていて、 レストラン街で食事することができた。 ¥1,435 今回のルート
伊勢市観光協会 三重県観光連盟 JR東海 近畿日本鉄道 三重交通 次回、「日本縦断ゲーセン紀行 189.伊勢・鳥羽編(10)」では、 軽くゲーセンを2、3店回るはずが……。 「日本縦断ゲーセン紀行 187.伊勢・鳥羽編(8)」に戻る 「ゲイムマンのダイスステーション」タイトルページに戻る |
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